ECB理事会にて政策金利の引き下げ発表したものの、ラガルド総裁の発言でユーロ買いが優勢

【米国】米卸売物価指数が予想を下回ったことで米10年債利回りの低下とともにドル売りが優勢

為替(2024年9月13日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   141.78 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1074  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   157.03   (円)
ポンド円          GBP/JPY   186.08  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3124  (米ドル)

 
9月12日のニューヨーク外国為替市場は、ECB理事会が市場予想通りに政策金利を4.25%から3.65%まで引き下げることを決定したが、ラガルドECB総裁が「特定の金利経路を事前に約束しているわけではない」「9月はエネルギー動向により低いインフレ率を示す可能性が高いものの、第4四半期には再び上昇するだろう」との発言をしたことから、全面ユーロ高となった。また米卸売り物価指数前年同月比(予想:1.8%、結果:1.7%)が予想を下回ると、米10年債利回りの低下とともにドル売りが先行した。
 
米ドル円は、米労働省が発表した8月米卸売物価指数が前年比で予想を下回ると米10年債利回りの低下とともに円買い・ドル売りが先行した。ナイト・セッションの日経平均先物が480円下落したことも相場の重しとなり、22時台には141.90円まで下押した。その後、米10年債利回りが3.70%まで一転上昇すると、ドル円も142.66円付近まで下げ渋ったものの、上値は重たかった。対ユーロでドル安が進んでいたことも相場の重しとなり、引けにかけては141.72円まで下押し、日通し安値を付けた。
 
ユーロドルは、ECBは市場予想通り政策金利を4.25%から3.65%に引き下げることを決定した。声明では「政策金利の決定は会合ごとに実施し、特定の道筋に事前のコメントはしない」とのガイダンスを維持した。「今回の利下げとラガルドECB総裁の発言は想定内だった」との受け止めが多い中で10月の追加利下げ観測が後退するとユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.1075ドルまでユーロ高・ドル安が進行した。
 
株式
NYダウ平均       USD   41,107.36      +268.98(+0.65%)
NASDAQ総合    USD   17,572.43      +181.49(+1.04%)
S&P500             USD     5,596.75         +38.52(+0.69%)

株式市場では、「FRBの利下げペースが緩やかにとどまり政策が後手に回る」との懸念がくすぶる中で、NYダウ平均は一時200ドル近く下落したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、上げに転じた。前日と同様に、直近でげらっくが目立っていたハイテック株を中心に押し目買いが入った。
 
債券・商品先物
米国債10年                              3.678%     (+0.023)
NY原油(WTI)     USD/バレル   69.34        (+2.68%)
NY金(COMEX)  USD/オンス   2,587.2     (+1.85%)
 

【日本】田村日銀審議委員の発言でややクロス円に乱高下があったものの、全般でもみ合いの展開となった

 
為替(17時)
9月12日の東京外国為替市場は、田村日銀審議委員の「見通し期間後半に少なくとも1%程度までの利上げが必要」「市場が予想するペースでの金利引き上げでは、物価の上振れリスクをさらに高めてしまう」と言ったタカ派発言が伝わると円買いが優勢となった。ただその後は「次の利上げは欧米とは異なりゆっくりとしたペースになる可能性が高い」といったハト派な見解も述べた。ECBの政策金利発表が控えていることなどもあり、全般でポジション調整など揉み合いの相場となった。
 
米ドル円は、東京仲値にかけてドル高・円安が進行していたものの、10時過ぎに田村日銀審議委員のタカ派発言をきっかけに142.25円まで下押した。もっとも日経平均株価が堅調さを維持していたこともあり、買戻しも早かった。後場には日経平均株価が前場の高値を更新したことで円売り圧力が高まり143.04円まで上値を伸ばした。
 
ユーロドルは、東京仲値にかけて1.1005ドルまで下押したが、ECB理事会を控えていることもあり動意は薄かった。午後になるとポジション調整目的の買いが入りやすくなり一時1.1023ドルまでまでわずかに本日レンジ幅の上限を広げた。その後は、米10年債利回りの上昇とともに午前中の安値1.1005ドルに並ぶ場面もあったが、1.1000ドルの節目がサポートとして意識されており、下押しも限られた。
 
ユーロ円は、田村日銀審議委員のタカ派発言により円の買戻しが進み、一時156.63円まで下値を広げた。ただ日経平均株価の上昇や、田村日銀審議委員のハト派発言が伝わったことで再び円売りが優勢となると157.51円まで上値を伸ばした。ただドル円の失速やユーロドルも上値が抑えられていることで、積極的に上値を試す動きにはならなかった。
 
債券
日本国債10年   0.864%    (+0.013)
 

【市場主要イベント】
13日 ユーロ 鉱工業生産
   米   ミシガン大消費者態度指数
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