ニッケル(XNIUSD):LMEのファンダメンタルズとテクニカル戦略

ニッケル(XNIUSD):LMEのファンダメンタルズとテクニカル戦略

目次

ニッケルの生産工程

需給のファンダメンタルズ要因

生産地域の分布

ニッケル需要の二大柱:鉄鋼とバッテリー

ニッケル市場の構造

ロンドン金属取引所

2022年のショートスクイーズ

中国とロンドン市場のつながり

取引判断に役立つ指標

現物在庫の動向

EUの炭素国境調整措置(CBAM)

長期のテクニカル分析

まとめ

 

ニッケルは、コモディティ市場において極めて大きな存在感を放つ銘柄です。従来、ニッケル市場は主にステンレス鋼の需要動向によって牽引されてきましたが、近年ではグリーンエネルギーへの移行における重要な構成要素としての地位も確立されつつあります。トレーダーの視点から見ると、ニッケルは大きなボラティリティ(価格変動)や、長期的な視点での明確なテクニカル構造を示す傾向があります。

しかしながら、自信を持って取引を行うためにはグローバルなサプライチェーンと市場のメカニズムに対する、きめ細かな理解が求められる銘柄と言えるでしょう。

📝 差金決済取引(CFD)による貴金属取引について

貴金属の具体的な取引内容に入る前に、CFDがどのように機能し、先物契約の売買とどう違うのかをしっかりと理解しておく必要があります。

CFD取引の主な特徴

🔷 CFDは、差金決済を行うデリバティブ(金融派生商品)です。 これは、トレーダーが商品を物理的に売買したり、受け取ったりすることがない、ということを意味します。現物の受け渡しは行われず、売買から生じた損益の差額のみを現金で決済する仕組みです。 つまり、トレーダーは主要市場における貴金属の先物価格に連動するように設計された契約の価格変動を予測して取引を行います。このようにCFDを用いることで、先物契約のロールオーバー(乗り換え)や現物の受け渡しといった手間を心配することなく、価格の変動のみを取引の対象とすることが可能になります。

🔷 CFDではレバレッジを利用でき、資本をより効率的に活用することが可能になります。 レバレッジを賢く利用することで、一つの資産に全ての資本を固定することなく、複数のポジションを同時に保有することもできます。また、ポジションサイズを大きくすることで、通常であればわずかな利益率にしかならないような日中の価格変動から、相応の利益を得られる可能性も生まれます。レバレッジはあくまでツールです。賢明に利用すれば潜在的なリターンを増幅させることができますが、理解せずに利用すると損失の額もまた大きくなる可能性があります。

🔷 現物投資とは異なり、CFDのポジションを日をまたいで保有する場合、通常はオーバーナイト・ファンディング・チャージ(スワップ手数料)が発生します。 このコストは、ポジションを長期間保有するほど利益を圧迫する要因となります。そのため、これから解説する取引戦略は、長期的な投資というよりは、短期から中期のトレードに適していると言えるでしょう。

ニッケルの生産工程

ニッケルの生産工程は、単に鉱山から採掘して精錬すれば終わり、というほど単純なものではありません。ここでは、生産工程の全体像について簡単にご説明します。

まず、ニッケルは「硫化鉱物」と「ラテライト鉱石」という2種類の鉱石から抽出されます。一般的に、硫化鉱物は温帯地域の地中深くで発見されるのに対し、ラテライト鉱石は熱帯地域の地表で見られる傾向があります。原鉱石が採掘されると、細かく粉砕され、水と混合される工程を経ます。

これら2種類の鉱石はそれぞれ異なる化学組成を持つため、それぞれ別の処理プロセスへと進みます。しかし、本質的には最終製品として求められる基準に達するまで処理と精錬を繰り返し、ニッケルの純度を高めていく作業となります。

ニッケルCFDでは、99.8%のニッケル濃度を持っていることが取引対象として認められる条件になります。もちろん、より低い濃度の金属も産業用として広く利用されていますが、それらは金融市場での取引対象としては取り扱われていません。

