独長期金利の低下で欧州通貨売りが優勢となったが、NY時間以降は買戻しが優勢となった

【米国】ウクライナを巡る地政学リスクの高まりで円買いが進行したが、後半は買戻しが優勢

為替(2024年11月20日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   154.68 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0593  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   163.86   (円)
ポンド円          GBP/JPY   196.09  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2677  (米ドル)

11月19日のニューヨーク外国為替市場は、ロシアのプーチン大統領が核ドクトリンの改定を承認したことで、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが高まりリスク回避の円買いが進んだ。ただ、ラブロフ外相は「ロシアの核ドクトリンは米国のものと変わらない」「核戦争を起こさせないことがロシアの立場だ」と発言した。またIAEAは「イランが核兵器に近いウランの生産停止に合意した」と明らかにしたことも安心材料となり、リスクオフの円買いからドル買いが徐々に優勢となっていった。

米ドル円は、ウクライナ情勢の緊迫化に伴い一時4.34%台まで低下していた米10年債利回りが4.37%台まで低下幅を縮小させたことで、154.20円まで買い戻された。ただ、ロシアのプーチン大統領が各ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和したと伝わるとリスク回避の円買いが進み153.40円まで値を下げた。ただ欧州時間に付けた153.27円の安値が目先のサポートとして意識されると154.79円まで買い戻された。

ユーロドルは、欧州時間序盤では売りが優勢となっていたものの独長期金利の低下幅縮小に伴い買戻しが優勢となり、一時1.0600ドルまで上値を伸ばした。もっとも東京時間高値が目先のレジスタンスとして意識されたことや米10年債利回りの回復もあり、上値は重たく伸び悩んだ。その後は小幅なレンジでのもみ合いに終始した。

株式
NYダウ平均       USD   43,264.15          -134.40(-0.30%)
NASDAQ総合    USD   18,983.43         +191.00(+1.01%)
S&P500             USD     5,916.17           +21.77(+0.36%)

株式市場では、ウクライナとロシアの地政学的リスクの高まりを背景に売りが先行すると、NYダウ平均は一時450ドル超下落した。ただ、ラブロフ外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したことから、リスク回避の動きは続かずに下げ渋った。またIAEAは「イランが核兵器に近いウランの生産停止に合意した」と明らかにしたことも安心材料となった。

債券・商品先物
米国債10年                                  4.388%     (-0.028)
NY原油(WTI)     USD/バレル   69.51         (+0.33%)
NY金(COMEX)  USD/オンス   2,637.4      (+0.87%)
 

【日本】全般で手掛かり材料に欠ける中で、方向感の乏しい相場となった

為替(17時)
11月19日の東京外国為替市場は、米10年債利回りの上昇が一服したことで、調整のドル売りが先行した。また加藤財務相が「急激な為替変動には適切に対応していく」と述べたことも相場の重しとなった。後場に入ると日経平均株価が上昇したことでクロス円は買われたが、手掛かり材料に欠ける中で積極的に上値を伸ばしていくような展開とはならなかった。

米ドル円は、トランプ・トレードによる米10年債利回りの上昇が一服したことや、日銀が12月会合で追加利上げに踏み切る可能性が残されている中で、上値が重たい展開が続いた。加藤財務相の発言が伝わるとドル売り円買いが進み、12時過ぎには153.94円まで下押した。後場に入ると日経平均株価が一時300円近く上昇したことも支えに円売りが進み154.65円まで上値を伸ばした。

ユーロドルは、小幅なレンジでの推移で始まったが、12時過ぎには1.0600ドルをわずかに上抜けたが、節目がレジスタンスとして意識され上値が抑えられた。その後は1.0582ドルまで下押した。その後は1.0596ドルまで買い戻されたが、独10年債利回りが窓を開けて低下して始まった事でユーロが売られ1.0574ドルまで下押したが、更なる下げとなる材料はなく下げ渋った。

ユーロ円は、前日に高値圏で引けたクロス円は利益確定目的の売りも入り、円買いが先行した。12時過ぎには163.09円まで下押したが、節目の163円がサポートとして意識されると下げ渋った。日経平均株価の上昇を支えに163.69円まで上値を伸ばしたが、独10年債利回りの低下で、ユーロドルが下げていることが相場の重しとなり、伸び悩んだ。

債券
日本国債10年 1.069 1.078%     (-0.009)
 

【市場主要イベント】
20日 英 消費者物価指数
21日 南阿 中央銀行政策金利発表
        米 新規失業保険申請件数
22日 日 消費者物価指数
        独 国内総生産
        米 PMI
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