2022/01/11 7:40 JST投稿
【米国】
米ドル円(USDJPY) 115.24-115.25 (円)
ユーロ円(EURJPY) 130.54-130.55 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1327-1.1327 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 156.48-156.49 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3578-1.3578 (米ドル)
1月10日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ウクライナ問題を巡る米露会談の懸念から欧州株式指数が下落し、リスク回避の姿勢が強まった。さらに、ゴールドマン・サックスが連邦準備制度(FRB)の今年の利上げ回数予想を従来の3回から4回に引き上げ、金融緩和の縮小の開始時期も12月から7月に早めた。これを受け、米長期金利が10時過ぎに1.808%に上昇した。米長期金利は先週からコロナウイルスの感染拡大前の水準が続いており、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は2022年以内に4回以上の利上げが起きうるとの見解を示し、ドイツ銀行、バークレイズもそれぞれ予想を変更した。
なお、パウエルFRB議長が再任指名公聴会での事前原稿で高インフレにふれ、米経済は速いペースで拡大しており労働市場は力強く、この状況にFRBが対応していく旨が含まれていることが明らかとなった。
米ドル・円(USDJPY)は、115円前半での取引となった。ウクライナ問題への懸念や長期金利の上昇からダウ平均が600ドル近く値を下げると警戒感が強まり、この日の安値115.05円まで売られた。その後は、少し持ち直し115.20円で終えている。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.12ドル後半まで値を下げたが1.13ドル前半まで値を戻した。ウクライナ問題の懸念から、朝方にこの日の安値1.1285ドルまでユーロが売られた。その後は、1月4日の安値1.1272ドルが意識され、下げ止まると値を上げ、終値で1.1326ドルまで回復した。
ユーロ・円(EURJPY)はアジア時間に値を下げ130円前半で取引された。リスク回避のリスクオフの円買いが強まり、この日の安値130.16円までユーロが売られた。その後は、小幅な動きとなり終値は130.46円だった。
NYダウ平均 USD 36,068.87 -162.79 (-0.44%)
NASDAQ総合 USD 14,942.828 +6.926 (+0.04%)
S&P500 USD 4,670.29 -6.74(-0.14%)
1月11日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、4日連続で前日の終値を下回った。ウクライナ情勢を巡り欧州株式指数が下落した影響や長期金利上昇を受け、投資家心理の冷え込みから売りが優勢となり、11時前に600ドル近くまで値を下げた。その後は、買戻しが入りわずかに上昇したが終日、低水準で推移した。
米国債10年 1.778(+0.51%)
NY原油(WTI) 1バレル=USD 78.23 -0.67(-0.85%)(2月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,798.80 +1.40(+0.08%)(2月渡し)
【日本】ウクライナ問題の懸念からユーロ売りが優勢
1月11日の東京外国為替市場は、祝日で機関投資家が不在のため大きな値動きは出なかった。
米ドル・円は、115円後半の取引。朝方にわずかに米ドル買いが入り値を上げたが、欧州勢参加までは、ほぼ横ばいで推移した。欧州勢参加後はウクライナ問題を巡り、本日スイスのジュネーブで米露の戦略的安定対話が開催され、前進が見受けられない状況からリスク回避の円買いが強まり小幅に値を下げ、17時時点では115.79円となった。
ユーロ・米ドルは1.13ドル前半の取引となった。ウクライナ問題への懸念からユーロ売りが強まり徐々に値を下げ、16時前にこの日の安値1.1326ドルとなり、17時は1.1329ドルだった。
ユーロ・円は131円前半から130円前半に徐々に値を下げた。ユーロ・米ドルにつられ、この日の安値131.14円までユーロ売りが先行し、17時時点では131.18円となりさらに値を下げている。
*1月10日は成人の日のため株式、債券等は休場
【マーケットアナリティクス】ユーロ・円は重要な下値支持線まで下落(1月10日 15:00 CET)
ユーロ・円は、月曜日に投資家心理の悪化から急激に値を下げ、心理的なレベルである130円を試そうとした。
金曜日に発表されたユーロ圏の12月 消費者物価指数が、前年比で予想の4.7%を上回る5%を記録し、過去最高水準に跳ね上がったことが明らかになった。
しかしECBは年内の利上げは行わないと繰り返し述べ、インフレがまもなく緩和されると予想している。しかし、最近のインフレの勢いから判断すると、その可能性は低いようにみえる。
さらに、ユーロ圏の11月小売売上高が前月比で0.3%から1.0%と顕著に改善し、前年同月比でも前回の1.7%から7.8%と急激に増加している。
現在は、200日移動平均線(チャートの緑色の線※)が位置する付近の130.50円で、前回の高値を試している。この下値支持線のサポートをさらに下回った場合、130円の壁が早くも視野に入ってくる。130円を下回った場合は、129.50円にある50日移動平均線(チャートの紫色の線※)まで下落することになるだろう。
一方、短期的な視点で安定させるには、200日移動平均線(130.60円)を飛び越える必要がある。過去の高値からの弱気(ベア)トレンドラインが見られる131円に強い上値抵抗線のレジスタンスがある。
(※)移動平均線:一定期間(この場合は200日間と50日間)の終値の平均値の推移を折れ線グラフで示したもの。相場が上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのかといったトレンドを把握しやすい。
ユーロ・円デイリーチャート 1月10日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “EURJPY falls to crucial support” (2022年1月10日, AXIORY Global Market News)
追記:1月11日、日本時間6:00のユーロ・円は、130.54円-130.55円で取引されている