需給のファンダメンタルズ要因

生産地域の分布

近年、ニッケル生産の主要国となってるのはインドネシアです。その背景にあるのは、インドネシア政府による原鉱石の輸出禁止措置であり、国内の生産者は自国内で精錬を行わざるを得なくなりました。この政策転換により、かつては豊富な埋蔵量を持ちながら鉱石の大半を輸出していた国から、世界全体の供給量の48.6%を占めるニッケル生産大国へと変貌を遂げました。インドネシア以外の主要な生産国には、フィリピン(10%)、ロシア(6.7%)、ニューカレドニア(5.8%)が挙げられます。

ニッケル需要の二大柱:鉄鋼とバッテリー

ニッケルの買い圧力を実際に動かしている要因を見ると、需要は大きく2つの分野に分けることができます。一方にあるのは、ステンレス鋼産業からもたらされる、従来からの景気循環的な需要です。そしてもう一方は、バッテリー需要に支えられた、グリーン移行から生まれた需要です。

現在、ニッケル市場は依然としてステンレス鋼、特に中国市場向けの需要に大きく左右されています。そのため、ニッケルの価格動向は、中国経済の強さと密接に連動する傾向があります。この動向を読み解くには、生産されているステンレス鋼の具体的なグレードに注目する必要があります。各グレード間の相互関係が、需要側でのショックを緩和する役割を果たしているからです。

🟣 300シリーズ(ニッケル含有量8〜10%):
プレミアムグレードであり、最も高い需要があります。

🟣 200シリーズ(ニッケル含有量1〜4%):
こちらは廉価版であり、ニッケルの安価な代替素材としてマンガンが使用しています。ニッケル価格が高騰すると、需要はこちらへシフトします。

🟣 スクラップの活用:
スクラップ市場の動向も注視する必要があります。ステンレス鋼のスクラップが豊富に入手できる場合、製鉄所はそれほど多くの一次ニッケルを購入する必要がなくなります。スクラップ比率が高いと、ステンレス鋼の生産量自体が増加していても、ニッケルの新規需要は抑制される可能性があります。
 

ニッケル需要のもう一方の側面として、電気自動車(EV)があります。かつてEVの普及は、ニッケル相場に「スーパーサイクル(長期的な価格上昇局面)」をもたらすと期待されていましたが、現実は異なりました。その主な要因として、グリーン以降が進む中で、ニッケルを一切含まないリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LFP電池)が、市場シェアを急速に拡大させていることが挙げられます。

現在、ニッケルを多く含むタイプのバッテリーは、主に一部の高性能車に限定して使用されています。そのため、多くの強気筋が予想していたよりも、EV市場全体におけるニッケルの需要シェアが拡大していないというのが現状と言えるでしょう。

ステンレス鋼製造向けの需要は依然として大きく、ニッケル価格の下値を堅固に支えている一方で、グリーン移行関連の需要の伸び悩みは、長期的な弱気予想を生む要因となっています。世界各国の生産者は、グリーン移行分野におけるニッケルの重要性が高まると見込み、これまで生産能力に多額の投資を行いました。しかし、その期待が現実と乖離してしまった現在、市場は今後数年間にわたって供給過剰が続くと予測されており、これが価格の強力な下押し圧力となっています。
 

ニッケル市場の構造

ロンドン金属取引所

ニッケルの指標価格は、ロンドン金属取引所(LME)で決定されています。ただし、LMEは生産者が日々の価格変動リスクをヘッジできるよう設計されており、他の一般的な先物市場とは大きく異なる独自の仕組みで運営されている点には注意が必要です。

LMEでは、3ヶ月先までは日次、6ヶ月先までは週次、そして63ヶ月先までは月次という、受渡日が設定されています。このようなきめ細かな設定により、現物を扱う業者は特定の日に到着する貨物に対して、ピンポイントで正確なヘッジ取引を行うことが可能になります。

一方で、投機筋のトレーダーは主に3ヶ月物契約に焦点として取引を行っており、これはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)やユーレックス(EUREX)などが提供する標準的な先物取引所の契約に類似しています。投機筋が日次や週次の契約構造ではなく3ヶ月物契約を選ぶ理由は、これらの契約に市場参加者の活動が集中しており、彼らにとってより高い流動性が確保されるためです。

