トランプ大統領の相互関税については「柔軟性がある」との見解で、リスク志向は緩和した

【米国】トランプ大統領の関税政策の見解が示され、投資家心理が改善した

為替（2025年3月22日  6時00分）
米ドル円          USD/JPY   149.29(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0812 (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   161.43   (円)
ポンド円          GBP/JPY   192.77  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2913  (米ドル)

 
3月21日のニューヨーク外国為替市場は、トランプ大統領が4月2日から導入を予定している相互関税については「柔軟性がある」との見解を示したことで、投資家の過度なリスク回避姿勢は緩和し、米株相場が買い戻されたことで円の売り戻しが優勢となった。大幅に下げていたNYダウ平均がプラス圏を回復したこともドル買いの支援材料となった。
 
米ドル円は、欧州相場や時間外のNYダウ平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行した。米10年債利回りの低下に伴う売りも出て22時過ぎには148.60円まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた安値148.58円が目先のサポートとして意識されると、買戻しが優勢となった。トランプ米大統領が4月2日に導入する予定の相互関税について「柔軟性がある」との認識を示したことで、投資家の過度なリスク回避姿勢は緩和し、一時500ドル超下落していたNYダウ平均がプラスに転じたことも支援材料となり、引けまでに149.36円まで買い戻された。
 
ユーロドルは、米10年債利回りの低下を背景にユーロ買い・ドル売りが先行し21時過ぎには1.0860ドルまで買われた。ただ、買い一巡後は徐々に上値が重たくなった。貿易摩擦が欧州経済に悪影響を及ぼす可能性が改めて認識される中で、欧州株が下落するとリスク・オフのユーロ売りが優勢となり25時前には1.0796ドルまで売られた。米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の重しとなった。
 
株式
NYダウ平均       USD   41,985.34                    　　+37.53(+0.08%)
NASDAQ総合    USD   17,677.15               　　     -11.63(-0.06%)
S&P500             USD     5,667.99                  　　   +5.93(+0.10%)

株式市場は、米関税政策などで米景気減速への懸念が高まる中で、この日も売りが先行した。一部企業の業績見通し悪化も嫌気され、指数は一時500ドル超下落した。ただ、トランプ大統領は4月2日からの相互関税について「柔軟性がある」との認識を示したことで、買戻しが優勢となり、上昇に転じた。
 
債券・商品先物
米国債10年                     　　       4.250%     (+0.009)
NY原油（WTI）     USD/バレル   68.01        (-0.13%)
NY金（COMEX）  USD/オンス   3,028.2     (-0.80%)
 

【日本】日経平均株価の底堅さから、円売りが優勢となった

 
為替(17時）
3月21日の東京外国為替市場は、日本の全国消費者物価指数（予想：3.5%、結果：3.7%）が市場予想を上回った事を受けて円買いが先行したものの限定的だった。もっとも安く寄り付いた日経平均株価が下げ幅を縮小しプラス圏を回復したことで全般でリスク・オンの円売りが優勢となった。欧州勢が参入し始めると、貿易摩擦が欧州経済へ悪影響を及ぼすとの懸念が根強い中で、欧州株市場やNYダウ平均先物が下落したことで、リスクオフの円買いが優勢となった。
 
米ドル円は、全国消費者物価指数が市場予想を上回った事で、一時148.58円まで下落したものの下値は限定的だった。安く寄り付いた日経平均株価が下げ幅を縮小しプラス圏を回復した事で、リスク・オンの円売りが優勢となり14時台には149.63円まで上昇した。欧州勢参入後には、時間外の米10年債利回りが上昇したことで149.66円まで上値を伸ばす場面もあったが、買いが一服すると利益確定目的の売りが優勢となり149.24円まで下押した。
 
ユーロドルは、ドル円でドル買いが優勢となっていることや時間外の米10年債利回りがじり高に推移していることで、ユーロ売り・ドル買いが先行し、15時前には1.0819ドルまで下押した。売り一巡後は買戻しが優勢となり、徐々に下値を切り上げていき17時過ぎには1.0845ドルまで買い戻しが進んだ。
 
ユーロ円は、全国消費者物価指数が市場予想を上回った事で161.28円まで下押したものの、安く寄り付いた日経平均株価が上昇したことやドル円が切り返し上昇しいたことに連れて、161.90円まで上値を伸ばした。その後はユーロドルの下落もあり161.53円まで売り戻されたが、戻りは限定的で16時までに162.12円まで日通し高値を更新した。もっともその後は、時間外のNYダウ平均先物や欧州株先物が弱含んだことで失速。161.71円まで売られた。
 
債券
日本国債10年　　　1.522%     (+0.005)