【今週のハイライト】米10年債利回りの上昇とともに全般でドル買いが優勢となった

為替(2024年11月15日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   156.29 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0520  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   164.54   (円)
ポンド円          GBP/JPY   197.82  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2657  (米ドル)

 
米ドル円
11日(月)は、安く寄り付いた日経平均株価がプラス圏を回復したことなどを支えに買いが入った。日経平均株価はやや上値が重たい展開となっているものの、先週末の下落幅を回復する動きが進み、14時台には153.66円まで上値を伸ばした。その後は持ち高の調整売りに押され153.31円まで下押すも、売り一巡後には再び買いが優勢となり17時までに153.66円まで回復した。欧州通貨でのドル高の継続も支えに高値圏で膠着状態が続いた。日経平均先物の堅調な動きも下支えとなった。22時台には153.94円まで上値を伸ばしたが、本日は米国が休場ということもあり、積極的に上値を試す展開とはならなかった。後半にかけては、ダウ平均や日経平均先物の上げ幅が縮小したことも重しとなり、じり安となった。
 
12日(火)は、前日のドル買いの反動や東京仲値でのドル買いもあり、11時過ぎまでに154.05円まで上値を伸ばした。ただ、154円台乗せを達成したことで買いは一服し、その後は米10年債利回りが上昇幅を縮小したこともあり、売りが優勢となった。14時台には153.40円まで下押した。前場に上昇していた日経平均株価が、後場になって一転してマイナスとなった事も相場を下押した。その後は153.88円まで買い戻されたが、上値も重たい状態が続いた。米10年債利回りの上昇継続を眺めながら堅調に推移した。細かく押し目を付けながらも米10年債利回りが4.44%台まで上昇したことで、154.92円まで高値を更新した。ただ節目の155円を前に上値が重たくなり失速した。その後は利益確定目的の売りも入り、引けまでに154.54円まで売り戻された。
 
13日(水)は、東京仲値にかけてドル買いが優勢となり、154.93円まで上値を伸ばした。ただ、節目となる155円がレジスタンスとして意識されると上値は重たくなり失速した。日経平均株価が一時560円超下落したことも相場の重しとなり、154.53円まで下押した。ただ米10年債利回りの上昇などを手掛かりに、ドル買いが優勢となり節目の155円を上抜けた。米消費者物価指数の発表を控え154円台後半で揉み合った。米消費者物価指数が市場予想通りの結果であることが伝わるとドル売りで反応し、23時過ぎには154.33円まで下押した。ただ、市場では日銀の早期利上げ観測が後退しているという思惑も高まり、円売りが加速した。28時過ぎには155.62円まで買い戻しが進んだ。米10年債利回りが一時4.46%台まで上昇したことも相場を下支えした。
 
14日(木)は、時間外の米10年債利回りが4.48%まで上昇したことや、東京仲値にかけたドル買いも支えとなり堅調に推移した。12時前には156.05円まで上値を伸ばした。156円台まで乗せた後も、財務高官などから円安をけん制するような発言が聞かれないこともあり、156.13円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。その後は軟調なまま引けた中国株もリスク回避の動きを意識させ、一時155.69円までドル売り・円買いが進んだが、底値も堅かった。米卸売物価指数が予想を上回ったほか、前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容だったことが伝わると、全般でドル買いが先行した。22時30分過ぎには156.19円まで値を上げた。ただ、156円台では利食いなどが出たため買い一巡後は伸び悩んだ。米10年債利回りが4.38%台まで低下したことも相場の重しとなった。もっとも、パウエルFRB議長の発言を受けて再び強含んだ。
 
ユーロドル
11日(月)は、ドル円とユーロ円の上昇に挟まれる形で、小幅に上昇し1.0727ドルまで買われたものの、13時台には1.0707ドルまで下押すなど、小幅なレンジでの揉み合いとなった。欧州勢参入後はドイツの政局不安への懸念からユーロ売りが先行し、1.0685ドルまで下押した。欧州時間に入り強まったユーロ売りの流れが継続し、24時前には1.0628ドルまで下押し4月22日以来の安値を更新した。売り一巡後は、底堅さを確認後やや買い戻されたが1.0656ドルまでと、買戻しの動きは限定的だった。
 
12日(火)は、前週から下落が続くユーロドルだが、米10年債利回りが上昇する中で、ユーロ売り・ドル買いが継続し、13時前には1.0637ドルまで下押した。その後はややもみ合ったものの、米10年債利回りが再び上昇を始めたことで、ドル買いが優勢となりユーロドルはじり安の展開となり17時までに1.0620ドルまで下押した。米10年債利回りの上昇を背景にともなったドル高の流れが続く中で、ユーロドルは売りが先行し、1.0606ドルまで下値を広げた。その後は買戻しが入ったが、戻りは限定的で、トランプトレードの継続とドイツ政局不安から26時台には1.0594ドルまで下押し、4月16日以来の安値を更新した。その後は下げ渋り、引けまでに1.0623ドルまで買い戻された。
 