一方で、よく言及されるのが「現物価格」です。これは、取引の2営業日後に現物の受渡・決済が行われる価格(直物価格)を指し、足元の実勢価格を示す指標となります。

2022年のショートスクイーズ

ロシア・ウクライナ戦争の勃発した際、世界有数のニッケル生産国であるロシアに対する経済制裁への懸念が市場に広がりました。この供給不安を背景に相場を変動を引き起こしたのが、中国のステンレス大手である青山控股集団が保有していた巨額なショートポジション(売り建玉)であり、結果的に同社は大規模なショートスクイーズ(踏み上げ)に直面しました。

価格が上昇するにつれ、青山控股集団はショートポジションを決済(ニッケルを買い戻し)せざるを得なくなりました。この買い戻しが価格をさらに押し上げ、他のショートポジションも強制的に決済を迫られることで、価格上昇と買い注文が連鎖的に続く状況が生まれました。

このショートスクイーズにより、ニッケル価格はわずか48時間で2万ドルから10万ドルへと急騰しました。LMEは市場全体の機能不全を防ぐため、ニッケルの取引を停止する措置に踏み切りました。

この取引停止措置に対しては市場参加者から非常に厳しい目が向けられました。LMEは今後同様の事態が再発するのを防ぐため、以下2つの対策を導入しています。

1️⃣ 最新の取引価格が前日の終値から15%以上乖離した場合に、実質的に取引活動を一時停止させるサーキットブレーカー制度が導入されました。

2️⃣ LME会員は、店頭取引(OTC)におけるポジションをLMEへ報告することが義務付けられました。前述の青山控股集団の事例では、店頭取引が要因となり、市場価格を大きく変動させることなく、極めて高いレバレッジをかけたポジションを積み上げることが可能でした。

中国とロンドン市場のつながり

LMEはニッケルの指標価格及びCFD価格の基準となる市場ですが、セクター全体の需要動向を把握する上では上海先物取引所(SFE)も極めて重要な市場です。また、この二つの市場間で価格が大きく乖離した際には、アービトラージ(裁定取引)の機会が生じるため、この価格関係を監視することは、ニッケルの値動きを理解する上で重要なカギとなるだけでなく、トレンドの逆を行くような不利なポジションを取ってしまうリスクを避けるためにも役立ちます。

ただし、LMEとSFEのスプレッド(価格差)を評価するためには、変動する為替レート、関税、および付加価値税(VAT)を考慮する必要があります。LME価格をSFE相当価格の価格基準に換算するための計算式は以下の通りです。

換算後LME価格 = LME 価格 × 為替レート × (1 + VAT) × (1 + 関税)


試算例(2025年11月時点)
換算後LME価格 = 3,041.50 × 7.10729 × (1 + 0.13) × (1 + 0.03) = 25,159.82 人民元(RMB)


 

なお、LMEの元の契約価格は米ドル建て(1トンあたり)であることに注意してください。前述で算出した「換算後LME価格」をSFEで取引されている実際の価格と比較すると、ニッケルの3ヶ月物契約は24,090人民元/トンとなっています。これはLMEとSFEの価格間に4.2%の差があることを意味します。

しかし、生産者や業者が輸送コストや為替に関するキャリーコスト(金利差コスト)も負担する必要があるため、SFE契約に対してLME契約が4.2%割安であるというだけでは、市場参加者がアービトラージを実行するほどの十分な経済的インセンティブには満たない可能性が高いと言えます。しかしながら、これらの価格変動を継続的に追うことで、どの程度のディスカウント水準になれば市場参加者がアービトラージに乗り出すのかを見極める手がかりになります。

なお、計算式に含まれるVATおよび関税は将来的に変更される可能性があることを念頭に置き、常に正確な数値を使用しているか必ず再確認するようにしてください。

取引判断に役立つ指標

現物在庫の動向

ニッケル価格の将来的な値動きを評価する上で重要な判断材料となるのが、LME指定倉庫に保管されている現物在庫の動向です。LMEの公式サイトでは、2営業日遅れの「在庫内訳レポート(Stock Breakdown Report)」が公開されています。

