2022/06/24 7:05 JST投稿
【米国】
為替(6月24日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 134.93-134.96 (円)
ユーロ円(EURJPY) 141.97-142.02 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0520-1.0524 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 165.47-165.50 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2257-1.2266 (米ドル)
6月23日のニューヨーク外国為替市場に影響を与えたのは、低調な経済指標だった。
6月の米総合購買担当者景気指数(PMI速報値、結果:51.2、予想:52.8、前回:53.6)は、3ヵ月連続で低下し5ヵ月ぶりの低水準となった。活動拡大を示す50は上回っているものの、高インフレや金利上昇などから、コロナウイルス感染拡大を受けたパンデミックによる経済封鎖入りした直後の2020年7月以降で2番目に低い値となった。6月の米製造業PMI速報値(結果:52.4、予想:56.0、前回:57.0)では、前回より大幅に低下し、2020年7月以来で最低を記録した。
また、米6月カンザスシティ連銀製造業活動(結果:12、予想:10、前回:23)が大幅に低下した。低調な結果からリスク回避の債権が買われ、10年債利回りは3.005%まで低下しドル売りが加速した。
さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融サービス委員会で「食料品や燃料費の上昇で軟着陸がより困難になる」と証言したことも、投資家心理の意欲を低下させた。しかし、「インフレ抑制に向け、無条件で取り組む」と述べると、投資家心理が上向いている。
また、先週分の新規失業保険申請件数(結果:22.9万件、予想:22.6万件、前回:22.9万件)では、予想を小幅に下回ったものの1月以来の高水準となった。人手不足(タイトな労働市場)が緩和されている可能性が示されている。
米ドル・円(USDJPY)では、低調な経済指標からリスク回避の姿勢が強まり、長期金利が低下した。この影響から135.50円から、この日の安値134.27円まで値を下げている。その後、パウエル議長の発言やFRBのボウマン理事の発言から投資家心理が上向いた。ボウマン理事は、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.75%の利上げを支持すると述べ、その後の会合では複数回の0.5%の利上げが適切になるとの見方を示している。この発言から上昇に転じ、134.95円で終えた。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、欧州時間に6月のユーロ圏総合PMIが予想以上に低下し2021年2月以来の低い水準となりユーロ売りが優勢だった反動や米の弱い経済指標からユーロが買われた。1.0490ドルから1.0547ドルまで上昇している。しかし、フランスやドイツのPMIも低調となった影響からリスク回避の姿勢が強まり徐々に値を下げる場面もあった。その後、小幅に持ち直し終値は1.0523ドルとなった。
ユーロ・円(EURJPY)は、低調な欧州PMIなどからリスク回避の姿勢が強まり徐々に値を下げ、この日の安値141.42円まで売られた。その後は、小幅に値を戻し、終値は142.05円だった。
株式
NYダウ平均 USD 30,677.36 +194.23 (+0.63%)
NASDAQ総合 USD 11,232.193 +179.113 (+1.62%)
S&P500 USD 3,795.73 +35.84(+0.95%)
6月23日の米株式市場のダウ工業株30種平均は前日の終値を上回った。前日までの下落からハイテク株や消費関連株が買い戻された。長期金利が一時3.005%になったこともプラスとなったがFRBの金融引き締めによる景気悪化が懸念され上昇は限定的だった。その一方で、景気の影響を受けにくいディフェンシブ株が上昇している。
債券
米国債10年 3.096%(-0.06)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 104.27 -1.92(-1.81%)(8月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,829.8 -8.60(-0.47%)(8月渡し)
【日本】中尾元財務官のけん制発言から円買い強まる
為替(17時)
6月23日の東京外国為替市場では、朝方は米国の景気後退(リセッション)の懸念が強まり安全資産の円買いに傾く場面があった。また、元財務官でみずほリサーチ&テクノロジーズの中尾武彦理事長の発言から米ドル・円で1円超下落している。
中尾氏はブルームバーグテレビジョンとの英語インタビューで、個人的な見解として「為替介入の可能性は排除できない」との見解を示した。さらに、「今の円安は金融政策のスタンスの差に応じた行き過ぎた動きだ」と指摘し、円安が日本経済にプラスという考えを否定した。
また、6月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI速報値、結果:51.9、予想:54.0、前回:54.8)は、予想以上に低下し2021年2月以来の低い水準となった。物価の高騰により購買意欲が後退していることが示された。
米ドル・円は、朝方に136.26円まで値を上げたがリスク回避の動きが出て円買いが強まる場面もあった。しかし、すぐに持ち直すも、中尾元財務官の円安へのけん制発言により、この日の安値135.13円まで値を下げた。欧州勢が参加後135.88円まで値を上げるも米長期金利が低下し、135.30円まで値を下げ、17時時点では135.36円となった。
ユーロ・円は、リスク回避の動きから徐々に値を下げた。その後は持ち直し、6月のユーロ圏総合購買担当者景気指数が予想を下回る結果と判明すると、欧州長期金利が低下し、この日の安値142.19円まで値を下げた。17時時点では142.23円だった。
ユーロ・米ドルは、日中はあまり値動きが出なかった。しかし、6月のユーロ圏総合購買担当者景気指数が予想を下回る結果と判明するとユーロが売られ、この日の安値1.0499ドルまで値を下げた。17時時点では1.0507ドルで取引されている。
債券
国債先物・22年9月限 148.38 (+0.52)
10年長期金利 0.230%(-0.005)