ロシア・ベラルーシのミサイル配備を巡る発言を受け、ユーロ売りが優勢となった

【米国】米雇用統計は予想を上回るも、FOMCの利下げ判断への影響は無いとの見方からドル売りが先行した

為替（2024年12月7日  6時00分）
米ドル円          USD/JPY   149.94 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0562  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   158.40   (円)
ポンド円          GBP/JPY   191.02  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2738  (米ドル)

 
12月6日のニューヨーク外国為替市場は、米雇用統計で非農業部門雇用者数（予想：20.0万人、結果：22.7万人）や平均時給（予想：0.3%、結果：0.4%）が予想を上回ったものの、市場では「利下げを覆すほどの結果ではない」との見方からドル売りが進んだ。もっともプーチン大統領が、ベラルーシへのミサイルシステム配備を可能としたことから、地政学リスクの高まりを受けて、ユーロ売り・ドル買いが進んだ。
 
米ドル円は、米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を上回ったほか、平均時給も予想より強い結果で、概ね良好な結果だったが、市場では利下げを覆す程の内容ではなかったとの見方もあり149.35円まで売り押された。その後ボウマンFRB理事「インフレリスクは依然として顕著」まどと述べると売りは一服した。米雇用統計の後はドル売りが進み、一時1.0692ドルまで買い上げられた。ただ、ベラルーシのルカシェンコ大統領から新たな中距離弾道ミサイルシステム提供を要求された事に対して、プーチンロシア大統領が「配備は可能」と発言し地政学リスクが高まると一転して下落した。FRB高官からタカ派発言が続いたこともドルの買戻しにつながった。
 
ユーロドルは、米雇用統計の後はドル売りが進み、一時1.0692ドルまで買い上げられた。ただ、ベラルーシのルカシェンコ大統領から新たな中距離弾道ミサイルシステム提供を要求された事に対して、プーチンロシア大統領が「配備は可能」と発言し地政学リスクが高まると一転して下落した。FRB高官からタカ派発言が続いたこともドルの買戻しにつながった。
 
株式
NYダウ平均       USD   44,634.43              -141.67(-0.31%)
NASDAQ総合    USD   19,855.32                +153.39(+0.77%)
S&P500             USD     6,088.75                +13.42(+0.22%)

株式市場は、NYダウ平均は、米雇用統計が「12月のFOMCで利下げを見送るほどの内容ではなかった」との見方から買いが先行した。ただ、一巡後は週末を前に主力株の一角に利益確定目的の売りが出たため下げに転じた。ハイテク株比率が高いナスダックでは、反発上昇した。S&P500でも史上最高値を更新した。
 
債券・商品先物
米国債10年                     　　       4.149%     (-0.031)
NY原油（WTI）     USD/バレル   67.00        (-1.77%)
NY金（COMEX）  USD/オンス   2,654.0     (-0.01%)
 

【日本】米雇用統計の発表を前に全般で様子見ムードが広がり、大きな方向感は出なかった

 
為替(17時）
12月6日の東京外国為替市場は、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時450円超安となったことを受けて、円買いが進行したものの、米雇用統計の発表を控える中で積極的に円買いを進める動きにもならず、全般でレンジ内での動きに終始した。
 
米ドル円は、日経平均株価が下値を拡大しじり安に推移していることで、ドル円もじり安の展開となった。12時過ぎには149.76円まで下押した。前日安値の149.66円が目先のサポートとして意識されると買戻しが優勢となり150.16円まで買い戻された。米10年債利回りの低下が一服したことも相場の下支えとなった。
 
ユーロドルは、早朝に前日高値の上抜けに失敗すると小幅に売られ1.0565ドルまで下押した。ユーロ円のじり安に加えて、ドル人民元がドル高人民元安に振れたことも相場の重しとなった。その後は対円でのドルの軟化もあり、ユーロの買戻しが進み1.0580ドルまで持ち直した。その後は夜の米雇用統計を前に様子見ムードが広がり小幅な揉み合いが続いた。アジア時間のレンジから底堅い動きとなり17時過ぎには1.0593ドルまで上値を伸ばし、前日高値の1.0589ドルを上抜けた。
 
ユーロ円は、ドル円の下落に連れて下落した。日経平均株価やダウ先物が軟調に推移していることも相場の重しとなった。12時台には158.36円まで下押した。もっともドル円が反発するとユーロ円も買い戻されるなど、ドル円に連れた動きが続いた。16時過ぎには本日安値の158.38円まで面合わせしたが、その後は158.90円まで反発した。
 
債券
日本国債10年　　　1.048%     (-0.012)