FRB高官から、来年の利上げペース鈍化を示唆するような発言が出たことで引けにかけてはややドル買いが優勢となった

【米国】米経済指標の弱い結果を受けて、全般でドル売りが先行した

為替(2024年12月21日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   156.34(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0427  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   163.05   (円)
ポンド円          GBP/JPY   196.59  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2573  (米ドル)

 
12月20日のニューヨーク外国為替市場は、FRBが政策金利を決定するうえで重要視しているPCEデフレーターコア指数(予想:2.9%、結果:2.8%)が予想を下回ったことで、米10年債利回りの低下とともに全般でドル売りが優勢となった。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁から「FOMCでの利下げはきわどい判断だった」「来年の利下げは2回以下となるかの王政もある」など来年以降の利下げが非常に不確実性が高い状態であることを述べた。
 
米ドル円は、FRBが金融政策を判断するうえで重要視している個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)のコア指数において予想を下回り、米10年債利回りが低下したことで、全般でドル売りが優勢となった。なおFRB高官からは今後の利下げに対して慎重な意見が聞かれ「来年の利下げは2回以下となることもあり得る」といった発言が聞かれたことも相場の重しとなった。
 
ユーロドルは、米物価指数の下振れを受けて、米10年債利回りが4.48%台まで低下すると、全般でドル売りが優勢となった。前日の大幅な下落からの買戻しも支えとなり、29時前には1.0447ドルまで上値を伸ばした。
 
株式
NYダウ平均       USD   42,854.14              +517.81(+1.22%)
NASDAQ総合    USD   19,579.63                +210.05(+1.08%)
S&P500             USD     5,932.79                +66.72(+1.13%)

株式市場は、米PCEデフレーターが予想を下回る結果となると、米利下げペースが鈍化するとの過度な懸念が後退し、主力株を中心に買いが集まった。NYダウ平均は一時870ドル超上昇する場面もあった。ハイテク株比率が高いナスダックは4営業日ぶりに反発した。
 
債券・商品先物
米国債10年                              4.530%     (-0.036)
NY原油(WTI)     USD/バレル   69.43        (+0.56%)
NY金(COMEX)  USD/オンス   2,643.0     (+1.18%)
 

【日本】日本当局高官による円安けん制発言を受けて、やや円買いが優勢な相場となった

 
為替(17時)
12月20日の東京外国為替市場は、前日の金融政策決定会合を受けて日銀の早期利上げ観測が後退したことで、全般で円売りが進行した。日経平均株価が上昇して始まったものの後場には売りが優勢となり、安値で相場が引けた。また加藤財務相や三村財務官の円安をけん制する発言があったことも相場の重しとなった。
 
米ドル円は、前日の金融政策決定会合を受けて、日銀の早期利上げ期待が後退したことで東京オープン直後に買いが先行し、157.92円まで上値を伸ばした。ただ、節目の158円を前に買いが一服すると利益確定目的の売りも出て失速した。加藤財務相や三村財務官から円安をけん制する発言が出たことも相場の重しとなった。対欧州通貨でドル売りが優勢となっていることもあり、欧州勢参入後には156.75円まで下押した。
 
ユーロドルは、ユーロドルは方向感に乏しい展開となり、わずか13pips程度のレンジで細かく上下した。ただ15時過ぎにトランプ米次期大統領から「EUに対し米国の貿易赤字を補うために石油とガスを購入するように求めた」との発言が伝わると、一時1.0342ドルまで下値を広げた。ただ売りが一巡し欧州勢が参入すると、買戻しが入り1.0385ドルまで上値を伸ばした。
 
ユーロ円は、ドル円と同様の展開となり、オープン直後に163.65円まで上値を伸ばしたが、加藤財務相や三村財務官からの発言を受けて、上値が重たい展開が続いた。15時過ぎのトランプ次期大統領の発言を受けてユーロドルが下落すると、それにつられる形でユーロ円も162.32円まで下押した。ただ欧州勢参入後にはユーロの買戻しが優勢となり162.96円まで上値を伸ばした。
 
債券
日本国債10年   1.058%     (+0.003)
 

【市場主要イベント】
23日 英 7-9月期GDP
   加 10月月次GDP
   米 11月新築住宅販売件数
24日 日 日銀・金融政策決定会合議事要旨


今週の経済指標
日付 時間 国名 経済指標 重要度 予想 前回
12/23 14:00 シンガポール 11月消費者物価指数(CPI)(前年比) ★★ 1.8% 1.4%
  16:00 ドイツ 11月輸入物価指数(前月比) 0.6% 0.6%
  16:00 ドイツ 11月輸入物価指数(前年同月比) 0.3% -0.8%
  16:00 イギリス 7-9月期四半期経常収支 -230億 -284億
  16:00 イギリス 7-9月期四半期国内総生産(改定値)(前期比) ★★★ 0.1% 0.1%
  16:00 イギリス 7-9月期四半期国内総生産(改定値)(前年同期比) ★★★ 1.0% 1.0%
  21:00 メキシコ 11月貿易収支 4.32億 3.71億
  22:30 アメリカ 11月耐久財受注(前月比) ★★ -0.3% 0.2%
  22:30 アメリカ 11月耐久財受注・輸送用機器除く(前月比) ★★ 0.3% 0.1%
  22:30 カナダ 10月月次国内総生産(前月比) ★★★ 0.2% 0.1%
  22:30 カナダ 10月月次国内総生産(前年同月比) ★★★ 1.6% 1.6%
  22:30 カナダ 11月鉱工業製品価格(前月比) 0.3% 1.2%
  22:30 カナダ 11月原料価格指数(前月比) 0.5% 3.8%
  24:00 アメリカ 12月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) ★★ 113.0 111.7
  24:00 アメリカ 11月新築住宅販売件数(年率換算件数) ★★★ 66.5万件 61.0万件
  24:00 アメリカ 11月新築住宅販売件数(前月比) ★★★ 9.0% -17.3%
12/24 8:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨 ★★★    
  9:30 オーストラリア 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表 ★★    
  24:00 アメリカ 12月リッチモンド連銀製造業指数 ★★    
12/25 8:50 日本 11月企業向けサービス価格指数(前年同月比) 3.0% 2.9%
  14:00 日本 10月景気一致指数(CI)・改定値            116.5
  14:00 日本 10月景気先行指数(CI)・改定値   108.6
12/26 8:50 日本 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)   7,061億
  8:50 日本 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)   -5,876億
  14:00 日本 11月新設住宅着工戸数(前年同月比)
 
-0.3% -2.9%
  20:00 トルコ トルコ中銀、政策金利 ★★ 48.50% 50.00%
  22:30 アメリカ 前週分新規失業保険申請件数 ★★   22.0万件
  22:30 アメリカ 前週分失業保険継続受給者数 ★★   187.4万人
12/27 8:30 日本 11月失業率 ★★ 2.5% 2.5%
  8:30 日本 11月有効求人倍率 ★★ 1.25 1.25
  8:30 日本 12月東京都区部消費者物価指数(生鮮食料品除く)(前年同月比) ★★ 2.5% 2.2%
  8:50 日本 11月鉱工業生産・速報値(前月比) ★★ -3.5% 2.8%
  8:50 日本 11月鉱工業生産・速報値(前年同月比) ★★ -3.1% 1.4%
  8:50 日本 11月小売業販売額(前年同月比)          1.5% 1.6%
  8:50 日本 11月百貨店・スーパー販売額(既存店)(前年同月比)   -0.5%
  22:30 アメリカ 11月卸売在庫(前月比)   0.2%
 
 
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