2022/12/02 7:25 JST投稿
【米国】
為替(12月02日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 135.33-135.33 (円)
ユーロ円(EURJPY) 142.41-142.42 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0523-1.0523 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 165.66-165.69 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2241-1.2242 (米ドル)
12月1日のニューヨーク外国為替市場では、前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のハト派的な発言や地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容を受け、利上げペースの鈍化が懸念されリスク回避の姿勢が強まり、米ドル売りが優勢だった。
朝方に発表された10月個人消費支出(PCE)のコア指数(結果:5.0%、予想:5.0%、前回:5.2%)では、予想通りインフレ圧力による鈍化がみられた。リスク回避の債券買いが強まり、長期金利が3.56%に低下した。また、先週分の新規失業保険申請件数(結果:22.5万件、予想:23.5万件、前回:24.1万件)は前週より減少し、失業保険継続受給者数(結果:160.8万人、予想:157.0万人、前回:155.1万人)では予想以上の増加となり、2月以来の最大を記録している。
また、11月のISM製造業景況指数(結果:49.0、予想:49.7、前回:50.2)は、2020年5月以来初の景気の目安となる50を下回る2年半ぶりの低水準を記録した。
金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、102日連続で逆転(逆イールド)しており、終値ベースでは2年債が4.236%、10年債が3.510%だった。
また、金融高官の発言としてはボウマンFRB理事が「金融当局は近く利上げのペースを落とす可能性がある。インフレが根強く続いていることから政策金利のピークは数カ月前の想定より高くなり得る。」と述べている。さらに、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、「労働需要と経済の需要は以前に私が考えていたよりも強めであり、基調的インフレも幾分か高めであることは、9月に比べ政策の軌道がやや高めであることを示唆している」と指摘している。合わせて、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事がウクライナでの戦争の影響や欧州、中国、米国経済が同時に減速したことが影響し、来年の世界経済成長率が2%を下回る可能性が高まっていると警告した。
米ドル・円(USDJPY)は、前日の流れを受け継ぎ米ドル売りが優勢だった。弱い経済指標が続き、ISM製造業景況指数の鈍化から投資家心理が冷え込むリスクオフの動きが強まった。8月18日以来の安値135.21円まで値を下げ、終値は135.33円となった。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、米ドル売りが優勢となり6月29日以来の高値1.0533ドルを付けた。その後は、欧州の景気後退懸念から利益確定売りにつながり、終値は1.0520ドルだった。
ユーロ・円(EURJPY)は、米景気後退懸念から円買いが強まり徐々に値を下げ、143.13円から142.07円まで安くなった。その後小幅に値を戻し、142.35円で終えている。
株式
NYダウ平均 USD 34,395.01 +194.76(-0.56%)
NASDAQ総合 USD 11,482.449 +14.453 (+0.12%)
S&P500 USD 4,076.57 -3.54(-0.08%)
12月1日の米株式市場のダウ工業株30種平均は3日ぶりに前日の終値を下回った。前日のパウエル議長の講演後に1000ドル強上昇した反動で、利益確定売りや機関投資家の保有資産の調整から終日で前日の終値を下回る取引となった。弱い景気指数が投資家心理に影を落としたことも影響し、景気敏感株を中心に幅広い銘柄に売りが波及した。
債券
米国債10年 3.510%(-0.191)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 81.22 +0.67(+0.83%)(1月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,815.20 +55.30(+3.14%)(2月渡し)
【日本】パウエル議長の講演受け米ドル売り強まる
為替(17時)
12月1日の東京外国為替市場では、前日の米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演でのハト派的な発言を受け、米利上げペースが減速するとの見方の強まりから米ドル売りが優勢となっている。
米ドル・円は、米国の利上げペース減速観測の強まりから米ドル売りが優勢となり、朝方に付けた高値138.12円から安値135.84円まで値を下げた。下落の途中で損失を最低限に抑える損切りの米ドル売り(ストップロス)が行われたことも影響が大きく、17時時点では136.51円となった。
ユーロ・米ドルは、米ドル・円の下落を受け、この日高値1.0464ドルまで値を上げたが、欧州景気後退への懸念が強く上昇は限定的だった。その後は、米ドルが買い戻され17時時点では1.0406ドルで取引されている。
ユーロ・円は、米ドル・円でリスク回避の円買いが強まった動きを受け、10月13日以来の142円割れとなり、141.91円の安値まで値を下げ17時時点では142.06円だった。
債券
国債先物・22年12月限 148.97 (+0.25)
10年長期金利 0.250%(変化なし)
【マーケットアナリティクス】米ドル円は重要な下値支持線を突き破る(12月1日)
昨日のパウエル議長のハト派的な発言は、米ドルにとって決定的な売りシグナルであり、米ドル・円(USDJPY)の重要な場所で発生した。むろん、この状況は昨日から悪い方向に大きく変化している。
パウエル議長の演説の前、USDJPYはかなり好調だった。この商品の中期的な状況にとって重要なレベルである139円の下値支持線(サポート・緑)の上にあった。しかし、FRB議長のハト派的な発言により価格は下落し、週足チャートに流れ星型のローソク足が形成された。
本日も下落が続き、日足チャートで長い弱気(ベア)を形成している。139円のレジスタンスを下回る場合はフィボナッチ比率(38.2%)をわずかに下回り、5月の最高値と8月の最安値を示す131円(オレンジ色)の重要な中期的なサポートを試す良い機会となる。
現在の投資家心理では、そこに到達する可能性はかなり高い。139のレジスタンスの上に価格が戻ってくると、ネガティブなセンチメントは解消されるが、そのチャンスは現在、非常に限定的だ。
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米ドル・円、デイリーチャート 12月1日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “USDJPY smashed through a key support” (2022年12月1日, AXIORY Global Market News)
追記:12月2日、日本時間6:00の米ドル・円は135.33-135.33円で取引されている