【今週のハイライト】欧州中央銀行が市場予想通り、0.25%の政策金利引き下げを決定したことで全般でユーロ売りが優勢となった

為替(20241018  600分)
米ドル円          USD/JPY   150.16 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0830  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   162.68   (円)
ポンド円          GBP/JPY   195.40  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3010  (米ドル)

 
米ドル円
14日(月)は、早朝に付けた149.38円を高値に上値が抑えられた状態が続いた。底値は固いものの東京市場が休場ということもあり、取引数は少なく小幅なレンジで揉み合いとなった。欧州勢参入後は、欧州株が小高く推移している事を眺め、投資家のリスク改善を意識した買いが入り早朝の高値をわずかに上抜けた。ナイト・セッションの日経平均先物が4万円台まで上昇したことを手掛かりに、円売り・ドル買いが先行した。NYダウ平均が連日で史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移していることも相場を支えた。一時149.97円まで上昇したが、節目の150円を前に上値は重たくなり、引けにかけては149.70円まで押し戻された。
 
15日(火)は、時間外の米10年債利回りが先週末よりもやや下回って推移したことを受けて、ドル円は上値が重たい展開となった。10時台には149.43円まで下押したが、日経平均株価が再び4万円台に乗せて上値を広げる動きを確認すると、13時台には149.75円まで買い戻された。ただその後は、日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、上海総合指数など中国株が下げ幅を広げた事で、149.16円まで下押した。欧州株相場の下落などを背景にリスク回避の円買い・ドル売りが出ると、欧州市場序盤に148.85円と日通し安値を付けた。ただ米利下げペースが緩やかになるとの観測が高まる中で、対ユーロなどでドル買いが進んだ影響を受け、26時30分前には149.54円まで下げ渋った。もっとも、この日発表の10月米NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことや、日米株価指数の下落が相場の重しとなったため、戻りも限定的だった。
 
16日(水)は、欧米の株安に加えて8月の本邦の機械受注が市場予想を大幅に下回ると、株安を見越した売りが先行した。また安達日銀審議委員の発言を受けて、一時148.85円まで下押したが売りは続かず、149.36円まで買い戻された。午後には安達審議委員が追加利上げに慎重な姿勢を示したことで、円売りが進み149.48円まで上値を伸ばした。NYダウ平均が史上最高値を更新するなど米国株相場が底堅く推移すると、投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ドル買いが出て、一時149.80円と日通し高値を更新した。ただ、前日の高値149.84円や14日の高値149.98円が目先のレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米10年債利回りが3.99%台と4%を下回ったことも相場の重しとなった。
 
17日(木)は、反発して始まった日経平均株価がマイナスに転じると9時過ぎには149.43円まで下押した。豪ドル円の買いや東京仲値にかけての買いに支えられ149.61円まで買い戻されるも上値は重たかった。日経平均株価が一時250円近く下落したことで、リスク・オフの円買いが進み、149.23円まで下押した。ただ、時間外の米10年債利回りが上昇基調を保つ中で、ナイト・セッションの日経平均株価先物や独DAXが上昇したことを支えに買いが優勢となった。9月米小売売上高や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米新規失業保険申請家因数が予想よりも強い内容だったことが伝わると、米経済の底堅さが改めて意識されて、米10年債利回りの上昇とともに全般でドル買いが先行した。一時150.32円まで上値を伸ばし8月1日以来約2か月半ぶりの高値を更新した。
 
ユーロドル
14日(月)は、対円でドル買いが先行していたが、徐々にユーロドルも下げ幅を広げ1.0914ドルまで弱含んだ。12時台には1.0928ドルまで買い戻されたが、17日のECB理事会で追加利下げ観測が高まっていることで、上値が抑えられている。また11月の米FOMCでの利下げが不透明になりつつあることで、1.09ドル前半で動きづらい展開が続いた。日本時間夕方に1.0936ドルまで上値を伸ばしたものの、前週末の高値1.0954ドルが目先のレジスタンスとして意識されると失速した。ECBが17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測もユーロの重しとなった。10日の安値1.0900ドルを下抜けると、一時1.0888ドルまで下値を広げた。
 
15日(火)は、小幅なレンジでのもみ合いが続いたが、17日のECB理事会での追加利下げ観測が高まりつつあることで、15時過ぎには1.0884ドルまで下押した。ただ、8月8日に付けた直近安値の1.0882ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。欧州時間発表の10月独NEW景況感指数や8月ユーロ圏工業生産が予想を上回る結果となると、ユーロ買い・ドル売りが進行した。低調な米経済指標や米10年債利回りの低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ったことで一時1.0917ドルと日通し高値を付けた。ただ、前日の高値1.0942ドルが目先のレジスタンスとして意識されると失速し、欧州株下落に伴うユーロ売り・ドル買いも出て1.0882ドルまで下押した。
 
