2022/02/14 6:22 JST投稿
【今週の見通し】(2月14日-2月18日)
先週は、2月10日の1月米消費者物価指数が40年ぶりの高い伸び率を示し、早期の利上げ観測の高まりから長期金利が上昇し、米ドル買いが優勢となり米ドル・円は116.34円まで買われた。しかし、2月11日の経済指標や緊張の高まるウクライナ情勢によりリスク回避の動きが強まり、大幅に値を下げている。
今週は、ウクライナ情勢の動きによりリスク回避の動きは続くものの、各国首脳がロシアとの対話を継続しておりリスクが後退する動きも残されていることから動向に注目される。注目の金融イベントとしては、今後の方向性を垣間みる上で重要な2月16日に発表される1月米小売売上高と1月25、26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容に注目したい。
予想レートは米ドル・円が113円半ばから116円半ば。ユーロ・米ドルが1.13ドル前半から1.15ドル前半。
【米国】
米ドル円(USDJPY) 115.41-115.52 (円)
ユーロ円(EURJPY) 130.96-131.14 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1345-1.1350 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 156.53-156.73 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3559-1.3569 (米ドル)
2月11日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、朝方に発表された2月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値(結果:61.7、予想:67.5、前回:67.2)が予想を下回り、物価上昇や政府の経済政策への不信、さらに景気の悪化が懸念されたことが浮き彫りとなった。
また、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5ポイントの利上げに踏み切るとの観測が強まっている中、金融当局者の慎重な姿勢が見え始めている。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は10日のマーケットニュースに対し、0.5ポイントの利上げについて「私は望ましいとは考えていない」と言明。リッチモンド連銀のバーキン総裁も、0.5ポイント利上げに慎重な姿勢を示している。
さらに、ウクライナ情勢ではサリバン大統領補佐官がロシアによるウクライナ侵攻について「オリンピック期間中の可能性もあり得る」と述べ、緊張が高まっている。米露の大使館職員らが退避を命じられた他、イギリス、日本、カナダ、オランダ、ラトヴィア、韓国、ドイツ、オーストラリア、イタリア、イスラエル、オランダなど複数の政府が、自国民に対し、直ちにウクライナを離れるよう勧告している。
米ドル・円(USDJPY)は、116円前半から115円前半に値を落とした。朝方は前日のブラード・セントルイス連銀総裁の金融政策の正常化に向けた積極的なタカ派的な発言を受け、早期の利上げ観測が強まり、この日の高値116.18円で取引された。その後、ミシガン大学消費者態度指数が予想外に下回った上、米金融当局者の利上げへの慎重な姿勢、さらにウクライナでの地政学リスクの高まりからリスク回避のリスクオフの動きから米ドル売りが加速し、この日の安値115.02円まで売られた。その後、少し持ち直し終値は115.42円だった。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.14ドル前半から1.13ドル前半に値を下げた。米ドル・円の動きにつられ、徐々に値を下げ地政学リスクの懸念からリスクオフのユーロ売りが加速し、この日の安値1.1330ドルまで売られ、終値は1.1350ドルとなった。
ユーロ・円(EURJPY)は、132円前半から130円半ばに値を下げた。ロシアのウクライナ侵攻への懸念から急激に安全資産の円買いが強まり、この日の安値130.39円まで値を下げ130.95円で終えた。
NYダウ平均 USD 34,738.06 -503.53 (-1.42%)
NASDAQ総合 USD 13,791.154 -394.487 (-2.78%)
S&P500 USD 4,418.64 -85.44(-1.89%)
2月11日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、連日で前日の終値を下回った。朝方は金融当局者の慎重な姿勢が意識され値を上げていたが、ウクライナでの地政学リスクの高まりからリスク回避の動きが出て大半の銘柄が売られ、終了直前に前日の終値から620ドルほど値を下げて終えた。一方で、原油高が続いている影響からエネルギー関連は買われている。
米国債10年 1.943(-0.09%)
NY原油(WTI) 1バレル=USD 89.66 +0.30(+0.34%)(3月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,842.1 +4.70(+0.26%)(4月渡し)
【日本】3連休初日で薄商い
2月11日の東京外国為替市場は、建国記念の日の祝日となり東京株式市場は休場で薄商いとなった。足元ではアジアの主要株式市場での株安やウクライナ情勢を受けたリスク回避の動きが出ているものの、日米金利差が意識され米ドル買いが優勢な状況が続いている。
米ドル・円は116円前半中心で取引された。祝日で参加者が少なく、狭い値幅で取引され大きな値動きは出ず、17時時点では116.01円だった。
ユーロ・円も値動きが少なく、132円前半で取引された。地政学リスクが意識され値が上がりにくく、ほぼ横ばいで取引され17時時点では132.08円となった。
ユーロ・米ドルは1.13ドル後前半で徐々に値を下げた。アジア圏の株安やウクライナ情勢への懸念から徐々に値を下げたが、市場参加者が少なく下げ幅は限定的で17時時点では1.1385ドルだった。
*建国記念の日の祝日のため株式、債券等は休場