【今週のハイライト】日銀政策金利引き上げへの思惑が高まり、先週に引き続き円買いが優勢となった

為替(2024年9月13日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   141.78 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1074  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   157.03   (円)
ポンド円          GBP/JPY   186.08  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3124  (米ドル)

 
米ドル円
9日(月)は、東京市場オープンから買いが先行し142.98円までドル買い・円売りが進行した。大幅安となっていた日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米10年債利回りが引け水準より高い位置で推移したことなども買いを支えた。143円の節目がレジスタンスとして意識されると上値が重たくなったが142.7円台前半には底堅さがあり、143.35円まで強含んだ。やや上値が抑えられる動きもあったが、下値も固く戻りは限定的だった。東京時間のドル買い・円売りの流れを引き継ぎ、20時台には143.79円まで上昇し、日通し高値を付けた。米10年債利回りが3.76%まで上昇したことも相場を下支えした。ただ、前週末の8月米雇用統計発表直後に付けた、144.01円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。日経平均株価先物が失速したことも相場の重しとなり、一時142.65円まで下押した。
 
10日(火)は、日経平均が300円超高まで上げ幅を拡大すると、10時台には143.54円まで上値を伸ばした。ただ、日経平均株価が前場引けにかけて上げ幅を縮小すると14時台には143.02円まで下押した。ただ、節目の143円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢となった。時間外の米10年債利回りが3.72%台まで上昇したことや、米株式先物がプラス圏を回復したことなどが相場を下支えした。米10年債利回りが一時3.64%と昨年6月以来の低水準を記録すると、円買い・ドル売りが先行した。米株式相場の失速や日経平均株価先物の下落を背景にリスク・オフの円買いも入ると、25時台には142.19円まで下押した。引けにかけては11日には米消費者物価指数の発表を控えていることもあり、徐々に流動性が低下しもみ合いとなった。
 
11日(水)は、中川日銀審議委員の発言をきっかけにドル売り円買いが強まった。142円を割り込むと、暴落した8月5日の安値141.68円を下抜けて140.70円まで下押した。これまでの日銀当局者の見解と大きな差はなかったため、下げ渋ったが141.5円台では上値が抑えられ戻しは限定的だった。米労働省が発表した消費者物価指数は予想をやや下回った。その一方でFRBが注目しているコア指数は2か月連続で加速した。この結果を受けて、米利下げ観測が後退し全般でドル買いが活性化した。22時前には一時142.54円まで日通し高値を更新した。ただ、CPI発表後に3.68%台まで上昇した米10年債利回りが低下に転じると、ドル円にも売りが出て141.25円まで下押した。日米株価指数が低下したことも相場の重しとなった。
 
12日(木)は、東京仲値にかけてドル高・円安が進行していたものの、10時過ぎに田村日銀審議委員のタカ派発言をきっかけに142.25円まで下押した。もっとも日経平均株価が堅調さを維持していたこともあり、買戻しも早かった。後場には日経平均株価が前場の高値を更新したことで円売り圧力が高まり143.04円まで上値を伸ばした。米労働省が発表した8月米卸売物価指数が前年比で予想を下回ると米10年債利回りの低下とともに円買い・ドル売りが先行した。ナイト・セッションの日経平均先物が480円下落したことも相場の重しとなり、22時台には141.90円まで下押した。その後、米10年債利回りが3.70%まで一転上昇すると、ドル円も142.66円付近まで下げ渋ったものの、上値は重たかった。対ユーロでドル安が進んでいたことも相場の重しとなり、引けにかけては141.72円まで下押し、日通し安値を付けた。
 
ユーロドル
9日(月)は、円相場が主導となる中で大きな方向感は出なかったが、米10年債利回りが先週末よりやや高く推移したことで、わずかにドル買いが優勢な動きとなった。欧州勢参入後は、ドル買い・ユーロ売りに勢いがつき1.1054ドルまで下押し、日通し安値を付けた。米10年債利回りの上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行した。前週末の安園1.1066ドルを下抜けると一時1.1034ドルまで値を下げた。ただニューヨーク時間には今週発表される米消費者物価指数や米卸売物価指数など、インフレ動向を示す指標発表があり様子見ムードとなり限られた値幅でのもみ合いとなった。
 
10日(火)は、東京オープン直後に1.1028ドルまで下押したが、その後は下げ渋りじり高となっていった。16時前には1.1049ドルまで上値を伸ばしたが、ユーロクロスの方向感が定まらない中で、小幅な上下のもみ合いとなった。欧州株式相場の下落を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが先行すると、24時前には一時1.1015ドルの日通し安値を更新した。ただ米10年債利回りが低下しておりドルが売られていることもあり、大きな方向感が出ることはなく小さな値幅での上下となった。
 
11日(水)は、小幅な値動きでのもみ合いで始まったがドル円のドル安進行が進むと1.1044ドルまで上値を伸ばした。米10年債利回りが低下したことも支えとなった。戻しもあったが下値は堅く14時台には1.1051ドルまで上値を伸ばした。その後1.1040ドルまで下押したが欧州勢参入後には再び1.1051ドルまでユーロ買いが優勢となった。米消費者物価指数の結果を受けてFOMCでの大幅利下げ観測が後退すると全般でドル買いが先行した。24時前には一時1.1002ドルと日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は1.10ドル台前半で徐々に値動きが鈍った。12日に控えたECB定例理事会の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売買は手控えられた。
 
