【今週のハイライト】全般で円売りが加速して、歴史的な円安水準を記録した

為替(2024年6月21日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   160.74  (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0703  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   172.05   (円)
ポンド円          GBP/JPY   203.13  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2639  (米ドル)

米ドル円
24日(月)は、米ドル円は、160円が重たく東京オープンから売りに押された。159.61円まで下押すも底値も堅く下げ渋り、159.7円台で揉み合った。後場で日経平均株価が300円超高まで上げ幅を拡大したことも相場を下支えした。東京市場では一時159.92円と4月29日以来の高値を付けたものの、欧州勢がドル売りで参入すると159円台半ばに観測されていたストップロスを巻き込みながら、一時158.82円まで急落した。ただ、21日の安値158.67円が目先のサポートとして意識されると買い戻しが進み159円台を回復した。
25日(火)は、159.70円を頭に伸び悩み仲値公示に向けてドル売り・円買いが散見し159.18円まで下押した。ただ下値も堅く159.50円まで買い戻された。その後は159.30円から159.50円の小幅な範囲で揉み合いとなった。引け前に鈴木財務相が円安懸念発言が伝わると、159.37円まで下押したがレンジからは抜け出せなかった。ボウマンFRB理事の講演での発言を受けて全般でドル買いが優勢となった。4.20%台まで低下していた米10年債利回りも4.25%台まで上昇したこともドル買いを後押しした。アジア時間の高値159.71円を上抜けると、24時過ぎには159.76円の日通し高値を付けた。ただ前日の高値159.92円が目先のレジスタンスとして意識されると、伸び悩んだ。
26日(水)は、底堅く推移し10時台には159.90円まで上値を伸ばし、前日の高値を更新した。ただ、日本当局による為替介入への警戒感もあり伸び悩んだ。その後は新発10年物国債利回りが1.010%台まで上昇したことを受け159.74円まで弱含んだ。もっとも押し目では買いたい向きが多く、16時台には午前中の高値をわずかに上抜け159.93円の日通し高値をつけた。円の先安観を背景に全般で円売りが進行すると、レジスタンスとして意識されていた4月29日の高値160.17円や1990年4月17日の高値160.20円を上抜けた。神田財務官の「為替の足元の動きは急激で、高い警戒感をもって市場の動向を注視する」と述べ円安をけん制すると160.01円まで下げたものの、下押しは限定的だった。その後はドル買い・円売りが継続し、引け前には160.86円まで上値を伸ばした。
27日(木)は、新発10年物国債利回りが1.065%まで上昇したことや日本当局によるドル売り・円買い介入への警戒感から、一時160.30円まで下値を広げた。しかし、米10年債利回りが4.33%台で高どまっていることや、円買い介入も実施されないことから下値は限定的で、160円台半ばに戻した。米10年債利回りの低下に伴う円買い・ドル売りが先行すると22時前には一時160.29円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。円の先安観を背景に全般で円売りが出やすい地合いだった。引け前には160.82円まで上昇し、前日に付けた1986年12月以来の約37年ぶりの高値160.87円に迫った。

ユーロドル
24日(月)は、1.0684ドルまで下押すも前週末の安値1.0671ドルが目先のサポートとして意識されると下げ渋った。ただ方向感はなくもみ合いが続いた。欧州勢が参入してくると買いが優勢となり、1.0711ドルまで上値を広げた。欧州勢がドル売りで参入すると、堅調に推移した。ニューヨーク市場でもドル売りの流れが継続し、23時台には1.0746ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けた。欧州株式相場の上昇を背景にリスク・オンのドル売りも出た。その後の下押しも1.0722ドル程度にとどまった。
25日(火)は、小じっかりと推移した。週末のフランス総選挙に向けた警戒感は残るものの、ポジション調整とみられる買戻しで1.0744ドルまでじり高となった。ただ、独・仏株式市場が反落して始まったことや、ユーロドルが昨日高値を超えることに失敗したことで、1.0721ドルまで小幅に弱含んだ。FRBが利下げに慎重な姿勢であるとの見方が強まると、米10年債利回りの上昇に伴うドル買いが先行した。23時過ぎには1.0691ドルの日通し安値を更新した。ただ、前日の安値1.0684ドルが目先のサポートとして意識されると下げ渋った。米10年債利回りが再び低下に転じた場面では、1.0718ドル付近まで下値を切り上げた。
26日(水)は、午前中に1.0717ドルの日通し高値をつけるも、上値は重たく、小幅に安値を押し下げた。週末のフランス総選挙への警戒感もあり、欧州勢参入後は緩やかながらも安値を切り下げ、1.0685ドルの日通し安値をつけた。FRBが利下げに慎重な姿勢であるとの見方が強まる中で、米10年債利回りの上昇に伴うドル買いが先行した。22時台には、1.0666ドルと5月1日以来の安値を付けた。ただ同日の安値1.0650ドルが目先のサポートとして意識されると下げ渋り、ユーロ円の上昇につれて買いも入りやすくなり、1.0696ドル付近まで下値を切り上げた。
27日(木)は、歴史的な高値圏でドル円の調整が先行する中で、じり高で推移した。欧州勢参入後は米長期金利がやや低下した。その一方で独長期金利が上昇して始まると1.0699ドルまで上値を伸ばした。しかし、節目となる1.07ドルを超えていく勢いはなく、狭いレンジ内での揉み合いから抜け出せずにいる。米10年債利回りの低下をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行した。22時台には一時1.0726ドルまで上値を伸ばし、日通し高値を付けた。ただ、FRBがインフレ指標として重要視する5月個人消費支出の発表を28日に控え、買いの勢いは長続きしなかった。フランス下院選の初回投票日が近づく中で、欧州政治情勢を巡る不透明感も意識されて、1.07ドル付近まで下押す場面もあった。