16日(水)は、前日までの下げに対するショートカバーも入り徐々に買い戻され12時過ぎには1.0895ドルまで上値を伸ばした。ただ17日のECB理事会での追加利下げ観測が高まっている中で上値が重たい状態は続いた。欧州勢の参入後は売りが先行し、1.0874ドルまで下押したが、積極的に売り進める展開にはならず、やや下げ渋った。米10年債利回りの低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0901ドルと日通し高値を付けたものの、前日高値の1.0917ドルが目先のレジスタンスとして働くと失速した。ECBが17日の理事会にて追加利下げを決めるとの観測もユーロの重しとなった。ドル円のドル高基調に連れたユーロ売り・ドル買いも出たことで、一時1.0852ドルまで下押した。
 
17日(木)は、早朝には1.0855ドルと前日安値に近づくも対円でのドル売りに支えられ1.0864ドルまで上値を伸ばした。ただ、積極的に上値を試すような展開にはならず、今夜のECB理事会での追加利下げ観測の高まりから、1.0848ドルまで下押した。ECB理事会において市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決定した。今後の動きは「データに基づいて会合ごとに決定する」との見解を改めて表明し、利下げペースはデータ次第との説明を維持した。発表直後は、ユーロ買い・ドル売りで反応し1.0873ドルまで上値を伸ばしたが、ラガルドECB総裁の発言を受けてユーロ売りが優勢となり1.0810ドルまで下押した。
 
 
ユーロ円
14日(月)は、早朝に付けた163.23円を高値に徐々に上値を切り下げ、162.88円まで下押した。その後はユーロドルが弱含みに推移し、ドル円が強含みに推移していることで、163.10円を挟んで揉み合いが続いた。欧州勢参入後は欧州株高やドル円上昇に連れて円売り・ユーロ買いが進み、一時163.33円まで上値を伸ばした。日米株価指数の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となり、23時前に一時163.60円と日通し高値を更新した。ただ、根強い欧州金利先安観が相場の上値を抑えると上げ幅を縮めた。
 
15日(火)は、日経平均株価が大幅高となり4万円台に乗せる場面もあったが、クロス円の反応は限られた。後場になると中国株の下落やユーロドルの下落に連れて、16時台には一時162.41円まで下押した。その後は下げ渋ったが上値は重たかった。
 
16日(水)は、日経平均株価の大幅反落もあり162.20円まで弱含んだ。もっとも、ドル円が切り返すと下げ幅を縮めた。その後は162.51円まで買い戻されたが、安達日銀審議委員の発言を受けて162.08円まで下押すなど、要人発言により流動的な相場となった。その後はドル円が切り返し上昇したことに連れて強含みし、162.64円まで上値を伸ばした。一時的に売り戻される場面もあったが底堅く、17時前には162.69円まで上値を伸ばした。ドル円の上昇に連れた円売り・ユーロ買いがでて一時162.89円と日通し高値を付けたものの、ユーロドルの下落につれた売りが出ると上値は重たくなった。
 
17日(木)は、東京仲値にかけて162.49円まで上値を伸ばすも、ドル円の上値が重たくなるにつれて伸び悩み、11時台には162.05円まで下押した。その後はやや買い戻しが優勢となるも、ユーロドルが軟調に推移していることもあり、値動きは限られた。欧州勢参入後はユーロ買いが先行し162.62円まで上値を伸ばした。
 
 
1014 900分 ~1018 600分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  148.84~150.32(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0810~1.0936(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  161.83~163.59(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2973~1.3102(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  193.68~195.71(円)
 
株式
14日(月)は、NYダウ平均は4万3,000ドル台に乗せるなど、最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標としているS&P500も過去最高値を更新した。今週から本格化する米企業決算への期待から買いが入ったと思われる。ハイテク株比率も1万8,000ドル台と高値圏で推移している。
 
15日(火)は、オランダの半導体製造装置メーカーのASMLホールディングスが発表した決算が低調な内容となったことを受けて同社株が急落すると、半導体関連銘柄に売りが波及し相場を押し下げた。なお、決算は誤って予定よりも1日早くウェブサイトに掲載されたことがサプライズとなった。
 
16日(水)は、金融大手のモルガン・スタンレーが発表した四半期決算が良好な内容だったことを受けて、買いが広がった。15日に決算発表をしたゴールドマン・サックスも買われたことで相場を下支えした。なお、前日大幅安となっていたユナイテッドヘルス・グループは2.7%上昇し、NYダウ平均を押し上げた。
 
17日(木)は、NYダウ平均が史上最高値を更新した。堅調な経済指標を受けて米景気の堅調さを確認すると、買いが優勢となった。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)の第3四半期決算が良好な内容となった事も投資家心理の改善に追儺がった。エヌビディアは株式分割後ベースの高値を更新したものの、引けにかけては利益確定売りなどに押された。
 

 
 
 
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