【今週のハイライト】FOMCで0.50%の大幅利下げが決定されたが、パウエルFRB議長の発言もあり、ドル買い・ドル売りが交錯した

為替(2024年9月20日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   142.60 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1161  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   159.18   (円)
ポンド円          GBP/JPY   189.43  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3282  (米ドル)

米ドル円
16日(月)は、前週からの軟調な推移を引き継ぎ、上値が重たい相場が続いた。もっとも東京市場は休場ということもあり、午前中は140.50円前後で揉み合いが続いた。明日から始まる米FOMCでの0.50%利下げ確立が60%程度まで上昇したことで、一時139.94円まで下値を広げた。その後の戻しも140.30円程度にとどまり、ドル売り圧力が強い状態が続いた。米10年債利回りが3.63%台まで低下したことも重しとなり16時台には139.57円まで下押し、日通し安値を付けた。日本時間には139.57円の日通し安値を付けたがその後は、調整の買戻しが優勢となった。9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回り、米景気の底堅さを示すとドルを買い戻す動きが活発化した。25時前には140.91円まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた高値140.90円が目先の戻りの目安として意識されると買戻しは一服した。米10年債利回りが再び低下に転じた事も相場の重しとなった。

17日(火)は、早朝に141円台を回復するとストップロスを巻き込みながら、141.24円まで上値を伸ばした。もっとも米金利の先安観が広がる中で、ドル売り圧力は強く11時台には140.31円まで押し戻された。もっとも前場でマイナス圏を推移していた日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米10年債利回りが3.63%台まで上昇した事で140.80円まで下げ渋った。ただ米10年債利回りが再び3.60%台まで低下したことで、上値が重たい展開となった。8月米小売売上高や8月米鉱工業生産が予想を上回ると、米経済の底堅さが意識されて、米10年債利回りの上昇とともに円売り・ドル買いが先行した。日経平均先物の上昇を背景にリスク・オンの円売りが出たことも相場を下支えした。明日のFOMC結果公表を前にポジション調整目的のドル買いも入り、142.46円まで上値を伸ばした。

18日(水)は、後場の日経平均株価がマイナス圏に沈んだことを確認すると、14時前には141.22円まで下押した。もっとも日経平均株価が引けにかけて170円超上昇した事で、買い戻しが優勢となり141.92円まで上値を伸ばした。ただ本日ニューヨーク時間のFOMC結果公表を前に大きな方向感が出ることはなかった。FOMCにて0.50%の大幅利下げを決定したことを発表した。これに対して市場では大きくドル売りで反応し、140.44円の日通し安値を付けた。ただ前日安値の140.32円が目先のサポートとして意識されると、一転して買い戻しが優勢となった。パウエルFRB議長の会見での発言にて「FRBの今後の利下げ判断は今後のデータ次第である」といった胸の発言をしたこともドル買いを後押しした。

19日(木)は、時間外の米株先物のプラス推移を確認すると、東京仲値にかけてドル買い・円売りが強まり10時30分過ぎには143.94円まで上値を伸ばした。ただ、6日高値の144.01円が目先のレジスタンスとして意識されると、米10年債利回りの上昇一服も重なり一転してドル売り・円買いが優勢となり142.03円まで下押すも、大台割れを回避した。前週分の新規失業保険申請件数や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想よりも強い内容だったことを受けて、円売り・ドル買いが先行し22時過ぎには143.76円まで上値を伸ばした。もっとも東京時間の高値を前に上値が重たくなり失速し、引けにかけては142.53円まで下押した。

ユーロドル
16日(月)は、ポジション調整の買いが優勢となり1.1092ドル程度まで上値を伸ばしたが、東京市場が休場ということもあり揉み合いが続いた。明日から始まる米FOMCでの0.50%利下げ観測の台頭や米10年債利回りの低下を受けて、全般でドル売りが優勢となり1.1119ドルまで上値を伸ばした。時間外の米2年債利回りは約2年ぶりの水準となる3.54%台まで低下した。米大幅利下げ観測を背景にユーロ買い・ドル売りが先行した。22時30分過ぎには1.1137ドルの日通し高値を付けた。ただ、6日の高値1.1155ドルが目先のレジスタンスとして意識されると上昇は一服し、1.11ドル台前半でのもみ合いに転じた。米ニューヨーク連銀製造業景気指数の予想上振れも相場の重しとなった。

17日(火)は、円主体の動きとなっていることもあり方向感に乏しい展開となっている。FOMCでの米政策金利発表を前に様子見ムードが広がっているが、独10年債利回りが低下して始まりユーロ売りが散見したことで16時台には1.1156ドルまで下値を伸ばした。もっとも米10年債利回りも低下したことから、1.1137ドルまで切り返し日通し高値を付けた。日本時間夕方に一時1.1146ドルと日通し高値を付けたものの、6日の高値1.1155ドルが目先のレジスタンスとして意識されると失速した。米経済指標の上振れや米10年債利回りの上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て一時1.1111ドルと日通し安値を更新した。FOMC結果公表を前にポジション調整目的のドル買いも相場の重しとなった。

18日(水)は、円主体の動きとなる中で値動きは鈍かったが、10時過ぎには1.1130ドルまで上値を伸ばした。ただ上値は重たくその後はもみ合いが続いた。今夜のFOMCでの利下げ幅が不透明中で大きな値動きは出ず、様子見ムードが広がっている。またポンドドルでは英消費者物価コア指数が前年比で予想を上回った事で買いが継続し、ユーロドルも1.1131ドルまで上値を伸ばした。FOMCでの大幅利下げの決定を受けて一時1.1189ドルと8月27日以来の高値を付けたものの、8月27日の高値1.1191ドルが目先のレジスタンスとして意識されると失速した。パウエルFRB議長が今後の利下げ方針について、市場が大幅利下げの継続を過度に期待しないような発言をしたこともドルの買戻しを誘った。買戻しの勢いは強く一時1.1096ドルの日通し安値を付けた。

