【米国】
為替(8月11日6時08分)
米ドル円(USDJPY) 132.89-132.99 (円)
ユーロ円(EURJPY) 136.85-136.99 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0300-1.0300 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 162.39-162.49 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2218-1.2222 (米ドル)
8月10日のニューヨーク外国為替市場では、7月消費者物価指数(CPI)に注目が高まった。7月CPIの前月比(結果:0%、予想:0.2%、前回:1.3%)は予想以上に伸びが鈍化し、パンデミックでマイナスとなった2020年5月以来で最低を記録した。前年比(結果:8.5%、予想:8.7%、前回:9.1%)は前月が約40年ぶりの高い伸びだったが鈍化し、5ヵ月連続で8%を超えている。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIの前月比(結果:0.3%、予想:0.5%、前回:0.7%)では、予想以上に鈍化し3月以来で最小となった。前年比のコアCPI(結果:5.9%、予想:6.1%、前回:5.9%)は、予想外に前月と同水準となった。これらの結果からFRBの大幅な利上げ観測が後退し、長期金利が2.788%から2.708%へ急激に低下した。
シカゴ地区連銀のエバンス総裁は、7月CPIがインフレ加速を示さずFRBの金融引き締め以降、初めてポジティブな数値になったと述べた。一方でインフレ率は受け入れがたいほど高水準であり、FRBは引き続き利上げが必要で、政策金利を年末までに3.25-3.5%、来年末までに3.75-4%に引き上げる可能性があると述べた。また、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁はCPIで高インフレの抑制が示されたことは歓迎すべきことだが、FRBが勝利宣言するのは程遠く政策金利を現行の2.25-2.5%からはるかに高い水準に引き上げる可能性があると述べた。利下げは現実的ではなくインフレ率が目標の2%に近づいていると確信するまでは利下げは行わないだろうと示唆した。
2年債と10年債(長期金利)の利回りは、27日連続で逆転(逆イールド)している。終値ベースで2年債が3.22%、10年債が2.785%となった。
米ドル・円(USDJPY)は、7月CPIが鈍化し米国のインフレが頂点に達し減少した(ピークアウト)とみられるとFRBの利上げ観測が後退し、幅広い通貨で米ドルが売られた。この影響から135.00円から132.69円まで急激に値を落とした。その後も下落は続き、この日の安値132.03円を付けた。しかし、シカゴ地区連銀のエバンス総裁とミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が利上げ継続を示唆すると長期金利が上昇し、米ドルが買い戻され133.07円まで値を戻し132.89円で終えた。
ユーロ・米ドル(EURUSD)では、米CPI発表後に米ドル売りが強まると、1.0202ドルからこの日の高値1.0368ドルを付けた。ロシアの国営パイプライン運営会社トランスネフチがウクライナを経由する南部ドルジバ・パイプラインを通じた原油供給を予定通りに再開したことも投資家心理を上向かせた。その後は、米長期金利の上昇から徐々に値を下げ、終値は1.0299ドルとなった。
ユーロ・円(EURJPY)は、欧州のエネルギー供給への不安から円買いが優勢となり朝方徐々に値を下げた。ロシアの国営パイプライン運営会社トランスネフチが原油供給を再開したとの報道から下げ止まったが、米CPIの発表後に全般米ドル売りになるとユーロも売られた。この日の安値136.62円を付け、その後は徐々に値を戻し終値は136.90円だった。
ポンド・米ドル(GBPUSD)では、イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏が「現在の賃金の伸び、ペースが速過ぎる」として、追加利上げの可能性を示した影響が大きかった。ポンド買いが強まり1.2100ドルから1.2276ドルまで上昇し、1.2215ドルで終えている。
株式
NYダウ平均 USD 33,309.51 +535.10(+0.63%)
NASDAQ総合 USD 12,854.805 +360.876 (+2.88%)
S&P500 USD 4,210.24 +87.77(+2.12%)
8月10日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を上回った。7月CPIが予想を下回り、インフレ懸念の和らぎから投資家心理が上向き、積極的に買いが入った。FRBの利上げ加速懸念が後退し、前日に売られたハイテク株も買い戻されている。また、消費関連株も買い戻され、3指数揃って値を上げた。
債券
米国債10年 2.785%(-0.012)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 91.93 +1.43(+1.58%)(9月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,813.7 +1.40(+0.08%)(12月渡し)
【日本】CPIの発表を控え様子見の姿勢強く
為替(17時)
8月10日の東京外国為替市場では、この後、米国で発表される米消費者物価指数(CPI)を控え方向性の乏しい取引となった。明日の山の日の祝日からのお盆の休みに入る影響も大きい。
米ドル・円は、朝方はお盆休みに入る前の決済に向けた米ドル買いが入り、この日の高値135.30円まで値を上げた。株価の下落による投資家心理の冷え込みや、この後発表される米CPIの発表を控え様子見の姿勢が強かった。この日の安値134.89円まで値を下げ、その後は小幅に値を戻し17時時点では134.94円となった。
ユーロ・米ドルは、様子見の姿勢が強く値動きが希薄だった。17時時点では1.0210ドルで取引されている。
ユーロ・円は、大きな値動きはなかったが、ロシアの国営パイプライン運営会社トランスネフチがウクライナ経由でハンガリーやスロバキア、チェコへ輸送されていたロシア産原油の供給が先週停止し、投資家心理が冷え込み、この日の安値137.77円まで売られた。その後は小幅に値を戻し、17時時点では137.81円だった。
債券
国債先物・22年9月限 150.33 (-0.32)
10年長期金利 0.190%(+0.030)