13日(水)は、中国人民銀行が人民元取引の基準値を予想よりもドル安・元高に設定したことで、ドル/人民元(CNH)が下落したことでドル売りが優勢となり、1.0629ドルまで上値を伸ばした。ただ積極的に上値を試す展開とはならず、今夜の米CPIの発表を控えて売りが優勢となった。欧州勢参入後は売りが持ち込まれ、17時過ぎには1.0592ドルまで下値を広げた。米10年債利回りの低下を眺めながら買戻しが進み、米消費者物価指数発表後は1.0653ドルまで上昇したが、前日高値の1.0663ドルが目先のレジスタンスとして意識されると、失速した。その後は売りに押され24時過ぎには1.0555ドルまで下押し、日通し安値を更新した。その後は1.0593ドルまで下げ渋るも、米10年債利回りの上昇に伴い上値は重たく、戻りは限定的となった。
 
14日(木)は、トランプ政権誕生に伴い、ドルや米金利の先高観が一段と高まる中で昨日安値の1.0556ドルを下抜け、14時台には1.0533ドルまで下値を広げた。売りが一巡すると1.0554ドルまで下げ渋ったが、依然として上値は重たく1.054ドル台で揉み合った。デギンドスECB副総裁が「インフレ率が目標の2%に達する軌道にあることを最近のデータが示している」「ECBは一段の利下げ方向に進んでいる」と発言したことでユーロ売り・ドル買いが先行した。20時過ぎには1.0495ドルまで下値を下げたが、10月3日安値の1.0448ドルがサポートとして意識されると1.0582ドルまで買い戻された。ただ、パウエルFRB議長の発言を受けると再びユーロ売り・ドル買いが優勢となり1.0511ドルまで下押した。
 
ユーロ円
11日(月)は、ドル円の上昇に連れる形で堅調に推移した。先週の全国人民大会で中国当局は、市場が期待した大規模財政出動がなかったことで中国株は軟調に推移したが、下押し圧力とはならず、14時過ぎには164.64円まで上値を伸ばした。欧州勢参入後は、ドイツ政局不安もありユーロ売りが先行したため164.14円まで下押したが、下げ渋った。
 
12日(火)は、ドル円の動きに連れてユーロ買い・円売りが先行し11時前には164.02円まで上値を伸ばした。ただその後は、ドル円の下押しやユーロドルの戻りの鈍さを嫌気して、ユーロ売りが優勢となり、14時台には163.22円まで下押した。その後は下げ渋ったものの戻りの勢いも弱く、163.50円前後でもみ合った。
 
13日(水)は、東京仲値にかけてはドル円の動きに連れて、前日高値を上抜け164.50円まで買われた。その後は日経平均株価が軟調に推移したが、下値も限定的で底堅い動きでもみ合った。ドル円が155円台を上抜け強含んだ事で、ユーロ円にも買いが入り164.62円まで上値を伸ばしたが、ユーロドルの下落などを背景に164.29円まで下押した。
 
14日(木)は、ドル円の上昇に連れる形で164.61円まで上値を伸ばした。対ドルで円とユーロがともに売られていることから方向感を迷う相場となったが、ややユーロ買い・円売りが優勢となり、12時前には164.66円まで上値を伸ばした。その後は上値が重たくなり164.50円前後でもみ合ったが、中国・香港株も重しとなり、164.27円まで下押した。
 
 
11月11日 9時00分 ~11月15日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  152.86~156.41(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0495~1.0727(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  163.22~164.97(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2629~1.2925(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  196.64~198.45(円)
 
株式
11日(月)は、NYダウ平均やS&P500で史上最高値を更新した。トランプ次期政権が打ち出す減税や規制緩和が米景気を押し上げるとの期待が引き続き相場を支えた。ハイテク株比率が高いナスダックでも小幅ながら続伸し史上最高値で取引を終えた。
 
12日(火)は、トランプ次期政権への減税や規制緩和への期待から、連日で史上最高値を更新した後だけに、利益確定目的の売りが優勢となった。短期的な過熱感から主力株の一角に持ち高調整目的の売りがでた。ハイテク株比率が高いナスダックは前日までに5日続伸し、史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りが出た。
 
13日(水)は、米消費者物価指数が市場予想通りの結果になると、米インフレ再加速への警戒感が根強かっただけに、買い安心感が広がった。一方で、ハイテク株比率が高いナスダックは続落した。米10年債利回りが上昇したことで高PERのハイテク株には売りが出やすかった。従業員の約4パーセントを削減するとしたアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は値下がりした。
 
14日(木)は、パウエルFRB議長の講演を受けて、FRBによる利下げペースが想定よりも緩やかになるとの見方が強まると、売りが優勢となった。NYダウ平均は週の初めに史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。ハイテク株比率が高いナスダックでは、上昇が続いていたテスラが5%超下落した。
 

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