2022/06/09 7:10 JST投稿
【米国】
為替(6月9日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 134.21-134.31 (円)
ユーロ円(EURJPY) 143.81-143.88 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0715-1.0717 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 168.22-168.37 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2532-1.2536 (米ドル)
6月8日のニューヨーク外国為替市場では、東京市場で欧米と日本の金融政策の違いが意識され円安が加速した流れを受け、米ドルとユーロが高値を更新した。
米ドル・円(USDJPY)は、東京市場で2002年4月以来、20年2カ月ぶりの高値133.67円を更新した流れを引き継ぎ、さらに値を上げた。朝方に134.47円まで値を上げ、2002年2月以来、20年4カ月ぶりの高値を更新した。その後、長期金利が3.025%から2.980%に低下した影響や利益確定売りに押され値を下げたが、再び値を戻し終値は134.25円となった。
ユーロ・円(EURJPY)は、欧州中央銀行(ECB)と日本銀行との金融政策の違いが意識され2015年1月以来、7年5カ月ぶりの高値144.25円を付けた。その後は、値を下げたがECBの早期引き締めが意識され小幅な下げにとどまり、終値は143.86円だった。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、欧州中央銀行(ECB)の早期金融引き締めが意識され、ユーロ買いが強まり、この日の高値1.0748ドルに値を上げた。米長期金利の低下もプラスとなったが、長期金利が3%台に戻すと値を下げ、1.0716ドルで終えた。
株式
NYダウ平均 USD 32,910.90 -269.24 (-0.81%)
NASDAQ総合 USD 12,086.271 -88.961 (-0.73%)
S&P500 USD 4,115.77 -44.91(-1.07%)
6月8日の米株式市場のダウ工業株30種平均は前日の終値を3日ぶりに下回った。スイスの銀行クレディ・スイス・グループが、グループ全体と投資銀行部門の4-6月(第2四半期)に赤字になるとの見通しを示し、銀行株が売られた。投資家心理の冷え込みにつながり、全体的な売りに波及した。その後、昼過ぎに長期金利が上昇した影響により、さらに値を下げ終日で前日の終値を下回り取引された。3指数揃って値を下げ終えている。なお、クレディ・スイスの株価は、クレディ・スイスを米ステート・ストリートが買収を計画しているとの報道から、7.6%安から一時4.8%高に値を戻した。
債券
米国債10年 3.027%(+0.057)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 122.11 +2.70(+2.26%)(7月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,856.5 +4.40(+0.24%)(8月渡し)
【日本】金融政策の違いが意識され米ドル・円はさらに上昇
為替(17時)
6月8日の東京外国為替市場の主なトピックスは、日本銀行の金融緩和の継続に注目が高まり円安が進んでいる。日本銀行の黒田東彦総裁は、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)主催のオンラインイベントで講演した。「日銀は緩和継続で経済を支える必要がある」「円安の日本経済への影響、様々なマクロモデルでもプラス」と述べ、金融緩和継続の姿勢を貫くハト派的な発言を行なっている。
米ドル・円は、20年ぶりの高値を連日で更新し133.67円まで値を上げた。17時時点で133.57円となったが、堅調に値を上げ、135円を視野に入れ始めている。
ユーロ・円は、欧州と日本の金融政策の違いから堅調に推移し、2015年1月以来の高値142.87円まで上昇した。17時時点では142.78円と小幅に値を下げたが、上昇を続けている。
ユーロ・米ドルは、ユーロ・円の上昇につられユーロが買われ小幅に値を下げ、17時時点では1.0688ドルとなった。明日、欧州中央銀行(ECB)理事会を控え、大きな動きにはなりにくい状況だった。
債券
国債先物・22年6月限 149.55(+0.04)
10年長期金利 0.245%(変化なし)
【マーケットアナリティクス】米ドル・円は1%上昇し、2002年の高値に到達(6月8日)
日銀が金融緩和を継続し、現在のインフレ環境下では円が不利な状況が続きこの日もまた米ドルは高値を更新した。
■米国の住宅市場は悪化
米国の住宅ローン申請件数は先週、さらに減少した。金利の上昇と住宅価格の上昇により、購入と借り換えの動きが20年以上ぶりの低水準となった。
住宅ローン銀行協会の週間市場総合指数によると、6月3日に終わる週の住宅ローン申請件数は6.5%減となった。これは4週連続のマイナスで、前週からの落ち込みは2.3%だった。
“購入”と “借り換え”の両方の申し込みが減少し、指数は22年ぶりの低水準に落ち込んだ。30年固定金利は3年連続の低下後、5.4%に上昇。MBAの経済・産業予測担当副社長ジョエル・カン氏はプレス・リリースで、「金利は4週間前よりまだ低いが、借り換え活動を依然として抑制するほど高いままだ」と述べている。
■日銀はハト派的な姿勢を維持
ロイターによると、日本銀行(BOJ)の黒田東彦総裁は2日、日銀は既存の金融緩和を維持することで経済活動を促進し続ける必要があると述べた。
「現在の2%のインフレは、単にエネルギー価格の上昇が原因であり、持続可能ではないだろう。したがって、経済回復を支え、労働市場をよりタイトにするために、金融緩和を継続しなければならない」と述べた。
その結果、米ドル・円は134円を上回り、20年以上ぶりの高水準を達成した。金融政策の相違は無視しがたく、ペアのさらなる上昇につながる可能性が高い。
米ドル・円、デイリーチャート 6月8日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “USDJPY Jumps 1%, Touches 2002 Highs” (2022年6月8日, AXIORY Global Market News)
追記:6月9日、日本時間6:00の米ドル・円は134.21-134.31円で取引されている