米トランプ大統領の関税政策をめぐり、米10年債利回りの上昇とともに全般でドル買いが優勢となった

【米国】米10年債利回りの上昇をきっかけに、全般でドル買いが優勢となった

為替（2025年7月12日  6時00分）
米ドル円          USD/JPY   147.42(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1688(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   172.29(円)
ポンド円          GBP/JPY   198.82(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3482(米ドル)

 
7月11日のニューヨーク外国為替市場は、米10年債利回りの上昇を背景に全般でドル買いが優勢となった。またECBのシュナーベル専務理事の発言から「利下げ局面は終わりに近づいている」との見方が改めて意識されたことで、ユーロ買いが優勢となった。
 
米ドル円は、米10年債利回りが4.42%台まで上昇したことを受けて、ドル買いが優勢となり147.52円まで上値を伸ばした。買い一巡後には調整の売りが入り、147.25円まで売りもされたものの、底堅く推移し147.40円前後でもみ合い引けた。
 
ユーロドルは、シュナーベルECB専務理事が「インフレが持続的に下振れするリスクはない」「追加利下げのハードルはとても高い」などの見解を示すと、ECBの利下げ局面は終わりに近づいているとの見方が意識された。22時台には1.1713ドルまで上値を伸ばしたものの、米10年債利回りの上昇を背景にドル買いが優勢となると1.1681ドルまで売り戻された。
 
株式
NYダウ平均       USD   44,371.50                             　　-279.13(-0.62%)
NASDAQ総合    USD   20,583.84                            　      -47.53(-0.23%)
S&P500             USD     6,259.74                                  　-20.73(-0.33%)

株式市場は、米関税政策が世界景気を押し下げるとの懸念が再燃するなかで、週末を前に利益確定目的の売りに押された。また、米10年債利回りが上昇したことで、相対的な株式の割高感が意識されたことも売りを促した。ハイテク株比率が高いナスダックでは、利益確定目的の売りに押される形で、4営業日ぶりに下落した。
 
債券・商品先物
米国債10年                     　　       4.417%     (+0.063)
NY原油（WTI）     USD/バレル   67.39        (+2.60%)
NY金（COMEX）  USD/オンス   3,370.3     (+1.11%)
 

【日本】トランプ大統領がカナダに対して35％の関税を課すことを表明すると、全般でドル買いが先行した

 
為替(17時）
7月11日の東京外国為替市場は、トランプ大統領が自身のSNSにてカナダのカーニー首相あての書簡で「カナダに対して35％の関税を課す」と公表した。それに伴い、全般でドル買いが優勢となった。ただ米当局者が「USMCAに対する製品の関税免除は維持する」との発言が伝わると、カナダドル売りも一服した。
 
米ドル円は、トランプ大統領が自身のSNSで「カナダに対して35％の関税を課す」とカナダのカーニー首相あての書簡を公表した。対カナダドルでドル買いが優勢となると、ドル円は強含み13時台には147.18円まで上値を伸ばした。ただ、時間外のダウ先物が下落していることなどもあり146.72円まで売り戻された。もっとも下値は限定的で調整の域を出ることはなかった。
 
ユーロドルは、トランプ大統領がカナダのカーニー首相宛ての書簡で35％の関税を課すことを公表したことで、対カナダドルドル買いが優勢となり、1.1664ドルまで下押した。ただ、10日安値の1.1662ドルが目先のサポートとして意識されると下げ渋り徐々に買い戻された。ユーロポンドで買いが入ったことも支えとなり1.1695ドルまで買い戻された。

ユーロ円は、米大統領によるカナダへの35％関税賦課の公表をきっかけに、ユーロドルが下落した流れにつ入れて、170.79円まで売りが先行した。ただ、ユーロドルの下げ渋りやドル円の上昇すると、一転して買いが優勢となり13時台には171.76円まで上値を伸ばした。その後はドル円の伸び悩みにつれて、ユーロ円も失速し146.72円まで売り戻された。
 
債券
日本国債10年　　　1.522%     (+0.030)