【今週のハイライト】米10年債利回りの上昇でドル買いが進んだ一方で、ユーロは買いが強まった

為替(2024年11月1日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   152.02 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0883  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   166.41   (円)
ポンド円          GBP/JPY   198.08  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2898  (米ドル)

 
米ドル円
28日(月)は、安く寄り付いた日経平均株価がプラス圏を回復し一時700円超高となったことを受けて、仲値にかけて買いが優勢となった。時間外の米10年債利回りが高止まりしていることもあり、一時153.87円まで上値を伸ばしたが、引けにかけて日経平均株価が上昇幅を縮めた事なども受けて、買いが一巡後は徐々に高値を切り下げていき153.15円まで押し戻された。欧州時間には上昇していた米10年債利回りが一時低下に転じたことなどを背景にドル売りが優勢となり、21時台には152.40円まで下落した。ただNY時間には米10年債利回りが再び上昇し一時4.30%を付けたこともあり、買戻しが優勢となった。またNYダウ平均が堅調に推移したことも支えとなり、再び153円台を回復した。
 
29日(火)は、日経平均株価が安く寄り付き、時間外の米10年債利回りも低下してスタートしたことで、円買いが優勢となり152.84円まで下押した。その後は日経平均株価がプラスに転じたこともあり153.16円まで買い戻されたが、加藤財務相の発言もあり再び152.74円まで売り押された。東京カットオフの時間が過ぎるとドル買いが入り、英独株式市場も続伸したこと事なども支えに、153.27円まで買い戻された。米10年債利回りの上昇に伴う買いが継続し、21時30分過ぎには153.86円まで上昇し日通し高値を付けた。ただ、前日高値の153.88円が目先のレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米JOLTS求人件数が予想を大幅に下回ったことも重しとなり一時152.97円まで下押したが、同時に発表された米消費者信頼感指数が良好な内容だった事で買戻しが入り、153.45円を挟んだもみ合いとなった。
 
30日(水)は、時間外の米10年債利回りが低下すると、153.06円まで弱含んだ。ただ、米10年債利回りの低下幅が限定的にとどまったことや、日経平均株価の堅調な動きも支えに153.43円まで買い戻された。しかし、米10年債利回りが伸び悩んでいることなどが重しとなった。今晩には米重要指標の発表を控えていることや、明日は日銀金融政策決定会合の結果公表が控えていることで大きな方向感は出なかった。欧州時間に一時152.78円まで下落したものの、前日安値の152.76円が目先のサポートとして意識されると反発上昇した。10月ADP雇用統計が市場予想より強い結果である事がわかると、米10年債利回りの上昇とともに153.48円まで買い戻された。その後は米10年債利回りの動向に振られる展開となった。週の後半にかけては日米で重要な経済イベントが控えていることもあり、積極的な方向感は出にくかった。
 
31日(木)は、日経平均株価が反落し時間外の米10年債利回りが低下してスタートすると、153.16円まで弱含んだが、仲値にかけては買いが優勢となり153.57円まで上値を伸ばした。その後は日銀金融政策決定会合を前にして揉み合いとなった。12時前に日銀金融政策決定会合の結果公表で政策金利を0.25%に据え置く事を発表した。展望レポートでは、経済・物価見通しが実現していくとすれば引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整するとしたことを背景に、円買いが優勢となり152.04円まで下押した。米10年債利回りが4.33%台まで上昇したことに伴いドル買いが強まり23時過ぎには153.04円まで上値を伸ばした。ただNYダウ平均が軟調に推移したことで上値は限定的だった。その後は米10年債利回りが4.25%台まで低下したことも嫌気され151.82円まで下押した。アジア時間の植田日銀総裁の会見で、これまで繰り返し使ってきた「政策判断に時間的余裕はある」との表現を今後は使わないとし、タカ派な発言があったことも意識され引き続き円買いが優勢な相場となった。
 
ユーロドル
28日(月)は、時間外の米10年債利回りが4.28%まで上昇したことで、上値が重たくスタートした。ドル円でのドル高推移や米10年債利回りの上昇基調が重しとなり、1.0781ドルまで下押した。ただ、対円でドル売りが進んだことを支えに買戻しが優勢となった。独10年債利回りが2.34%台まで窓を開けて上昇したことも背景に買い圧力が強まり、1.0805ドルまで上値を伸ばした。欧州市場で買いが強まった影響もあり24時前には一時1.0827ドルの日通し高値を付けた。ただその後は失速し18pips程度の狭い値幅での動きとなった。市場ではECBの大幅利下げへの期待は高く、引き続きユーロの上値は重たいとみる見方が強まっている。
 
29日(火)は、時間外の米10年債利回りが低下して始まった事で、1.0819ドルまでわずかに上値を伸ばしたが方向感は出ず、その後はポジション調整目的の売りで1.0805まで下押した。ただ積極的に下値を試していく展開にはならず買戻しが出たが、これまでに13pips程度の狭いレンジでの推移となった。米10年債利回りの上昇に伴うドル買い圧力に押される形で売りが先行した。一時1.0768ドルまで下押したが、低調な米JOLTS求人件数の結果をきっかけに反発上昇した。米10年債利回りが一転して低下したことも支えとなり、引け前までには1.0818ドルまで買い戻しが進んだ。
 
