トランプ大統領の発言により、FRBの独立性が損なわれるとの懸念からドル売りを促した

【米国】米雇用統計やISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことで、ドル売りが優勢

為替（2025年8月2日  6時00分）
米ドル円          USD/JPY   147.42(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1585(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   170.77(円)
ポンド円          GBP/JPY   195.73(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3271(米ドル)

 
8月1日のニューヨーク外国為替市場は、米雇用統計非農業部門雇用者数（予想：10.4万人、結果：7.3万人）が市場予想を下回ったことや、米ISM製造業景況指数（予想：49.5、結果：48.0）が市場予想を下回ったことで、全般でドル売りが優勢となった。トランプ大統領の発言から、FRBの独立性が損なわれるとの懸念や、米露地政学リスクの高まりもドル売りを促した。
 
米ドル円は、この日発表の米雇用統計非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去２ヶ月分についても下方修正されたことを受けて全般でドル売りが優勢となった。またトランプ大統領が「パウエルFRB議長は頑固な馬鹿者だ。もし利下げを拒み続けるなら理事会が主導権を握るべきだ。」と投稿すると、FRBの独立性を懸念がさらにドル売りを促し147.29円まで下値を拡大した。
 
ユーロドルは、FRBの独立性や米雇用市場に対する懸念から全般でドル売りが優勢となり、23時過ぎには1.1588ドルまで上値を伸ばした。トランプ米大統領がメドベージェフ露安全保障会議副長の挑発に対して、「原子力潜水艦2隻の配備を命令した」と明らかにした。地政学リスクをめぐる懸念から、一時1.1516ドルまで下押す場面もあった。
 
株式
NYダウ平均       USD   43,588.57        -542.40(-1.22%)
NASDAQ総合    USD   20,649.99        -480.87(-2.27%)
S&P500             USD     6,238.00        -101.38(-1.59%)

株式市場は、トランプ大統領の発言からFRBの独立性をめぐる懸念や米雇用市場に対する懸念から株売りが優勢となった。また決算内容が嫌気されたアマゾン・ドット・コムが大幅に下落したことが相場の重しとなり、NYダウ平均は一時790ドル超下落した。
 
債券・商品先物
米国債10年                     　　       4.216%     (-0.162)
NY原油（WTI）     USD/バレル   66.44        (-3.21%)
NY金（COMEX）  USD/オンス   3,416.0     (+2.20%)
 

【日本】前日の大幅な円売りの反動から、利益確定目的の円買いが先行した

 
為替(17時）
8月1日の東京外国為替市場は、前日に植田日銀総裁の発言を受けて大幅に円売りが進んだ反動から、利益確定目的の円買いが先行した。日経平均株価が安く始まり一時480円超安となったこともあり、円買いを促した。もっともニューヨーク時間には米雇用統計の発表が控えていることもあり、後半は方向感の出にくい相場となった。
 
米ドル円は、東京仲値にかけて前日高値をうわ抜けて150.91円まで上値を伸ばしたものの、節目の151円を手前に買いが一服すると前日まで目立った押し目もなく上昇したこともあり、利益確定目的の売りに押された。15時前には一時150.41円まで下押したが、その後は夜の米雇用統計を控えていることもあり、150.55円前後でもみ合った。
 
ユーロドルは、米早期利下げ観測が後退しているほか、米関税政策による欧州景気不安が重しとなり、一時1.1404ドルまで下押した。ただ、前日安値を下抜けることはできず、サポートとして意識されると買戻しが優勢となり1.1437ドルまで買い戻された。ただ、夜には米雇用統計を控えていることで上値も限定的で方向感は出にくかった。

ユーロ円は、ドル円の売りにつられる形で172.00円まで売りが先行した。その後は172.22円まで買い戻されたが買戻しは限定的で、欧州株が下落して始まったほか、時間外のダウ先物やナスダック指数が軟調に推移したことで、リスク回避の円買いが優勢となり17時過ぎには171.80円まで下押した。
 
債券
日本国債10年　　　1.550%     (-0.008)