日本の賃上げ率の高まりを受けて、一時円買いが優勢となった

【米国】米10年債利回りの上昇を受けて、米ドル買いが進行した。

為替（2024年3月16日  6時00分）
米ドル円         USD/JPY   149.03  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0887  (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   162.22 (円)
ポンド円         GBP/JPY   189.77  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2733  (米ドル)

 
3月15日のニューヨーク外国為替市場は、米10年債利回りの上昇を受けてドル買いが進行した。複数メディアで「日銀は18日からの金融政策決定会合でマイナス金利解除をする見通し」と報じたことで一時的に円買いに傾くも、「マイナス金利解除後も緩和的金融環境は続く」との思惑から円買いは限定的で円売りが出やすかった。
 
米ドル円は、米10年債利回りが4.32％まで上昇したことを受けて149.16円まで上昇した。その後は米10年債利回りの上昇も落着き上げ幅を縮小するとドル買いも一服し、149円前半でもみ合いが続いた。
 
ユーロドルは、欧州時間に日通し高値となる1.0899ドルを付けるもニューヨーク時間になると米10年債倫割の上昇を受けて、ユーロ売りドル買いが進行した。FRBの利下げ時期が後退するとの観測の高まりも上値の抑える要因となった。一時1.0881ドルまで安値を押し下げ、1.0887ドルで引けた。
 
株式
NYダウ平均       USD   38720.09    -191.57(-0.49%)
NASDAQ総合    USD   15.973.17   -161.61(-1.00％)
S&P500             USD    5,117.10      -34.32(-0.66%)

株式市場では、米10年債利回りの上昇を受けて株式の相対的な割高感が意識され売りが先行する展開となった。NYダウ平均は一時280ドル超下落する場面もあった。前日下げが目立った、テスラやアドバンス・マイクロ・デバイス（AMD）株は買いが入り値を上げた。
 
債券・商品先物
米国債10年                     　　       4.310     (+0.014)
NY原油（WTI）     USD/バレル   80.49     (+0.04%)
NY金（COMEX）  USD/オンス   2,159.4  (-0.32%)
 

【日本】日本の賃上げ率の高さを見て、日銀のマイナス金利解除への期待から円高が進行

為替（17時）

3月15日の東京外国為替市場は、春闘の集中回答で各社の賃上げ率の高さが分かると、日銀のマイナス金利解除への期待感が高まり円買いが進行した。もっとも日本企業の賃上げ率の高さはある程度市場は織り込み済みで、円買いの勢いは限定的だった。


米ドル円は、本邦企業の高い賃上げ率を確認し日銀のマイナス金利解除への確度は高まっているという思惑から、円買いが進み一時148.03円まで安値を押し下げた。しかし賃金動向はある程度市場に織り込み済みということもあり、148円を前に反発上昇し、148.60円まで上値を伸ばし引けた。
 
ユーロドルは、底堅く1.0873ドルを何度か試しにいくも抜けきれず、日本の賃上げ率を見てドル円が下落するのに合わせて、ドル売りが進行し1.0884ドルまで上値を伸ばした。もっとも日本の賃上げ率はある程度市場に織り込み済みで、ドル円の買戻しが入るとユーロドルも伸び悩み、1.0880ドルで引けた。
 
ユーロ円は、日銀のマイナス金利解除への期待感から円買いが進行し161.06円まで安値を押し下げるも、その後はショートカバーが入り午前中高値を上抜け161.68円まで上値を伸ばし引けた。

債券
10年長期金利  0.772％ (+0.002)
 
【市場主要イベント】
19日　日　BOJ政策金利発表
　　　豪　RBA政策金利発表
　　　日　植田日銀総裁の記者会見
　　　米　住宅着工件数
　　　米　建設許可件数
20日　米　FOMC政策金利発表　
　　　米　パウエルFRB議長の記者会見
21日　新　第4四半期GDP
　　　豪　失業率・新規雇用者数
　　　仏　製造業・サービス業PMI
　　　独　製造業・サービス業PMI
　　　ユーロ　製造業・サービス業PMI
　　　英　製造業・サービス業PMI
　　　英　BOE政策金利発表
　　　米　製造業・サービス業PMI
22日　日　全国消費者物価指数
　　　英　小売売上高
　　　加　小売売上高

今週の経済指標