中国政府の財政追加政策への期待も高まり、株高とリスク・オンの円売りが優勢となった

【米国】米10年債利回りの上昇を受けて、全般でドル買いが優勢

為替(20241010  600分)
米ドル円          USD/JPY   149.28 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0939  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   163.30   (円)
ポンド円          GBP/JPY   195.12  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3070  (米ドル)

 
10月9日のニューヨーク外国為替市場は、米10年債利回りが4.078%まで上昇し、高水準で推移していることを背景としてドル買いが優勢となった。またユーロ圏の景気後退懸念からECBが追加の利下げをするとの観測も高まり、ユーロの重しとなった。なお、FRBが公表した9月FOMC議事要旨では、大多数の当局者が0.50%の利下げを指示したが、ボウマンFRB議長など複数の参加者から大幅利下げに慎重な意見が上がっていたことも明らかとなった。
 
米ドル円は、米大幅利下げ観測が後退する中で、米10年債利回りが一時4.078%と7月31日以来の高水準を記録したことで、円売り・ドル買いが先行した。また、中国の財政政策に対する期待感の高まりや米国株高を背景にした円売り・ドル買いも活発になり、149.35円まで上値を伸ばした。
 
ユーロドルは、ユーロ圏景気への懸念からECBが17日の定例理事会で追加利下げを決定するとの見方が強まると、ユーロの重しとなった。米10年債利回りが高水準で推移していることもあり、一時1.0935ドルと8月13日以来の安値を更新した。なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「インフレの上振れリスクは依然として現実的で、経済見通しを巡り、かなりの不確実性がある中で、今後は緩やかな利下げが適切となる」と発言した。
 
株式
NYダウ平均       USD   42,514.01        +438.70(+1.04%)
NASDAQ総合    USD   18,291.82        +109.48(+0.60%)
S&P500             USD     5,791.98          +41.30(+0.71%)

株式市場では、NYダウ平均とS&P500で過去最高値を更新した。中東情勢を巡る懸念は根強いものの、WTI原油先物相場が続落すると投資家心理が改善し主力株を中心に買いが入った。また中国政府が12日に財政政策での追加政策への期待が高まりからも買いが入りやすかった。ハイテク株比率が高いナスダックでも続伸し、7月16日以来約2か月半ぶりの高値で取引を終えた。
 
債券・商品先物
米国債10年                              4.075%     (+0.059)
NY原油(WTI)     USD/バレル   73.62         (-0.82%)
NY金(COMEX)  USD/オンス   2,626.1      (-0.54%)
 

【日本】ニュージーランド準備銀行は2会合連続の大幅利下げを決定したことで、NZどるは売られた

 
為替(17時)
10月9日の東京外国為替市場は、ニュージーランド準備銀行が政策金利を5.25%から4.75%に引き下げることを決定した。2会合連続での利下げや利下げ幅は市場の予想通りだったものの、大幅利下げの影響でNZドル売りが優勢となった。またビルロワドガロー仏中銀総裁は「ECBは来週利下げを決定する可能性は非常に高い」と発言し一時的にユーロ売りが見られたが、売りは続かなかった。
 
米ドル円は、東京市場オープン直後に売りで始まり一時148.00円まで下押した。148円の節目がサポートとして意識されると下げ渋り、仲値にかけては買い戻しが優勢となった。ただ上海総合指数の大幅下落がリスク回避の円買いを誘い、再び148.07円まで下押した。その後は中国の財政出動を期待した円売りが進行し148.65円まで上値を伸ばした。
 
ユーロドルは、ニュージーランドが政策金利を0.50%引き下げることを決定したことで、NZドル/ドルが下落した。これにつられる形で、ユーロドルもじり安となり14時前には1.0961ドルまで下押した。その後は、ユーロクロスの持ち直しを背景に1.0972ドルまで上値を伸ばしたが、米10年債利回りの上昇やユーロ円の反落につられる形で、一時1.0950ドルまで下押した。
 
ユーロ円は、東京オープン直後は全般に円買いの動きが目立ち、ユーロ円も162.44円まで下押したが、ドル円の上昇に連れて162.86円まで買い戻された。ただ買いが一服すると、162.60円前後での揉み合いが続いた。14時台になるとクロス円の上昇の流れに沿うように、163.06円まで上値を広げた。ただ、上海株安が嫌気されると162.37円まで下押し午前中安値をわずかに割り込んだが、売り一巡後には162.88円まで買い戻されるなど、方向感の定まらない相場となった。
 
債券
日本国債10年   0.926%     (+0.012)
 

【市場主要イベント】
10日 米   9月消費者物価指数
11日 英   8月月次国内総生産
   加   9月新規雇用者数
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