19日(木)は、米10年債利回りが上昇したことで上値が重たくなり前日安値を割り込み、1.1068ドルまで下押した。ただ金利上昇に一服感が出ると、買い戻しが優勢となった。その後は米10年債利回りが3.71%台やや低下したこともあり徐々にユーロ買い・ドル売りが優勢となった。夜にはBOE政策金利発表を控えていることもあり、ポジション調整の買いも入り、1.1153ドルまで上値を伸ばした。欧州市場でDAXが史上最高値を更新するなど、欧州株式相場が堅調に推移したことで、リスク・オンのユーロ買い・ドル売りが進行し、1.1178円まで上値を伸ばした。ただ、ニューヨーク市場では米経済指標が予想を上振れたことが相場の重しとなり、23時台には1.1116ドルまで下押したが、売りが一巡後は米10年債利回りが上げ幅を縮小したこともあり、1.1167ドルまで下げ渋った。

ユーロ円
16日(月)は、ドル円の下落とユーロドルの上昇に挟まれる形となったが、ドル円の下げがやや大きくなっていることで、155.74円まで下押した。その後揉み合い相場が続いたが、ドル円の下落につられる形で、16時台には155.14円まで下押し、日通し安値を付けた。もっとも売り一巡後には、買い戻しが優勢となり25時台には156.67円とひっどし高値を更新した。ドル円の下げ渋りやユーロドルの上昇に連れて買いが入った。

17日(火)は、日経平均株価が下げ幅を拡大する中で、ドル円とともに下値を試す動きが強まり、156.14円まで下押した。もっともドル円同様に下押しが一巡すると156.61円まで買い戻された。その後独10年債利回りが低下して始まったことで、ユーロ売りが優勢となり156.04円まで下押したが、ユーロドルが切り返したことから156.61円まで買い戻された。ドル円の上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが先行した。日経平均株価先物の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが入ると引け前には158.33円と本日高値を更新した。

18日(水)は、ドル円と同様にやや値を戻したが159円を前に失速すると、157.30円まで一段安となった。後場に日経平均株価がマイナス圏へ転落したこともあり、157.04円まで下値を押し下げたが、その後は日経平均株価がプラス圏を回復したことで買い戻しが優勢となり、157.96円まで上値を伸ばした。FOMCにて0.50%の大幅利下げを背景に一時157.10円まで円高となったが、パウエルFRB議長のややタカ派な発言を受けて158.36円まで買い戻された。

19日(木)は、日経平均株価が高く寄り付いたことでリスク・オンの円売りが入り、159.41円まで上値を伸ばした。もっともドル円が失速し伸び悩むと上値が重たくなり始めた。ドル円の下落に合わせて一時158.33円まで下押したが、20日に控えた日銀金融政策決定会合を前にドル円が神経質な動きをしていることもあり、引けにかけては買い戻しが優勢となった。欧州時間には一時159.97円まで上値を伸ばしたものの、ニューヨーク時間には徐々に上値が重たくなり24時前には158.82円まで押し戻された。もっともその後は小幅な値動きでもみ合いが続いた。

9月16日 9時00分 ~9月20日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円 USD/JPY 155.14~159.96(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1068~1.1189(ドル)
ユーロ円 EUR/JPY 155.14~159.96(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3134~1.3314(ドル)
ポンド円 GBP/JPY 183.76~190.38(円)

株式
16日(月)は、FRBが17日から18日のFOMCで大幅利下げに動くとの期待が再燃する中で、主力株の一角に買いが入った。その一方で新型iPhone 16 Proの需要が予想を下回っていると市摘されたアップルが下落し相場の重しとなった。ハイテク株比率が高いナスダックは先週上昇が続いていた後だけに、6営業日ぶりに反落した。

17日(火)は、NYダウ平均は買いが先行で始まったものの、前日に史上最高値を更新した後だけに利益確定目的の売りが優勢になると下げに転じた。ただFRBが大幅利下げに動くとの期待が再燃する中で、下値も限定的だった。ハイテク株比率が高いナスダックでも高く寄り付いたが、上値が重たく小幅なプラスで引けた。

18日(水)は、FRBが0.50%の大幅利下げを決定したことで、米景気の下支えに前向きとの見方から発表後は買いが優勢となった。NYダウ平均は一時370ドル超上げた。ただ、事前に米大幅利下げ観測が高まっていたことで買いが進んでいたこともあり、利益確定目的の売りも出やすかった。また会見でパウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を示すと、引けにかけては下げに転じた。

19日(木)は、NYダウ平均や多くの機関投資家が運用指標としているS&P500は過去最高値を更新した。米大幅利下げが景気を支えるとの期待が高まると、主力株に買いが集まった。また米経済指標の強い結果を受けて、景気の先行きに対する楽観的な見方が広がったことも相場を下支えした。ハイテク株比率が高いナスダックも、7月16日以来約2か月ぶりの高値で取引を終えた。

この記事をシェアする
もっと読む
クッキー(Cookie)について: お客様が本ウェブサイトにアクセスする際、セキュリティの確保やお客様に関する情報を取得することを目的に、クッキー(Cookie)を使用する場合があります。 本ウェブサイトにお客様が継続的に訪問する場合、クッキーについて同意することと見なします。またクッキーはいつでも削除することが可能です。
FAQ お問合せ サポートデスク
月曜日-金曜日
9:00-24:00