30日(水)は、時間外の米10年債利回りの低下を眺めながら、1.0825ドルまで上値を伸ばした。ただ前日高値の1.0826ドルを前に上値は重たくなり伸び悩んだ。その後はポジション調整目的の売りも入り、1.0812ドルまで下押した。その後は再び上値を試す展開となるも高値更新とはならず押し戻された。良好な米雇用指標の結果を受けて1.0807ドルまで下押しする場面があったが、下値は堅かった。独10年債利回りが上昇した約2か月ぶりの高水準を推移していることで一時1.0871ドルまで上値を伸ばした。イギリスでは、リーブズ財務相が発表した予算案で増税が明らかになったことやインフレ目標が上方修正されたことで、ポンド買いが優勢となった。それにつれてユーロ買いも優勢となった。
 
 
31日(木)は、日銀金融政策決定会合を前に円主導の相場となることが予想されるため動意は薄く、揉み合いが続いた。なお、ラガルドECB総裁はルモンド紙のインタビューで「利下げの規模は経済データ次第」「インフレのゴールが視野に入っている」と述べた。その後は独10年債利回りが上昇して始まったことで1.0863ドルまで上値を伸ばしたが、上値は限定的ですぐに売り戻された。欧州時間からの底堅い地合いが継続し22時台には1.0887ドルの日通し高値を付けた。その後はポンドドルの急落につれた他、欧州株安も重しとなり伸び悩んだ。25時前には1.0846ドルまで下押したが、米10年債利回りの低下が支えとなり下値は堅かった。
 
ユーロ円
28日(月)は、日経平均株価が大幅反発したしたことやドル円が上昇したことを背景に、買いが先行した。11時前には166.06円までユーロ高・円安が進んだ。その後はユーロドルの下落も重しとなり伸び悩んだ。日経平均株価が引けにかけて上昇幅を縮小したことも重しとなり、165.55円を挟んで揉み合いとなった。
 
29日(火)は、ドル円の下げにつられ売りが優勢となり14時台には165.14円まで下値を広げた。中国株が軟調に推移していることも相場の重しとなった。欧州勢参入後は、欧州株が軒並み上昇していることを支えに、底堅く推移し165.72円まで買い戻された。
 
30日(水)は、ドル円の下げにつられて165.68円まで下押したが、日経平均株価の堅調な推移が下支えとなり、165.98円まで買い戻された。もっとも前日からレジスタンスとして意識されている166円台には届かず、買い一巡後には持ち高調整の売りに押された。上海株の下落を嫌気した円売りも出たことで、一時165.66円まで下値を広げたが、ドル円の買戻しに連れて、ユーロ円も上昇し166.01円まで上値を伸ばしたが、積極的に買い進める動きとはならなかった。
 
31日(木)は、ドル円に連れた動きで166.28円まで下押したが、東京仲値にかけては166.68円まで上昇した。日銀金融政策決定会合の結果を受けて上下に振れたがドル円の下落に連れて、下値を広げ165.01円まで下押した。節目の165円の手前では下げ渋り165.67円まで買い戻されたが、上値は重たく戻しは限定的だった。
 
10月28日 9時00分 ~11月1日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  151.82~153.87(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0768~1.0887(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  164.87~166.68(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2843~1.3042(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  195.35~199.79(円)
 
株式
28日(月)は、NYダウ平均が先週末まで下落が続いていた反動から主力株に自律反発狙いの買いが目立った。週内に四半期決算を控える大型ハイテク株の一角に先行会も見られ、一時360ドル超上昇した。ハイテク株比率が高いナスダックは3日続伸し、7月10日に付けた史上最高値を上回る場面があったが、米10年債利回りの上昇を受けて伸び悩んだ。
 
29日(火)は、米10年債利回りの上昇に伴う株式の相対的割高感が意識されNYダウ平均銘柄で売りが先行した。住宅関連株や消費関連株・景気敏感株で売りが観測され上値が重たい動きとなった。ハイテク株比率が高いナスダックでは、主力株銘柄の好決算に期待した買いが強まり、約3か月ぶりに史上最高値を更新した。
 
30日(水)は、NYダウ平均が続落した。半導体関連株を中心に持ち高調整目的の売りが目立った。その半面で、好決算を受けてビザが大幅高となったほか、同業のアメリカン・エクスプレスも買われたことが支えとなった。ハイテク株比率が高いナスダックでは、前日に史上最高値を更新したこともあり、利益確定目的の売りも出やすかった。
 
31日(木)は、前日取引終了後に発表した決算が予想を下回ったマイクロソフトが大きく売られ、ハイテク株全般に売りが波及した。1日の米雇用統計を前に持ち高調整目的の売りも重なり、NYダウ平均は一時440ドル近く下げた。ハイテク株比率の高いナスダックではエヌビディアなど半導体関連株に売りが目立った。

この記事をシェアする
もっと読む
クッキー(Cookie)について: お客様が本ウェブサイトにアクセスする際、セキュリティの確保やお客様に関する情報を取得することを目的に、クッキー(Cookie)を使用する場合があります。 本ウェブサイトにお客様が継続的に訪問する場合、クッキーについて同意することと見なします。またクッキーはいつでも削除することが可能です。
FAQ お問合せ サポートデスク
月曜日-金曜日
9:00-24:00