米トランプ大統領の、パウエルFRB議長の解任発言を受けてドル売りが優勢となった

【米国】ドル売りが先行したが米10年債利回りの上昇もあり、引けにかけては買い戻された

為替(2025年4月18日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   142.45(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1361 (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   161.84   (円)
ポンド円          GBP/JPY   188.96  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3267  (米ドル)

 
4月17日のニューヨーク外国為替市場は、トランプ大統領がSNSにて「パウエルFRB議長を一刻も早く解任すべきだ」と投稿したことを受けてドル売りが先行した。なお、ケビン・ウォーシュ元FRB理事やベッセント米財務長官は解任に反対している。またECBは政策金利を市場予想通りの0.25%引き下げを決定した。ラガルドECB総裁は「市場の先行きは不透明感を増している」などと見解を示した。この日は主要市場がイースター休暇前の祝日で休場となるなど、市場参加者が少なく米債券市場も短縮取引となったことから、引けにかけては小幅な揉み合いとなった。
 
米ドル円は、トランプ大統領のSNSでの発言をきっかけにドル売りが先行した。また米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が市場予想を大幅に下回ったことも相場の重しとなりドル売りを促し141.90円まで下押した。売り一巡後には142.72円まで買戻しが入ったが、「トランプ大統領はパウエルFRB議長の解任について非公式に協議した」との報道で再び上値は重たくなった。
 
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、市場予想通りに政策金利を0.25%引き下げることを決定した。声明では「インフレ抑制のプロセスは軌道に乗っている」との認識を示した。またラガルドECB総裁は理事会後の会見で「経済成長は下方向へのリスクが増している」「通商の争いが物価見通しの不透明性を増している」などと話した。ただ海外の主要市場はイースター休暇入りするほか、米債券市場も短縮取引となったこともあり、相場に大きな方向感は出ずレンジ内でのもみ合いとなった。
 
株式
NYダウ平均       USD   39,142.22                      -527.16(-1.32%)
NASDAQ総合    USD   16,289.27                      -17.89(-0.10%)
S&P500             USD     5,282.69                       +6.98(+0.13%)

株式市場は、予想を下回る四半期決算を発表したユナイテッドヘルス・グループが22%超下落し、1銘柄でNYダウ平均を600ドル超押し下げた。米関税政策や米中貿易摩擦への不透明感が根強い中、3連休を前にポジション調整目的の売りも出やすかった。ハイテク株比率が高いナスダックも3日続落した。
 
債券・商品先物
米国債10年                             4.333%     (+0.052)
NY原油(WTI)     USD/バレル   63.49        (+2.85%)
NY金(COMEX)  USD/オンス   3,341.3     (-0.48%)
 

【日本】日米貿易交渉を終えた赤沢経済再生担当相の発言を受けて、円売りが優勢となった

 
為替(17時)
4月17日の東京外国為替市場は、円高・ドル安への誘導を求められると思われていた日米貿易交渉にて、赤沢経済再生担当相から「為替についての議論はなかった」との発言で、円売り・ドル買いが強まった。その後「為替は加藤財務相と米財務長官で協議と米国側は理解」と述べると、一時的に円買いが強まる場面もあったが限定的だった。欧州勢参入後には独10年債利回りが2.52%台まで上昇していることや米株指数先物が上昇していることも背景にユーロ買いやドル買いが優勢となった。
 
米ドル円は、円高・ドル安誘導を求められると警戒感があった日米貿易交渉において赤沢経済再生担当相から「為替については議論が出なかった」などの発言が伝わると、円売り・ドル買いが優勢となり急騰し142.86円まで上値を伸ばした。買い一巡後は142.38円まで下押す場面もあったが、底堅く推移した。時間外の米10年債利回りが上昇したことやNYダウ先物も上昇したことで再びドル買いが優勢となり142.91円まで上値を伸ばした。
 
ユーロドルは、ドル円で急激にドル買いが進行したことを受けて、ユーロ・ドルでもドル買いが優勢となり10時台には1.1354ドルまで下押した。その後は急な下落に対するショートカバーが入り1.1381ドルまで買い戻されるも戻りは限定的で、米10年債利回りが上昇していることも背景に15時過ぎには1.1342ドルまで下押した。ただ独10年債利回りも2.52%台まで上昇したことで、17時過ぎには1.1381ドル台まで買い戻された。
 
ユーロ円は、日米貿易交渉での赤沢経済再生担当相の発言をきっかけとしたドル円での円売りを背景に162.25円まで上昇した。ただ、ユーロドルが下落していることもあり、積極的に上値を試すような展開とはならず、14時台には161.89円まで下押した。その後は米株指数先物が上げ幅を広げていることもあり午前中高値を上抜けて162.56円まで上値を伸ばした。
 
債券
日本国債10年   1.309%     (+0.027)
 

【市場主要イベント】
18日 日   全国消費者物価指数
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