薄商いの中、個人投資家のリスクオフから弱気に

2022/11/25  7:35  JST投稿

【米国】

為替(11月25日6時00分)
 米ドル円(USDJPY) 138.53-138.53 (円)
 ユーロ円(EURJPY) 144.24-144.26 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0412-1.0412 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY) 167.88-167.89 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2118-1.2119 (米ドル)

11月24日のニューヨーク外国為替市場は感謝祭の祝日を迎え、数日前から機関投資家の参入が控えられ、個人の参入も希薄なため大きな動きは出にくい状況だった。外国為替以外の市場が休場となっている上、米経済指標の発表もないため個人投資家の心理的な要因による値動きが中心だった。今週に入り米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が強まっており、米ドルが売られやすい状況が続いている。

感謝祭は日本のお正月のような意味合いを持ち、多くの米国人にとっては家族が集う重要な日であり、クリスマス前の重要な行事である意味合いから最も取引量が減少する日だ。取引量が薄い日に少額の取引が積み重なると、狭い価格の範囲での値動きが出やすい状況に陥りやすく、個人が意図的に取引を重ねる場合もあり値動きを読みにくい状況に陥りやすい。

なお、取引薄の中、発表された11月独Ifo企業景況感指数(結果:86.3、予想:85.1、前回:84.3)は、予想外に改善し景気後退懸念が和らいだ。特に製造業の改善が見られ、今後数か月間の悲観論が後退している。

米ドル・円(USDJPY)は、取引が希薄の中、FRBの利上げ緩和観測が心理的な負担となり値を下げた。個人投資家の意図的な売りも出て、早朝にこの日の安値138.06円まで売られた。その後は小幅に戻し終値は138.54円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、11月独Ifo企業景況感指数の良好な結果やECB理事会の議事録で多くのメンバーが0.75%の利上げを示したとの報道からユーロ買いが強まり、この日の安値1.0382ドルから高値1.0448ドルまで値を伸ばした。その後は、大きな材料がなく小幅に売られ、終値は1.0410ドルだった。

ユーロ・円(EURJPY)は、欧州時間に米ドル・円の下落につられた円買いが出てこの日の安値143.66円まで売られた。その後は、ユーロ・米ドルの上昇につられ小幅に値を上げ144.31円で終えた。

*株式等は感謝祭の祝日により休場
 

【日本】米感謝祭控え大きな値動き出づらく

為替(17時)
11月24日の東京外国為替市場では、前日の弱い米経済指標から12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅が0.5%に抑制されるとの観測が強まり長期金利が低下した影響が続いた。米国が感謝祭で休暇のため、機関投資家を筆頭に個人の参入も少なく値動きが出やすい状況も続いている。

米ドル・円は、前日のニューヨーク市場の流れを受け継ぎ徐々に値を下げた。市場参加者が少ないため値動きの出ない場面もあったが再び値を下げ、この日の安値138.56円まで値を下げた。その後は値を戻し17時時点では138.97円となった。

ユーロ・米ドルは、米ドル・円の下落につられ堅調に値を上げ、この日の高値1.0449ドルまで値を上げた。その後は徐々に値を下げ17時時点では1.0416ドルだった。

ユーロ・円は、米ドル・円の動きにつられ徐々に値を下げた。時折、小幅に値を上げる場面もあったが、欧州勢参加後にさらに値を下げ、この日の安値144.58円まで安くなり17時時点では144.76円で取引されている。

債券
 国債先物・22年12月限 149.38 (+0.04)
 10年長期金利 0.245%(+0.005)
 

【マーケットアナリティクス】米ドル円、重要な下値支持線を粉砕(11月24日)

感謝祭は、米ドルに大きな調整をもたらした。この調整が始まってからしばらく経つが、特に昨日のFOMC議事録公表後、この調整は間違いなく加速した。議事録はハト派的で、当局者は近い将来に大幅な利上げを行わない意向を表明していた。また、利上げが経済に悪影響を及ぼす可能性についても言及している。

米ドルの弱さ(ベア)は広範囲に及んでいるが、米ドル・円(USDJPY) については、特に有望なテクニカル設定を与えている。まず、11月10日にUSDJPYは、中期上昇トレンドライン(青色)をブレイクした。その後、139円の支持線(緑色)に向かって下落し、これが守られたことで強気(ブル)の調整が始まった。この調整は非常にテクニカルなもので、ブレイクした上昇トレンドラインに向かっており、上値抵抗線(レジスタンス)としてそれを試した。このテストは売り手にとって好材料となり、決定的な勝利となっている。上昇トレンドラインとの接触後、価格はかなり崩壊し、現在400ピップス以上低くなっている。

欧州時間では、USDJPYは139円の下値支持線(サポート)を割り込んでおり、もし売り手がこのレベル以下で1日を終えることができれば、正当な中期売りシグナルを得ることができるだろう。その場合、ターゲットは131円がサポート(オレンジ色)で700ピップス近く下げることになるだろう。今後、この動きとなる可能性が非常に大きいように思われる。
  米ドル・円、デイリーチャート 11月24日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “USDJPY smashes crucial support” (2022年11月24日, AXIORY Global Market News)
     
追記:11月25日、日本時間6:00の米ドル・円は138.53-138.53円で取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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