CPI結果から長期金利低下となり円安和らぐ

【米国】

為替(4月13日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 125.33-125.38 (円)
ユーロ円(EURJPY) 135.68-135.74 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0825-1.0827 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 162.95-163.05 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2999-1.3001 (米ドル)

4月12日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、3月消費者物価指数(CPI)が朝方発表され、前年同月比(結果:8.5%、予想:8.4%、前回:7.9%)で、1981年12月以来、40年ぶりの高さとなった。6ヵ月連続で前年同月比の伸びを記録しており、ウクライナ情勢の長期化による原油高からエネルギー価格などが上昇している影響を受けた生活費の上昇が浮き彫りとなっている。また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIの前年同月比(結果:6.5%、予想:6.6%、前回:6.4%)では市場予想を下回り1969年以来の水準となった。特に中古車が2カ月連続で低下し、他の財分野でも伸びが減速した影響が大きかった。

これらの結果からインフレがピークに達したとみなされ、過度なインフレ懸念の後退から債権が買われ長期金利が低下した。なお、長期金利はCPI発表前に2.83%と2018年12月以来の高水準となっていた。

さらに、米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事がウォール・ストリート・ジャーナル主催のイベントで高インフレを受け「インフレを低下させることはわれわれの最重要の任務になる」と述べた。バイデン大統領はブレイナード氏をFRB副議長に指名しており、上院での承認待ちとなっている。

米ドル・円(USDJPY)は、CPIで高インフレの懸念が弱まり、長期金利が低下し米ドルが売られ、この日の安値124.77円に低下した。その後買戻しが入り徐々に値を上げ、終値は125.38円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、CPI発表後に米ドル売りが優勢となり、この日の高値1.0903ドルに値を下げた。しかし、ロシアのプーチン大統領がウクライナとの和平交渉が「行き詰まっている」との認識を示しながらも侵攻の継続を表明すると、ウクライナ情勢の長期化が懸念されユーロ売りに転じた。徐々に値を下げ、この日の安値1.0821ドルを付けた後は、小幅に戻し終値は1.0828ドルだった。4月14日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えており、ポジション調整を目的としたユーロ売りも出ており、ユーロが値を上げづらい状況が続いている。

ユーロ・円(EURJPY)は、CPIを受け小幅に値を下げ持ち直したものの、ウクライナ情勢で長期化の様相が示され、欧州経済への影響の懸念により徐々に値を下げた。この日の安値135.54円までユーロが売られた後は、小幅に値を戻し135.75円で終えた。

株式
NYダウ平均 USD 34,220.36 -87.72 (-0.25%)
NASDAQ総合  USD 13,371.572 -40.384 (-0.30%)
S&P500     USD  4,397.45 -15.08(-0.34%)

4月12日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、連日で前日の終値を下回った。朝方に発表された3月CPIでインフレの高止まりが見受けられた。これを受け、FRBの金融正常化に向けた動きに変化がないとの見方から高い株価収益率(PER)の株を中心に幅広い銘柄が売られ、徐々に値を下げた。3指数揃って値を下げ、前日の終値を下回り終えた。CPIが無難な結果となり、今後は企業決算動向に左右されるだろう。

債券
米国債10年 2.730(-0.052%)

商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 100.60 +6.31(+6.69%)(5月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,976.1 +27.90(+1.43%)(6月渡し)
 

【日本】USDJPY 財務相発言から値を下げるも125円台続く

為替(17時)
4月12日の東京外国為替市場は、鈴木俊一財務相が閣議後の記者会見で「特に急激に変動することは望ましくない」と円安をけん制した。日米金利差や原油や資源価格が上昇し貿易赤字を拡大している影響から国内輸入企業のドル買いの影響から円安が続いている。

米ドル・円は、125円台で堅調に推移した。鈴木俊一財務相の発言から一時125.10円まで安くなる場面もあったが、欧州勢参加後に徐々に値を上げ前日の高値125.77円付近の125.76円まで値を上げた。依然として2015年6月の高値125.86円が意識されている。17時時点では125.51円だった。

ユーロ・米ドルは、あまり値動きが出なかった。朝方に1.0887ドルまで上昇したが、ウクライナ問題の長期化を受けたユーロクロスの売りが出て、この日の安値1.0854ドルまで売られた。その後、小幅に持ち直し17時時点では1.0870ドルとなった。

ユーロ・円も大きな動きは出なかった。小幅に136円半ばから後半の範囲での値動きとなり、17時時点では136.44円だった。

日本株式
日経平均株価 26,334.98円 -486.54(-1.81%)
安値26,304.08円  -  高値 26,674.86円
東証出来高 1,175,86万株
東証売買代金 2兆6353.24億円
 
4月12日の日経平均株価は連日で前日の終値を下回った。米長期金利の上昇から3指数揃って値を下げ、さらに3月米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見の姿勢が強まった。また、中国・上海などの都市封鎖問題が深刻となっている影響も受け、前日の終値を終日で下回った。さらに、14時過ぎに520円近く前日の終値を下回った後は小幅に値を戻した。

短期金融市場
無担保コール翌日物金利 -0.008%

債券
国債先物・22年6月限 149.23(-0.07)
10年長期金利 0.240%(+0.005) 

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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