【今週のハイライト】日銀が金融政策決定会合にて利上げを決定すると、全般で円買いが優勢となった

為替(2024年8月2日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   149.34 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0791  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   161.15   (円)
ポンド円          GBP/JPY   190.22  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2737  (米ドル)

米ドル円
29日(月)は、東京オープンとともに154.35円まで上値を伸ばしたものの押し戻され、11時台には前週金曜日の安値を割り込み153.01円まで下値を広げた。ただ節目の153円がサポートとして意識されると、153.69円まで買い戻された。ただ日銀の金融政策決定会合での利上げへの懸念から上値は重たい状態が続いた。米10年債利回りの低下幅縮小を手掛かりに、ドル買いが優勢となった。23時前には154.20円まで上値を伸ばしたが、東京時間の高値154.35円を上抜けることはできなかった。その後は31日に控えている日銀金融政策発表や米FOMCを前に積極的な売買は控えられ揉み合いが続いた。

30日(火)は、時間外の米10年債利回りが4.18%台まで上昇するのを眺め、154.24円まで上値を伸ばした。その後はややもみ合ったが、後場の日経平均がプラス圏に浮上したことを受けて、155.21円まで上値を伸ばし26日の高値154.74円を上抜けた。ただ買いが一巡すると154.72円まで押し戻された。東京時間に日経平均株価の上昇を受けて155.21円の高値を付けたが、NHKや日経新聞の報道を受けて日銀の金融政策正常化への思惑が高まり全面円高進行が加速した。26時台に152.97円まで下押したが153円のサポートラインが意識されると買い戻しが入った。もっとも買戻しは153.44円までとなり、引けまでには152.64円まで下値を広げた。

31日(水)は、日銀金融政策決定会合を控えて荒い値動きで一時153.34円まで上値を伸ばした。その後日銀が0.25%まで利上げを発表すると、一時151.64円まで円が急落した。しかし声明文が「長期金利が急激に上昇する場合には機動的に国債買い入れ増額などを実施する」といった事で、153.88円まで急騰した。植田日銀総裁の記者会見では、タカ派寄りの発言が確認されると、再び円買いが再燃し150.60円まで下げ幅を拡大した。植田日銀総裁の記者会見を受けて金融政策の正常化がさらに進むとの観測が高まると全般で円買いが先行した。7月ADP雇用統計や第1四半期米雇用コスト指数が予想よりも弱い内容だったことがわかると、ドル売りも優勢となった。FOMCでは米政策金利を5.25%ー5.50%に据え置くことを決定したが、パウエルFRB議長の発言で9月利下げを示唆する発言があると、ドル売りが優勢となり149.60円まで値を下げ3月19日以来の安値を付けた。

1日(木)は、前日の円買いの流れを引き継ぎ148.50円まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時1,300円超となった事も重しとなった。ただ、売りが一服すると米10年債利回りの上昇を支えに150.33円まで買い戻された。しかし買いは続かず149円台後半に押し戻されるなど上値が重たい状態が続いた。7月米ISM製造業景況指数(予想:48.8、結果:46.8)や米建設支出(予想:0.2%、結果:-0.3%)が低調な結果であることが伝わると、全般でドル売りが優勢となった。ただ、欧州株や米国株が軟調に推移したことを受けて、リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出やすくなった。引けにかけては、2日に控えた米雇用統計を前に揉み合い相場が続いた。

ユーロドル
29日(月)は、東京オープンからじり高に推移し11時台には1.0869ドルまで上値を伸ばしたが、上値の重たい状態が続き徐々に上値を切り下げていった。ロンドン時間になると全般でドル買いが優勢となり、その流れに沿って1.0843ドルまで下値を広げた。またBOEの金融政策発表で利下げが予想されている事もユーロ売りを後押しした。独長期金利の低下を手掛かりにユーロ売り。ドル買いが先行した。米10年債利回りが一時4.15%まで低下したが、4.18%まで低下幅を縮めると買い戻しが優勢となり、1.0802ドルの日通し安値を付けた。しかしその後はショートカバーが入り、1.0825ドルまで買い戻しが入った。

30日(火)は、時間外の米10年債利回りの上昇が重しとなり、1.0814ドルまで小幅に値を下げた。ただ円主体の動きとなる中で、ユーロ円の上昇をみて1.0826まで上値を伸ばした。ただ、レンジ幅は15pips程度と動意は薄く小幅な値動きに終始した。6月米雇用動態調査求人件数(予想800.0万件:、結果:818.4万件)や7月米消費者信頼感指数(予想:99.7、結果:100.3)が予想を上回ると、米10年債利回りが上昇に転じ一転下落した。24時前には一時1.0798ドルと4日以来の安値を付けた。ただ売り一巡後は下げ渋る展開となった。一部報道で中東情勢の悪化が報じられると、米10年債利回りが4.12%台まで低下し、ユーロ買い・ドル売りがやや強まり1.0817ドルまで買い戻された。

31日(水)は、円主体の動きとなる中で、じり高に推移し正午過ぎには1.0830ドルまで上値を伸ばした。ただ上値は限定的で、夜に米FOMCなど重用イベントが控えていることもあり、1.08ドル前後での動意が薄いレンジ内での値動きとなった。ユーロ圏消費者物価指数速報値(予想:2.8%、結果:2.9%)が予想を上回った事が分かるとユーロ買い・ドル売りが先行した。米経済指標が予想を下回ったことが伝わるとドル売りが強まり、22時台には1.0849ドルの日通し高値を付けた。ただFOMCの発表を控えていることもあり持ち高調整目的の売りが入りユーロ売り・ドル買いが進行。FOMC直後には1.0801ドルと日通し安値を更新した。