国・地域 都市(在庫の保管場所) 期初在庫 搬入 搬出 期末在庫 オープン・トン数 キャンセル・トン数
ベルギー アントワープ 0 0 0 0 0 0
ドイツ ハンブルク 0 0 0 0 0 0
香港 香港特別行政区 636 0 0 636 636 0
イタリア ジェノバ 0 0 0 0 0 0
イタリア リボルノ 0 0 0 0 0 0
イタリア トリエステ 0 0 0 0 0 0
韓国 釜山 66.846 0 0 66.846 66.486 360
韓国 光陽 12.654 0 0 12.654 12.654 0
韓国 仁川 0 0 0 0 0 0
マレーシア ジョホール 3.162 0 0 3.162 3.162 0
マレーシア ポートクラン 7.818 0 0 7.818 7.764 54
オランダ アムステルダム 0 0 0 0 0 0
オランダ ムールダイク 0 0 0 0 0 0
オランダ ロッテルダム 32.676 0 72 32.604 32.148 456
オランダ フリシンゲン 0 0 0 0 0 0
シンガポール シンガポール 76.752 0 0 76.752 75.642 1.11
スペイン バルセロナ 0 0 0 0 0 0
スペイン ビルバオ 0 0 0 0 0 0
スウェーデン ヘルシンボリ 0 0 0 0 0 0
台湾 高雄 51.348 0 408 50.94 42.714 8.226
UAE ドバイ 1.95 0 0 1.95 1.95 0
英国 リバプール 0 0 0 0 0 0
米国 ボルチモア 108 12 0 120 18 102
米国 シカゴ 0 0 0 0 0 0
米国 デトロイト 0 0 0 0 0 0
米国 ロサンゼルス 0 0 0 0 0 0
米国 モービル 0 0 0 0 0 0
米国 ニューオーリンズ 0 0 0 0 0 0
合計   253.95 12 480 253.482 243.174 10.308
増減   -222     -468    

LMEによるニッケルの在庫内訳レポート(2025年11月21日 *実際のデータは英語で提供されています )

LMEの在庫内訳レポートを見る際、総在庫料が注目されがちですが、価格変動に伴う在庫の変化を追跡することも同様に重要です。さらに高度な戦略として、前述した換算後のLME価格の計算に、在庫の保管場所に基づく輸送コストを組み込む方法もあります。これにより、SFEやLMEの価格に対するアービトラージが、いつ経済的に魅力的な水準になるかをより完全に把握することが可能なります。

最後に、「オープン・トン数」と「キャンセル・トン数」という項目の理解も重要な点になります。オープン・トン数とは、即時受け渡しが可能なニッケルの数量を指します。一方、キャンセル・トン数はその逆で、すでに出庫予約がなされた注文(キャンセル・ワラント)を意味し、市場には出回らない在庫です。

キャンセル・ワラントの急激な増加は、価格上昇の前触れとなる可能性があります。なぜならこれは、買い手が将来の受渡ではなく、「今」現物の受渡を受け入れようとしている(出庫しようとしている)ことを意味し、実質的に市場で利用可能な現物供給が減少することを示唆しているからです。

EUの炭素国境調整措置(CBAM)

現在、カナダやオーストラリアで生産されるニッケルと、インドネシアで生産されるニッケルとでは、その炭素排出量に極めて大きな格差が存在します。インドネシアの製錬所の大半は、エネルギー源として石炭を使用しているため、その環境負荷はオーストラリアやカナダの生産拠点と比較して、実に3倍から7倍にも達するとされています。

このような生産地による環境負荷の格差を受けて、欧州連合(EU)は、汚染度の高いニッケル生産を抑制するための対抗するための法規制を導入しました。この制度は、実質的に高炭素ニッケルに対する関税として機能し、欧州市場においてカナダやオーストラリア産のニッケルを相対的に割安になる構造を作り出しています。

これが、いわゆる「グリーン・ニッケル(再生可能エネルギーを利用するなど環境負荷の低いニッケル)」と「ダーティ・ニッケル(石炭火力に依存する環境負荷の高いニッケル)」の間に価格差が生じる要因となります。現在、この規制は移行期間にあり、輸入業者には埋め込み排出量の報告が義務付けられています。しかし、2026年1月1日以降は、輸入業者が輸入品に含まれる炭素排出量をカバーするために、CBAMに基づく証明書の購入が義務化されます。

