強い米経済指標やFRB高官発言が支えから米ドル上昇

2022/02/25 7:50 JST投稿

 

【重要なお知らせ】ロシア・ルーブル(RUB)の新規注文停止

ウクライナ紛争によるRUBの流動性の制約により、お客様の資産保護の目的から2022年2月24日(木)日本時間21:00より、すべてのプラットフォームにおいて、ロシア・ルーブル(RUB)の通貨ペア(EUR/RUB 及び USD/RUB)の新規注文受付を一時的に中止いたしました。

詳細は以下を参照ください。
https://www.axiory.com/jp/news/2022-02-24

 

【米国】

  • 為替(2月25日6時02分)

米ドル円(USDJPY) 115.60-115.60 (円)
ユーロ円(EURJPY) 129.49-129.49 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1305-1.1305 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 154.81-154.81 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3391-1.3391 (米ドル)

2月24日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの高まりからリスク回避の姿勢が強まった。バイデン大統領や欧州を中心にさらなる経済制裁を課している。

しかし、経済指標の発表では力強い結果が出て支援材料となった。10-12月期 四半期実質国内総生産(GDP、改定値、前期比年率、結果7.0%、予想:7.0%、前回:6.9%)がコロナウイルスの感染拡大の影響が和らぎ情報修正された。前週分 新規失業保険申請件数(結果:23.2万件、予想:23.5万件、前回:24.8万件)では、予想以上に減少し1970年1月以来の最小結果となり、好調な労働結果を表した。そして、米1月シカゴ連銀全米活動指数(結果:0.69、予想:0.16、前回:0.07)が昨年10月以来で最高を記録した。

さらに、連邦準備理事会(FRB)高官による、金融政策を推し進めるタカ派的な発言も出ている。リッチモンド連銀バーキン総裁は「ロシアによるウクライナ侵攻は、FRBの利上げ方針の背景となる論理的裏付けを変えることはない」と発言。サンフランシスコ連銀デイリー総裁は「FRBは政策を引き締める必要性がある」と述べていた。また、アトランタ連銀ボスティック総裁は「より正常化された金融政策に戻る準備は出来ている」と発言している。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.13ドル前半から1.11前半に値を落とした。ウクライナ侵攻を受けたリスク回避のリスクオフの姿勢の強まりから下値支持線(1月28日の安値1.1121ドル)を超え、2020年6月以来の安値1.1106ドルに下落した。その後は、良好な米経済指標から1.85%から1.97%に上昇し、米株高もプラスとなり、持ち直し1.1192ドルで終えた。

ユーロ・円(EURJPY)は、127円後半から130円前半に上昇した。リスクオフの円買いが優勢となり、昨年12月20日以来の安値127.92円を付けていたが、米株高を受けリスクオンの姿勢が強まり130.07円まで値を上げ、終値は129.29円だった。

米ドル・円(USDJPY)は、115円後半まで値を戻した。朝方は地政学リスクが意識され米ドル売りが優勢だったが、強い経済指標やFRB高官のタカ派的な発言が支援材料となり、この日の高値115.69円に値を戻した。その後、小幅に売られ、終値は115.53円となった。
 

  • 株式

NYダウ平均 USD 33,223.83 +92.07 (+0.27%)
NASDAQ総合  USD 13,473.585 +436.098 (+3.34%)
S&P500     USD 4,288.70 +63.20(+1.49%)

2月24日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、6日ぶりに前日の終値を上回った。朝方はウクライナ侵攻を巡る情勢の悪化から860ドルほど値を下げていた。しかし、13時過ぎにこれまで大幅に下落していた反動からハイテク株中心に買い戻されに値を上げ、わずかに前日の終値を上回り終えた。背景には、株式市場はすでに今後の動きを見据えた展開に移行し、業績が好調なハイテク株が買われ、好調な米経済を裏付けた動きが出ているようだ。
 

  • 債券

米国債10年 1.971(-0.026%)
 

  • 商品

NY原油(WTI) 1バレル=USD 92.81 +0.71(+0.77%)(4月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,926.3 +15.90(+0.83%)(4月渡し)

 

【日本】昼過ぎに地政学リスク強まりユーロ売り強まる

  • 為替(17時)

2月24日の東京外国為替市場は、午前中に国内輸入企業の決済に向けた米ドルやユーロ買いが入り上昇する場面もあったが、昼頃にインタファクス通信が「プーチン氏、ウクライナ東部への軍事作戦実施を表明」と報じるとリスク回避の姿勢が強まった。

米ドル・円は114円後半中心の取引となった。朝方は、決済向けの米ドル買いが入り上昇したものの、ウクライナの地政学リスクの高まりからこの日の安値114.41円まで売られた。その後は、反動から買戻しが入り17時時点では114.61円だった。

ユーロ・米ドルは1.13ドル前半から1.12ドル前半に値を下げた。午前中は決済に向けた買いが入り小幅に値を上げた場面もあった。しかし、昼過ぎに地政学リスクが高まると安全資産のドル買いの流れが出て小幅に値を上げたが積極的な取引は控えられ、17時時点では1.1245ドルとなった。

ユーロ・円は、130円前半から128円前半に値を下げた。午前中は国内輸出企業の決済が出て堅調だったが、昼頃にウクライナ情勢の懸念が強まり128円半ばに急落した。その後は様子見の姿勢が強まり、17時時点では128.88円で取引されている。
 

  • 日本株式

日経平均株価 25,970.82円 -478.79(-1.81%)
安値25,775.64円  -  高値 26,357.58円
東証出来高 1,594,12万株
東証売買代金 3兆6281.03億円
 
2月24日の日経平均株価は5日連続で前日の終値を下回った。午前中は米国市場の流れを受け継ぎ売りが優勢な状況になった。昼頃にロシアによるウクライナ東部への攻撃開始が報じられると、さらにリスク回避の姿勢が強まり13時過ぎに670円超前日の終値を下回った。境目の26,000円を下回り、年初来安値(1月27日の26,170.30円)を更新し、2020年11月20日(25,466.69円)以来、1年3カ月ぶりの安値で終えた。5日続落するのは21年9月27日から10月6日の8日続落して以来。このところ低水準だった東証1部の売買代金は3兆円を大幅に超え、1月27日以来の大きさだった。
 

  • 短期金融市場

無担保コール翌日物金利 -0.017%
 

  • 債券

国債先物・22年3月限 150.44(+0.10)
10年長期金利 0.185%(-0.005)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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