12日(木)は、東京仲値にかけて1.1005ドルまで下押したが、ECB理事会を控えていることもあり動意は薄かった。午後になるとポジション調整目的の買いが入りやすくなり一時1.1023ドルまでまでわずかに本日レンジ幅の上限を広げた。その後は、米10年債利回りの上昇とともに午前中の安値1.1005ドルに並ぶ場面もあったが、1.1000ドルの節目がサポートとして意識されており、下押しも限られた。ECBは市場予想通り政策金利を4.25%から3.65%に引き下げることを決定した。声明では「政策金利の決定は会合ごとに実施し、特定の道筋に事前のコメントはしない」とのガイダンスを維持した。「今回の利下げとラガルドECB総裁の発言は想定内だった」との受け止めが多い中で10月の追加利下げ観測が後退するとユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.1075ドルまでユーロ高・ドル安が進行した。
 
ユーロ円
9日(月)は、安く寄り付いた日経平均株価が下げ幅を縮小した事で上値を試す展開となり、158.48円まで上値を伸ばした。日本株の買戻しが一巡しやや失速するも、底堅く推移し158.10円台で支えられた。欧州通貨安が重しとなったが、徐々にドル円の買戻しに勢いがついたこともあり、158.73円まで強含んだ。買い一巡後は、ドル円の下落なども眺めながら徐々に上値を切り下げ157.47円まで下押した。ただ、東京時間早朝につけた157.38円がサポートとして意識されると下げ渋り、158.01円まで買い戻された。
 
10日(火)は、下値が堅い動きとなった。株高でリスク志向ムードが強まると158.37円までユーロ買いが進行したが、一巡後は158円付近まで売り戻されるなど、株価に連動するような動きとなった。日経平均株価が伸び悩みを確認すると157.90円まで下押した。独DAXがプラス圏に転じたことや、英FT100なども下げ幅を縮小した事が相場を下支えし、欧州勢参入後は158.64円まで上値を伸ばした。ただ、前日の高値158.73円が目先のレジスタンスとして働くと失速した。欧州株式相場が低調に推移したこともあり、リスク・オフの円買いが優勢となり、25時台には156.79円まで下押し日通し安値を付けた。
 
11日(水)は、ドル円と同様に日銀金融政策に対する中川審議委員の考えが伝わると、ユーロ売り・円買いが進行した。日経平均株価の下落などもあり、14時台には155.49円まで下値を広げた。その後は買い戻しが優勢となり、独DAXやナイト・セッションの日経平均株価が上昇したことも支えとなり、156.35円まで持ち直した。米消費者物価指数の発表後ドル円が上昇したことを受けて、22時過ぎに156.98円まで上げたものの、アジア時間に付けて日通し高値157.02円が目先のレジスタンスとして意識されると失速した。米国株や日経平均株価先物が下落すると、リスク・オフの円買いが強まり24時前には155.45円まで値を下げ、日通し安値を付けた。
 
12日(木)は、田村日銀審議委員のタカ派発言により円の買戻しが進み、一時156.63円まで下値を広げた。ただ日経平均株価の上昇や、田村日銀審議委員のハト派発言が伝わったことで再び円売りが優勢となると157.51円まで上値を伸ばした。ただドル円の失速やユーロドルも上値が抑えられていることで、積極的に上値を試す動きにはならなかった。22時過ぎには一時156.54円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買戻しが優勢となった。ECBは利下げを急いでいないとの見方から、ユーロ買いが入ると157.50円まで持ち直した。ただ、日本時間の高値157.51円がレジスタンスとして意識されると上値が抑えられる展開となった。
 
9月9日 9時00分 ~9月13日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  140.70~143.79(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1001~1.1075(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 155.45~158.64(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3001~1.3127(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  183.71~188.12(円)
 
株式
9日(月)は、直近で相場の下落が続いたこともあり主力株には買いが入りやすくなった。市場では短期的に売られすぎとの見方から、週明けはその反動で買い戻しが優勢となり、NYダウ平均の上げ幅は一時650ドルを超える場面があった。ハイテク株比率が高いナスダックでは、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが値上がりし、190ドル超高となった。
 
10日(火)は、米消費者物価指数や米卸売物価指数などインフレ同呼応を反映した重要指標の発表を前に、持ち高調整目的の売りが優勢となった。NYダウ平均は一時410ドル超下落した。一方でハイテク株比率が高いナスダックは続伸した。米10年債利回りが低水準で推移したことを受けて、高PERのハイテク株には買いが入りやすかった。
 
11日(水)は、8月消費者物価指数の発表を受けて「物価が見通しほど鈍化しなかった」との見方が広がると、米利下げ観測が後退し売りが入りやすく、NYダウ平均は一時740ドル超下落した。ただ、売り一巡後にはハイテク株中心に買いが集まり、相場は上昇に転じた。市場では短期的に下げが目立っていたハイテク株に押し目買いが入りやすかった。
 
12日(木)は、「FRBの利下げペースが緩やかにとどまり政策が後手に回る」との懸念がくすぶる中で、NYダウ平均は一時200ドル近く下落したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、上げに転じた。前日と同様に、直近でげらっくが目立っていたハイテック株を中心に押し目買いが入った。

この記事をシェアする
もっと読む
クッキー(Cookie)について: お客様が本ウェブサイトにアクセスする際、セキュリティの確保やお客様に関する情報を取得することを目的に、クッキー(Cookie)を使用する場合があります。 本ウェブサイトにお客様が継続的に訪問する場合、クッキーについて同意することと見なします。またクッキーはいつでも削除することが可能です。
FAQ お問合せ サポートデスク
月曜日-金曜日
9:00-24:00