為替(2025年1月31日 6時00分)
米ドル円 USD/JPY 154.24(円)
ユーロ米ドル EUR/USD 1.0406 (米ドル)
ユーロ円 EUR/JPY 160.53 (円)
ポンド円 GBP/JPY 191.80 (円)
ポンド米ドル GBP/USD 1.2434 (米ドル)
米ドル円
27日(月)は、トランプ大統領の関税政策でコロンビアと貿易戦争へ発展の懸念からリスク・オフの円買いが先行し155.29円まで下押した。もっとも、その後は徐々に買戻しが入り、午後にはコロンビアが米国から送還された不法移民を受け入れに同意したことで、ホワイトハウスは「コロンビアへの関税をいったん保留する」と発表したことで、過度なリスク回避の動きは緩みドル買いが進んだ。中国の新興企業が米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、米株先物市場は急落し、リスク・オフの動きが強まり欧州時間には153.71円まで下押した。その後は急落の反動から下げ渋り徐々に買い戻された。一時4.49%まで低下していた米10年債利回りが下げ幅を縮小したことも相場の支えとなった。28時台には154.72円まで買い戻されたが勢いはなかった。
28日(火)は、ベッセント米財務長官の関税引き上げに関する発言やトランプ大統領の関税適用に関する見解を示すと、関税政策による米金利の先高観が強まり為替市場では全般ドル買いが強まり13時台には155.94円まで上昇した。買い一服後は調整のドル売りが入り155.51円まで下押したが、欧州勢参入後には再び買い圧力が強まり155.98円まで上値を更新した。上昇していた米10年債利回りが上昇幅を縮めた事で円買い・ドル売りが小幅ながら入ったものの、下押しは155.05円までと限定的だった。29日のFOMC結果公表を前に様子見ムードが強まり、大きな方向感は出にくかった。その後は米10年債利回りが再び4.57%台まで上昇したことで、155.76円まで買い戻された。
29日(水)は、NY時間にFOMCの結果公表を控える中で、限られた値幅で上下した。10時過ぎには155.79円まで上昇するも上値は重たく押し戻された。特段の材料は伝わっていないもののFOMC前に短期的な取引が主体となり、持ち高調整の売りに押される形で155.00円まで下押した。その後は下げ渋り155.40円まで買い戻された。一時4.53%まで上昇した米10年債利回りだったが、再び4.50%程度まで低下したことを受けてドル売りが先行した。25時前には154.93円まで下押したが、FOMC結果公表を前に積極的に売っていく展開とはならず下げ渋った。FOMCで市場予想通り政策金利が据え置かれることが伝わると、米10年債利回りの上昇とともに155.61円まで上昇した。
30日(木)は、前日にFOMCで市場予想通りに政策金利据え置きが決定し、東京市場では円の買戻しが優勢となった。前日安値の154.94円を割り込むと、月末の持ち高調整のドル売りも入り154.28円まで下押した。その後の氷見野副総裁の講演では想定されていたほどタカ派ではなかったこともあり、154.73円までドルが買い戻されたが時間外の米10年債利回りが低下したことを受けて押し下げた。ユーロドルの上昇をきっかけに円買い・ドル売りが先行すると一時153.83円まで下押したが、米10年債利回りが低下幅を縮めると下げ渋った。米商務省発表10-12月期米GDP速報値は年換算率で予想を下回ったものの、個人消費は予想を上回るなど、強弱入り混じる結果となり、24時台にはわずかに安値を更新した。その後米10年債利回りが4.53%台まで回復したことで、ドル買いが優勢となり154.49円まで買い戻されたが勢いは限定的だった。
ユーロドル
27日(月)は、対人民元や対円などでドル高が進んだことに伴い、じわじわと高値・安値を切り下げていき16時過ぎには1.0453ドルまで下押した。欧州勢参入後には1.0470ドルまで買い戻されるも、上値は重く再び1.0455ドルまで売られた。米ハイテク株先物が軟調に推移したことで全般でドル売りが進行し22時過ぎには、1.0532ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けた。その後は、米10年債利回りの低下幅縮小もあり上値が重たくなり、高値・安値を切り下げていった。じり安に推移し28時過ぎには1.0478ドルまで下押した。
28日(火)は、米関税政策に絡んだ米金利先高観からドル買いが優勢となり11時台には1.0423ドルまで下押した。売り一巡後は下げ渋るも上値は重たく、狭いレンジ内でのもみ合いとなった。欧州勢がドル買いで参入すると1.0427ドルまで下押すも底値は固く安値更新とはならなかった。米10年債利回りが上昇幅を縮めた事で23時台には1.0440ドルまで上昇した。ただ米10年債利回りが再び上昇したこともあり上値は重たくなったものの、ユーロ円の買いが支えとなり下値も限定的だった。その後も1.0430ドルを挟んで揉み合い方向感の出ない展開となった。