LMEが拠点を置くイギリスは既にEUを離脱しており、この規制の直接的な対象ではありません。それでもなお、この規制の存在はLME価格にとって、強気要因として作用するだろうと予測されています。とはいえ、この両者の相互関係は極めて複雑な要素を含んでいるため、実際の取引にあたっては慎重な判断が求められます。

長期のテクニカル分析

ここからは、ニッケル価格が実際にどのように動いているかを見ていきます。

対数スケールを用いた月足チャートで見るニッケル価格

上記チャートをご覧いただくと、ニッケル相場は長期的には非常に「レンジ相場(一定の範囲内での変動)」の傾向が強いことが見て取れます。長期目線では常に上昇が期待される株価指数や希少金属(プレシャスメタル)とは対照的に、ニッケル価格は長い間上がっては下がりを繰り返し続けてきました。

また、チャート上には、明確な最高値圏と最安値圏が存在しています。具体的には、48,200ドル〜52,800ドル付近が強力な「売り圏」、7,560ドル〜8,900ドル付近が「買い圏」として機能しています。これらは極端な価格帯ですが、現在の価格はこれらのレベルからは程遠い位置にあります。また歴史的に見ても、価格がこれらの極端な水準に留まっていた期間はごくわずかです。

対数スケールを用いた月足チャートで見るニッケル価格(最高値圏と最安値圏)

過去の全プライスアクションを分析する「価格帯別出来高(ボリューム・プロファイル)」を見ると、14,800ドルから20,900ドルの間に、比較的狭い範囲の「バリューエリア(取引が最も活発だった価格帯)」が形成されていることが分かります。もちろん、本記事を現在お読みになられている時点では価格水準が変動している可能性が高いため、ご自身で最新のチャートを再分析することをお勧めします。

さらにここで重要なのは、価格がバリューエリアの内側にある場合、相場はレンジ相場になりやすいという点です。したがって、長期的な視点で見れば、価格がVVA内に留まっている間は、トレンドフォロー(順張り)のアプローチよりも平均への回帰を狙った、ミーン・リバージョン(逆張り)戦略を採用する方が理にかなっていると言えるでしょう。

逆に、もし価格がこのバリューエリアを抜けて外側へ動き出した場合は、新たなトレンド局面に入る可能性が高まります。その場合、次の新しいバリューエリアが形成されるまでは、価格が勢いよく動くことが予想されます。

まとめ

本記事では、ニッケル取引を効果的に始めるために必要な情報を網羅的に解説してきました。インドネシアにおける高い生産量、グリーン移行に伴う需要の伸び悩み、そしてテクニカル分析の結果を総括すると、2025年から2026年初頭にかけての短期的な見通しとして、価格が構造的な下落局面を迎える可能性が示唆されています。

しかし、経済学における「見えざる手」のように、自由市場には参加者個々が自らの利益を追求する行動を通じて、価格を自動的に均衡させる機能が備わっています。例えば、もし前述した短期的な弱気見通しが現実のものとなったとしても、ある価格水準まで下がれば、一部の生産者が採算割れで生産を停止するため、供給が減少し、結果として価格が下支えされることになります。逆に、競合するリチウムイオン電池の価格が高騰すれば、代替としてニッケルの需要が増加する可能性もあるのです。

このように市場環境は常に変化し続けているため、取引対象となる市場に影響を与えるあらゆる要因について常に最新情報を把握し、それらが複雑に作用し合って価格にどのような影響を及ぼすのかを理解しようと努めることが何よりも重要です。
 

この記事をシェアする
もっと読む
クッキー(Cookie)について: お客様が本ウェブサイトにアクセスする際、セキュリティの確保やお客様に関する情報を取得することを目的に、クッキー(Cookie)を使用する場合があります。 本ウェブサイトにお客様が継続的に訪問する場合、クッキーについて同意することと見なします。またクッキーはいつでも削除することが可能です。
FAQ お問合せ サポートデスク
月曜日-金曜日
9:00-24:00