7:38 JST投稿
【米国】
為替(9月7日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 142.73-142.79 (円)
ユーロ円(EURJPY) 141.38-141.43 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 0.9902-0.9905 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 164.44-164.51 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1515-1.1522 (米ドル)
9月6日のニューヨーク外国為替市場は、日本と米国の金融政策の違いが意識され、米ドルは堅調で東京市場で付けた24年ぶりの高値水準を更新し境目の143円を超えた。1998年8月31日と同水準の143.07円まで円安が進んでいる。ちなみに最も高い価格は、1998年8月11日の高値147.66円で、この価格が上値抵抗線の目安の一つとなっている。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時110.55と2002年6月以来の高値を付けた。
朝方に発表された8月米ISM非製造業景況指数(結果:56.9、予想:55.1、前回:56.7)は、予想外に前月を上回る良好な結果となった。業況と新規受注が上向きから4カ月ぶりの高水準となった一方で、仕入れ価格が2021年1月以来の低水準となるインフレの弱まりが示された。
2年債と10年債(長期金利)の利回りは、45日連続で逆転(逆イールド)している。終値ベースで2年債が3.507%、10年債が3.355%となった。
米ドル・円(USDJPY)は、朝方の良好な経済指標から円買いが優勢となった。米長期金利の上昇や日米金利差が意識され、約24年ぶりの高値水準143.07円まで値を上げた。その後は、小幅に売られ終値は142.80円となっている。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、良好な米経済指標や米長期金利の上昇から、朝方に2002年6月以来、約20年ぶりの安値0.9864ドルまでユーロが売られた。エネルギー価格上昇による景気後退懸念による投資家心理の冷え込みも大きかったが、安値圏が意識され買戻しが入ると0.9929ドルまで値を戻した。その後は、小康状態となり終値は0.9904ドルとなった。
ユーロ・円(EURJPY)は、主要国が金融引き締めを続ける中、日銀の緩和継続を維持する姿勢が際立ち堅調に値を上げた。7月21日以来の高値141.76円を付け、その後は値を下げるも小幅にとどまり終値は141.43円だった。
株式
NYダウ平均 USD 31,145.30 -173.14(-0.55%)
NASDAQ総合 USD 11,544.909 -85.956 (-0.73%)
S&P500 USD 3,908.19 -16.07(-0.40%)
9月6日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、連日で前日の終値を下回った。朝方に発表されたISMが好調な結果となりFRBによる金融引き締めの長期化が意識され、長期金利が上昇した影響を受けた。ハイテク株が中心に売られ、ナスダックでは7日連続で前日の終値を下回っている。一時的に買戻しが入ったこともあったが、すぐに値を下げ上値が重い状況が続いた。
債券
米国債10年 3.351%(+0.16)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 86.88 +0.01(+0.01%)(10月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,712.9 -9.70(-0.56%)(12月渡し)
【日本】米ドル・円は再び24年ぶりの高値水準を更新
為替(17時)
9月6日の東京外国為替市場では、日米の金融政策の違いから米ドル・円で1998年8月11日の高値147.66円と並ぶ水準を約24年ぶりに更新した。
また、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が4会合連続の大幅な利上げを実施し、日本との金融政策の違いが改めて浮き彫りになった。この結果、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを50ベーシスポイント(bp、0.50%)引き上げ、7年ぶりの高水準となる2.35%とし、追加利上げの可能性も示唆している。
米ドル・円は、米国がレイバーデーの祝日で動きが限定的だった流れを受け昼頃まで動きが出づらかった。午後になると時間外の米長期金利の上昇やオーストラリアでの利上げにより緩和を続ける日本の金融政策が意識され堅調に値を上げた。2日の高値140.80円を超え、約24年ぶりの高値水準を更新し141.74円まで上昇している。その後、小幅に値を下げ17時時点では141.54円となるも堅調に値を上げ続けている。
ユーロ・米ドルは、朝方は小動きだったが欧州勢参加後に、投資家心理が上向いた。この日の高値0.9986ドルまで上昇し、17時時点では0.9975ドルとなった。その後は、徐々に地政学リスクが意識され徐々に値を下げている。
ユーロ・円は朝方から小幅な上げが続き、欧州勢参加後にユーロ買いが加速した。この日の高値141.42円まで値を上げ、17時時点では141.19円で取引されている。
債券
国債先物・22年9月限 149.38 (-0.15)
10年長期金利 0.235%(+0.005)
【マーケットアナリティクス】GBPUSDは1.16で失敗、トレンドは弱気に留まる(9月6日)
この日、ポンド・米ドル(GBPUSD)は朝方に小刻みな動きながら小幅な上昇のラリーとなっていたが、1.16の上値抵抗線(レジスタンス)を超えられず、米国取引時間を迎える前に1.1530付近の安値に下落した。
エネルギー救済措置が登場
週明け、リズ・トラス氏が次期英国首相となる保守統一党首選に勝利し、想定内の状況から大きな値動きにはつながらなかった。
ブルームバーグはトラス新首相が深刻化するエネルギー価格高騰を阻止する施策を策定したと報じている。英国の標準的世帯の電気・ガス料金を現行の年間1971ポンド(約32万円)以下に抑制するもので、政府支出は1,300億ポンド(約21兆円)に上る可能性がある。平均的な家庭のエネルギーコストは、10月から80%上昇し、年間では3,548ポンド(約58万円)になると予測されている。施策では英国のガス・電力市場局(OFGEM)を疎外し、現在の価格体系を解体するようだ。その代わりとして、ガスや電気の新たな価格を閣僚が決定することになる。
INGのアナリストは、英国債の売りは、海外の投資家はリズ・トラス新首相が明らかにした施策から以下の二点の危惧を示したとみており、GBPUSD が今後数カ月で1.10まで下落する可能性があると見ている。
1) 銀行の英国債売り開始計画
2) リズ・トラス新首相の大規模ながら資金不足の政府支援計画
弱気(ベアーズ)の支配続く
日足チャートは、強気の反転フォーメーションであるフォールディングウェッジパターンを形成しているようだ。ポンドが、現在1.1650付近にあるパターンの弱気トレンドラインを上に抜けた場合、1.1760の主要な上値抵抗線(レジスタンス)をターゲットとした、大きな強気(ブル)の勢いが見られる可能性がある。
それまでは、弱気な見通しで上昇を売り込む展開となりそうだ。弱気の次のターゲットは、1.15、そして今週の安値1.1450近辺となる可能性がある。
ポンド・米ドル、デイリーチャート 9月6日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “GBPUSD Fails at 1.16; Trend Remains Bearish” (2022年9月6日, AXIORY Global Market News)
追記:9月7日、日本時間6:00のポンド・米ドルは1.1515-1.1522ドルで取引されている