29日(水)は、米10年債利回りが4.52%程度でやや低下気味に推移しているものの相場への影響は限定的で、小幅なレンジでもみ合った。午後になると1.0443ドルまでわずかに上値を伸ばしたが、独経済指標がさえない結果となると下落圧力が強まり1.0412ドルまで下押した。米10年債利回りが上昇したことや独政府が今年のGDP見通しを+1.1%から+0.3%へ引き下げたことなどから、23時前には1.0381ドルまで下押した。明日のECB定例理事会で利下げを決定するとの観測も重しとなった。その後は一時1.0426ドルまで買い戻されたが、FOMCでは市場予想通りに政策金利が据え置かれ、パウエルFRB議長の会見では利上げに慎重な姿勢が見られたことで1.0387ドルまで下押した。
30日(木)は、1.0428ドルまで上昇するも1.0415ドルまで押し戻されるなど、方向感を探るような展開となった。NY時間にはECBの政策金利発表やラガルドECB総裁の記者会見が控えていることもあり様子見ムードが強く、方向感が定まらない展開となった。ECB政策金利発表を前に1.0389ドルまで低下し安値を更新するものの、月末のロンドンフィキシングに絡んだユーロ買いが優勢となった。またECBは市場予想通りの0.25%の政策金利引き下げを決定した。声明では「ディスインフレのプロセスは順調」としたことで1.0647ドルまで上昇したが、ラガルドECB総裁の発言もあり再びユーロ売りが優勢となった。
ユーロ円
27日(月)は、米関税政策を巡るリスク・オフの流れに沿ってユーロ売り・円買いが進み162.59円まで下押した。もっともコロンビアとの貿易戦争への懸念が緩むと、ドル円の切り返しにつれて徐々に買戻しが優勢となり15時台には163.44円まで上値を伸ばした。ただ米株式先物が弱い動きを示したことで、再びリスク・オフの円買いが意識され162.85円までユーロ売り・円買いが進んだ。
28日(火)は、ユーロドルや日本株の下落につれて、円買い・ユーロ売りが進み、一時161.58円まで下押す場面があったものの、ドル円の上昇に連れて162.66円まで上値を伸ばした。ドル絡みの取引が中心となった事で値幅は限られたものの、この日の高値圏を推移するなど底堅い動きとなった。
29日(水)は、4営業日ぶりに反発上昇した日経平均株価の動きも支えに162.47円まで上値を伸ばしたものの、ドル円の上値が重たくなり下落をするとユーロ円もつられる形で15時前には161.81円まで下押した。その後は162.18円まで下げ渋るも、ユーロドルの下落にもつられ161.68円まで下落した。
30日(木)は、ドル円の下げにつれて下押すと前日安値の161.31円を割り込み160.82円まで下押した。その後は買戻しが入り161.20円まで上昇したものの、ユーロドルが下落したことに連れて下げに転じた。午前中安値をわずかに下抜け160.72円まで下押したものの下げ渋るなど方向感の出にくい展開となった。
1月27日 9時00分 ~1月31日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円 USD/JPY 153.71~156.25(円)
ユーロドル EUR/USD 1.0277~1.0381(ドル)
ユーロ円 EUR/JPY 160.22~163.44(円)
ポンドドル GBP/USD 1.2392~1.2523(ドル)
ポンド円 GBP/JPY 191.34~194.63(円)
株式
27日(月)は、中国の新興企業ディープシークの最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、半導体関連株やAI関連株に売りが先行した。NYダウ平均は一時400ドル近く下落した。ただ、ディフェンシブ株や消費関連株に買いが入ると上げに転じた。ハイテク株比率が高いナスダックは大幅に続落した。
28日(火)は、NYダウ平均は中国のAI台頭が警戒されて、前日に急落したエヌビディアが反発したほかハイテク株が広く買われ相場を下支えした。ハイテク株比率が高いナスダックでは、メタ・プラットフォームズが買われたほか、前日急落したブロードコムが反発した。
29日(水)は、FRBが声明で今後の利下げに慎重な姿勢を示したとの受け止めが広がると株売りが優勢となった。NYダウ平均は一時270ドル超下落する場面があった。ハイテク株比率が高いナスダックは「トランプ政権はエヌビディアの中国販売規制の厳格化を協議」との一部報道が伝わると、売りが出た。
30日(木)は、決算内容がマイクロソフトなどが売られるとNYダウ平均は続落して始まったものの、決算内容が好感されたIBMが大幅に上昇すると都市化心理が改善し、NYダウ平均は上昇に転じた。ハイテク株比率が高いナスダックでは、メタ・プラットフォームズやテスラが決算発表や説明会の内容を材料に買われた。