1日(木)は、円主体の相場となっていることもあり午前中は小幅な揉み合いが続いた。欧州勢が参入すると、米10年債利回りの上昇を支えにユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.0798ドルまで下値を広げた。夜英中銀の政策金利発表を控えポンドが対ドルで売りに押され多動きも重しとなった。独・ユーロ圏の製造業PMMIはいずれも速報値から上方修正されたが、相場の反応は限定的だった。ポンドドルの下落を見てユーロ売り・ドル買いが先行した。欧州時間に一時1.0778ドルの安値を付けたが、ニューヨーク時間になり低調な米経済指標が相次ぐと1.0818ドルまで買い戻されたが、戻りは鈍かった。欧州株相場や米国株相場が軟調に推移したことを受けリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出て1.078ドル台まで押し戻され揉み合った。

ユーロ円
29日(月)は、ドル円の円高基調に歩調を合わせ先週末安値166.36円をわずかに下回って、166.33円まで下落した。ただ一巡後は166.96円まで下げ幅を縮小している。ただ日経平均株価が上げ幅を縮小したことなどから、上値が重たい状態が続いき揉み合いが続いた。ニューヨーク時間に入って東京時間の安値をわずかに下回るも、下値は堅く166.37円まで買い戻された。もっとも重要な金融政策発表を前に方向感は出ず小幅な揉み合いが続いた。

30日(火)は、東京オープン直後に166.18円の安値を付けたが、ドル円の上昇を眺め166.83円まで上値を伸ばした。その後はやや揉み合いが続いたが、日経平均株価がプラス圏に浮上したことを受けて円売りが加速し、167.95円まで上値を伸ばした。ただ買いが一巡後はやや押し戻され、167.47円まで押し戻された。日銀金融政策決定会合の結果公表を明日に控える中で、各メディアから追加利上げを巡る観測報道が相次いだ。市場では日銀の金融政策正常化に関する織り込みが進み、円が全面高の展開となった。

31日(水)は、ドル円の上昇に連れて165.96円まで上値を伸ばしたが、日銀の金融政策発表を前に上値が重たくなった。日銀の金融政策発表後には、164.17円まで急落後に166.53円まで急騰する荒い値動きとなった。植田日銀総裁のタカ派発言を受け日経平均先物は大幅安となり円買いが優勢となるなかで163.00円まで大幅に値を下げた。ドル円とユーロ円の影響を同時に受けたため、しばらく方向感が出にくかったものの引けにかけては弱含んだ。日銀の追加利上げ観測を背景に全般で円買いが入りやすい地合いとなる中で一時162.02円と3月18日以来約4か月ぶりの安値を更新した。

1日(木)は、日経平均株安によるリスク回避の動きを背景に3月以来となる160.89円まで下落するも、売り一巡後はドル円が切り返したこともあり買いが優勢となった。日経平均株価の下げ止まりもあり162.54円まで買い戻されたが、買いの勢いが一服すると上値を切り下げた。22時過ぎには162.89円まで上昇し日通し高値を付けたが、欧州株や米国株が軟調に推移していることを受けたリスク回避のユーロ売り・円買いが入り、引けにかけては161.07円まで値を下げた。

7月29日 9時00分 ~8月2日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円    USD/JPY 149.03~155.21(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0777~1.0849(ドル)
ユーロ円    EUR/JPY 160.88~167.95(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2726~1.2888(ドル)
ポンド円    GBP/JPY 190.14~199.47(円)

株式
29日(月)は、主要企業の決算発表や米FOMCなど重用イベントを前に様子見ムードが広がるともみ合いに終始した。マイクロソフトやメタ、アマゾン・ドット・コム、アップルなどIT大手の四半期決算内容を見極めたいという思惑が広がった。ハイテク株比率が高いナスダックでは、小幅に続伸した。

30日(火)は、決算内容が嫌気されたプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やメルクが下落し相場の重しとなると、NYダウ平均は下げに転じる場面もあったが、米利下げ観測を背景に買いが入ると持ち直した。ハイテク株比率が高いナスダックでは、エヌビディアやテスラが下落しいたことを受けて3営業日ぶりに反落した。

31日(水)は、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で9月利下げの可能性について言及すると主力株に買いが集まり、NYダウ平均は一時450ドル超上昇した。ただ18日に付けた取引時間中の最高値41,376.00ドルに接近した場面では利益確定目的の売りが出て伸び悩んだ。ハイテク株比率が高いナスダックでは大幅に反発し、高PERのハイテク株に買いが入った。

1日(木)は、米利下げ観測を背景に買いが先行したものの、その後は2日に控えた米雇用統計を前にして利益確定目的の売りにおされた。低調な米経済指標が相次ぎ米景気の先行きに警戒感が広がったことも相場の重しとなった。NYダウ平均は一時740ドル超下げる場面もあった。ハイテク株比率が高いナスダックは、大幅に反落した。エヌビディアが下げた一方で、決算内容が好感されたメタプラットフォームズが上げた。

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