ECB利下げ開始観測の高まりを受けて、欧州通貨売りが先行した

【米国】中東地政学リスクの高まりを受けて、リスクオフのドル買い

為替（2024年4月13日  6時00分）
米ドル円         USD/JPY   153.28  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0640  (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   163.09 (円)
ポンド円         GBP/JPY   190.81  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2448    (米ドル)

 
4月12日のニューヨーク外国為替市場は、「イランの報復攻撃が48時間以内に行われるとみて、イスラエルは備えを進めている」との一部報道で、中東の地政学リスクが高まり対欧州通貨でリスクオフのドル買いが進行した。またECBの利下げ開始観測の高まりも欧州通貨売りを優勢にさせた。
 
米ドル円は、3営業ぶりに反落した。中東への地政学リスクが高まると、原油先物価格が急騰し時間外のダウ先物が下落した。為替市場では、リスク・オフの円買いが進行した。前日の安値152.76円を下抜けると一時152.76円まで安値を押し下げた。もっとも売り一巡後は買戻しが優勢となり、下落分を取り戻した。
 
ユーロドルは、中東リスクの高まりを背景にリスクオフのドル買いが入ると一時1.0622ドルまで安値を押し下げた。米ミシガン大消費者信頼感指数は予想を下回ったものの、同時に発表された消費者期待のインフレは予想を上回った。ECBの利下げ開始観測の高まりも相場を押し下げる一因となった。
 
株式
NYダウ平均       USD   37,985.04    -470.70(-1.22%)
NASDAQ総合    USD   16,178.41    -260.80(-1.58％)
S&P500             USD    5,122.88     -75.45(1.45%)

株式市場では、米インフレへの懸念や、中東の地政学リスクの高まりが投資家心理の悪化につながり、幅広い銘柄で売りが出やすくなった。決算内容が嫌気されたJPモルガン・チェースが6％超下落した。また「中国は外国製チップを段階的に排除する」との報道が伝わるとインテルが5％超下落した。
 
債券・商品先物
米国債10年                     　　       4.526     (-0.065)
NY原油（WTI）     USD/バレル   84.82     (-0.16%)
NY金（COMEX）  USD/オンス   2,360.2  (-1.27%)
 

【日本】ECBの利下げ開始観測が高まり、欧州通貨が売られる

為替(17時）

4月12日の東京外国為替市場は、欧州中央銀行（ECB）による利下げ観測が高まる中で、欧州通貨の売りが優勢となった。米10年債利回りは4.54％まで低下したが、依然として高水準を維持している。
 
米ドル円は、仲値にかけて下押して152.96円の安値を付けてが、底値は固くその後はじわじわと上昇し、16時台には前日高値の153.31円を上抜けて153.38円まで上値を伸ばした。しかし、米10年債利回りが下落したことが重しとなり、買いが一巡した後は153.2円台で伸び悩んだ。
 
ユーロドルは、欧州中央銀行（ECB）による利下げが現実味を帯びつつある中でユーロ売りが優勢となった。意識されていた2月14日の安値1.0694ドルを下抜けると昨年11月以来の安値となる1.0622ドルまで下値を押し下げた。
 
ユーロ円は、ユーロドルの下落に引きずられる形で4月10日安値の163.87円を下回ると163.61円まで安値を押し下げた。ECBの利下げ開始が現実味を帯びている中で、ユーロ売りが加速している。
 
債券
10年長期金利  0.847％ (-0.013)
 
【市場主要イベント】
15日　ユーロ　鉱工業生産
　　　加　　　住宅着工件数
　　　米　　　小売売上高
16日　中　　　第1四半期ＧＤＰ
　　　英　　　失業率
　　　英　　　失業保険申請件数
　　　加　　　消費者物価指数
　　　米　　　住宅着工件数
17日　新　　　第1四半期消費者物価指数
　　　英　　　消費者物価指数
　　　英　　　生産者物価指数
　　　英　　　小売物価指数
　　　ユーロ　消費者物価指数
18日　英　　　失業率
　　　英　　　新規雇用者数
　　　米　　　新規失業保険申請件数
　　　米　　　中古住宅販売件数
19日　日　　　全国消費者物価指数
　　　英　　　小売売上高

今週の経済指標