【今週のハイライト】日本当局による追加の為替介入は難しいとの市場予想から、円売りが加速

為替(2024年5月10日 6時00分)
米ドル円      USD/JPY  153.61  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0724 (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   164.72 (円)
ポンド円         GBP/JPY   192.50  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2533  (米ドル)

米ドル円
6日(月)は東京オープンから堅調に推移し13時ころには、154.00円まで上値を伸ばした。しかし午前中に急ピッチで上昇していたこともあり、その後は持ち高の調整売りもあり153.41円まで押し戻された。ただ底値も堅く、米10年債利回りが4.5%台を回復すると、一転してドル買いが優勢となった。クロス円では上値を試しに行く場面もあったが、米10年債利回りが再び4.5%を割り込むと上値が重たくなった。
7日(火)は、日本が4連休明けで、全般でドル高でスタートした。ただし欧州時間序盤になると米10年債利回りが4.455%まで低下したことを受けて、一転してドルが売られる展開となった。4日のイエレン財務長官の発言を受けて「日本当局が為替介入を行うのは困難なのではないか」との観測が浮上する中で、日米の金利差を意識した円売り・ドル買いが優勢となった。米10年債利回りの低下幅の縮小なども相場の支えとなり、27時台には154.74円の日通し高値を付けた。
8日(水)は、朝から堅調な推移をして155.35円まで上値を伸ばした。鈴木財務相から「為替はファンダメンタルズを反映して安定推移が重要、過度の変動は望ましくない」との声もあったが、市場は反応せず円売りが進行した。米10年債利回りが4.5%まで上昇する中で日米の金利差を意識した円売り・ドル買いが進行した。21時台には155.68円の日通し高値を付けた。市場では4月29日の高値160.17円から5月3日の安値151.86円までの下落から半値戻しとなる156.02円がレジスタンスとして意識されており、一時155.35円まで下押す場面もあったが下値は限定的だった。
9日(木)は、東京オープンと同時に値を下げ155.15円まで安値を押し下げた。ただすぐにショートカバーが入り、買い戻された。その後は堅調に上値を伸ばし、155.69円まで上値を伸ばしたが、日経平均がマイナス転したことなども受け揉み合いが続いた。ただ米10年債利回りが4.5%台で高止まりしていることもあり、ドル買いが進み155.81円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。低調な米労働指標を手掛かりに円買い・ドル売りが先行した。好調な米30年債入札後に、米長期金利が低下幅を拡大すると全般でドル売りが優勢となり、155.40円まで下押した。

ユーロドル
6日(月)は東京オープンから上昇し1.0770ドルの日通し高値を付けた。ただその後は売り戻され、1.0760ドル台でもみ合いが続いた。欧州各国のサービス業PMI【速報値】が発表されたが、結果はまちまちで1.0754ドルまで安値を押し下げた。米10年債利回りが低下したことを受けて、ユーロ買いドル売りが先行し1.0790ドルまで上値を伸ばした。もっとも前週末の高値1.0811ドルが目先のレジスタンスとして意識されると上値が重くなり1.0766ドルまで安値を押し下げた。
7日(火)は、東京オープンから仲値にかけて上値を伸ばし1.0776ドルの日通し高値を付けた。ただその後は徐々に安値を切り下げていきじり安の展開となった。独製造業新規受注が弱い結果となったことで、1.0754ドルまで売られたが、米10年債利回りの低下が支えとなり下値も限定的だった。米10年債利回りの低下を手掛かりにユーロ買いドル売りが先行し1.0787ドルの日通し高値を付けた。ただ前日高値の1.0790ドルが目先のレジスタンスとして意識されると失速した。米10年債利回りが低下幅を縮小すると、ドルを買い戻す動きが強くなり、27時台には1.0748ドルの日通し安値を付けた。
8日(水)は、米10年債利回りが4.47%台まで持ち直したことも相場の重しとなり、1.0738ドルまで下押した。欧州長期金利が上昇すると、ユーロ買いが進み1.0749ドルまで持ち直したが、欧州長期金利が上げ幅を縮小すると小幅にユーロ売りが進んだ。新規材料が乏しい中で取引も低調で、大きな方向感は出なかった。欧州の金利上昇を背景に、ややユーロ買いが優勢となり1.0757ドルまで上値を伸ばす場面もあったが、米10年債利回りの上昇もあり揉み合いが続き、1.0747ドルで引けた。
9日(木)は、米10年債利回りが4.5%台の高水準で推移していることでドル買いが進行しじり安となり、1.0735ドルまで安値を押し下げて引けた。20時に控えているBOE政策金利発表を前に積極的な取引は控えられており、値動きは限定的だった。米10年債利回りが4.51%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行し、1.0723ドルまで下押し日通し安値を付けたものの、売りが一巡後は買戻しが優勢となった。その後は、米労働指標が低調な結果であったことや米10年債利回りが4.44%台まで低下したことで、ドル売りが優勢となり1.0784ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けた。

ユーロ円
6日(月)はドル円の上昇につられ急ピッチで上昇し13時ころに165.74円まで上値を伸ばした。その後は伸び悩み、持ち高の調整売りに押し戻され165.37円まで安値を押し下げた。その後ニューヨーク時間には165.98円まで上値を伸ばしたが、上値が重い展開が続いた。
7日(火)は、東京時間は堅調に推移し166.47円の日通し高値を付けた。ただ独製造業新規受注が予想を下回る弱い結果となったことでユーロが売られた。米10年債利回りの低下を受けてドル円の下落も相場の重しとなり、165.63円まで下押して引けた。その後はショートカバーが入り166.57円まで上値を伸ばした。
8日(水)は、ドル円の安定した推移に連動してユーロ買い・円売りが進行した。16時過ぎには、167.33円の日通し高値を付けた。しかし5月2日の高値167.38円がレジスタンスとして意識されると、上値が重たくなり失速した。
9日(木)は、ドル円の上昇に連れて167.32円まで上値を伸ばした。その後は上を試す動きがあったものの、昨日の高値167.35円がレジスタンスとして意識されると、上値を抑えられて上抜けることはできなかった。ただ底値も堅く、ユーロドルが大幅に上昇したことを受けて、ユーロ円も上昇し、167.74円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。

5月6日 9時00分 ~5月10日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY 153.31~155.94(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0734~1.0790(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 165.09~167.75(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2445~1.2594(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  192.43~194.85(円)

株式
6日(月)は、3日の米雇用統計の結果が予想より弱い結果となり、FRBの利下げ開始時期が後ずれするとの懸念が後退する中で、6日も買いが続いた。「イスラム組織ハマスはイスラエルとの休戦案を受け入れる」との一部報道が伝わると、中東情勢の緊迫化が緩和するとの安心感から買いが入りやすくなった。
7日(火)は、FRBの利下げ開始時期が先延ばしになるとの観測が後退する中で、この日も買いが続いた。ただ決算内容が嫌気されたウォルト・ディズニーが9%超下落すると、NYダウ平均は一時下げに転じる場面もあった。一方ハイテク株比率の高いナスダックでは、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)など半導体株に売りが出た。
8日(水)は、買いが優勢となったがNYダウ平均は前日までの5営業日で1,000ドル近く上昇していることもあり、ポジション調整目的の売りも出やすくなり、一時下げに転じる場面もあった。ハイテク株比率の高いナスダックは、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの半導体関連株に売りが出て小幅安となった。
9日(木)は、米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことがわかると、米利下げ観測が高まり買いが広がった。前日に引き続きエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズには売りが出て、上値の重しとなった。

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