ユーロ円
24日(月)は、午前中に170.60円まで安値を押し下げるも底堅く、徐々に安値を切り上げていき堅調に推移した。欧州参入後にはユーロが全般で堅調な動きを見せると、過去最高値をつけた4月29日以来となる171円台に乗せた。17時前には、171.29円までじり高となった。その後はドル円の下落につられた売りが出て一時170.26円まで下押したものの、すぐに持ち直した。欧州株相場の上昇を背景に、リスク・オンの円売りが出ると171.45円まで上値を伸ばしたが、4月29日の高値171.56円がレジスタンスとして意識されると上値が重たくなった。
25日(火)は、午前中から上値が重たく、171.15円前後でのもみ合いが続いた。軟調な欧州株の動きがユーロ円の上値を抑える中で、鈴木財務相の発言が伝わると、170.94円まで売られ、日通し安値の170.89円に接近する場面もあった。その後も徐々に上値・安値を切り下げ23時台には170.71円と日通し安値をつけたものの、その後は171.00円を挟んでもみ合いに転じた。ドル円の上昇に連れて買いが入った半面で、ユーロドルの下落に連れた売りが出た。
26日(水)は、午前中に171.34円まで上値を伸ばすも円売りのペースが速い事から、反動の下落もあった。その後もユーロドルの下落につられるかたちで、170.85円まで下押すも底値は堅く、171.02円まで下げ渋った。ドル円とユーロドルに挟まれる形で方向感は出なかった。ニューヨーク時間には全般で円売りが優勢となると、レジスタンスとして意識されていた171.56円を上抜けると、上昇が加速した。取引終了間際には、171.80円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。
27日(木)は、欧州金利が上昇していることやドル円が底堅さを維持していることで、ユーロ円も底堅く推移し、16時台には171.72円まで上昇した。もっともユーロ円も歴史的な高水準で推移していることから、上値への警戒感は高く市場の迷いも見られ、明確な方向感は出にくい状態が続いている。円の先安観を背景に円売り地合いは強く、23時前には一時172.17円の高値を更新した。

6月24日 9時00分 ~6月28日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円 USD/JPY 158.74~160.87(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0666~1.0746(ドル)
ユーロ円 EUR/JPY 170.23~172.16(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2612~1.2702(ドル)
ポンド円 GBP/JPY 201.09~203.37(円)

株式
24日(月)は、米経済指標の発表など手掛かり材料にかける中で、相対的に出遅れ感のあった銘柄に買いが入ると、NYダウ平均は一時420ドル超の値を上げとなった。市場では「四半期末を前にこれまで売り込まれた銘柄などを中心に買い戻しが入った」との声が聞かれた。ただエヌビディアが6%超下落するなど、主力ハイテク株の一部に売りが出ると伸び悩んだ。
25日(火)は、FRB高官による利下げに対する慎重な姿勢が伝わると、利確売りが優勢となった。ホーム・デポやユナイテッドヘルス、ゴールドマンサックスなどに売りが出て、NYダウ平均は一時410ドル超下げる場面があった。一方でハイテク株比率の高いナスダックでは、前日に6%超下落したエヌビディアが、6%超上昇したことで相場を押し上げた。
26日(水)は、FRBが利下げに慎重な姿勢であるという見方が広がる中で売りが先行したものの、一巡後は買い戻しが優勢となった。アマゾン・ドット・コムやアップルなどハイテク株が買われ相場を下支えした。
27日(木)は、米10年債利回りが低下し、株式の相対的な割高感が薄れた事が相場の支援材料となった。その半面で、FRBが利下げを慎重に判断するとの見方は根強く、下げに転じる場面もあった。28日発表の米5月個人消費支出の結果を見極めたいとの雰囲気が強い中で、相場の方向感は出にくかった。

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